今日は、SQLAlchemyを使って一括更新を行う方法についてご紹介します。具体的には、複数のレコードを一度に更新するためのコードと、そのロジックについて解説します。
一括更新の要件
データベースに対して一括でレコードを更新する場合、通常は以下のような操作が必要です
対象のレコードを指定
更新したいレコードを特定する条件を設定します。
更新内容の指定
各レコードに適用する更新内容を定義します。
効率的な処理
大量のデータに対して効率的に更新処理を行います。
今回は、SQLAlchemyを用いて一括更新を行う方法をご紹介します。以下に示すのは、指定した条件に基づいてレコードを一括更新するクラスメソッドです。
コード例
from sqlalchemy import update
from sqlalchemy.orm import Session
import datetime
class MyModel:
@classmethod
def update_all(cls, update_target_list):
stmt = (
update(cls)
.where(cls.del_flg == False)
.values(
{
"status": "1",
"update_date": datetime.datetime.now(),
"update_id": "system",
}
)
)
db.session.execute(
stmt, update_target_list, execution_options={"synchronize_session": False}
)
コードの解説
update_all メソッド
このメソッドは、MyModel クラスの全てのインスタンスを一括で更新するクラスメソッドです。メソッドの引数 update_target_list には、更新対象のレコードに関する情報が渡されます。
update_target_listのフォーマット
update_target_list には、更新対象のレコードを特定する情報が含まれた辞書のリストを指定する必要があります。具体的には、以下のようなフォーマットである必要があります
update_target_list = [
{"card": "1"},
{"card": "2"}
]
update ステートメントの作成
update(cls) を使って、cls で指定されたモデルクラスに対する更新ステートメントを作成します。
where(cls.del_flg == False) により、削除フラグが False であるレコードだけを対象にします。
values メソッドでの更新内容の指定
.values(...) を使って、更新内容を指定します。この例では、status フィールドを "1" に、update_date を現在の日付に、update_id を "system" に設定します。
db.session.execute での実行
stmt により作成された更新ステートメントを、db.session.execute で実行します。
update_target_list は、特定のレコードに関連する情報を含むリストです。
execution_options={"synchronize_session": False} オプションを使用して、セッションの同期処理を無効化し、大規模な更新処理を効率的に行います。
一括更新の利点と注意点
効率性
一度のクエリで複数のレコードを更新できるため、データベースのトランザクション数を減少させ、パフォーマンスが向上します。
一貫性
更新内容が全ての対象レコードに一貫して適用されるため、データの整合性が保たれます。
注意点
大規模な一括更新は、データベースの負荷を増大させる可能性があります。そのため、必要に応じて適切なインデックスの作成や、トランザクションの分割を検討してください。
まとめ
SQLAlchemyを使った一括更新は、データベースの効率的な操作において非常に強力なツールです。適切に設計されたクエリとメソッドにより、大量のデータを迅速に更新することができます。是非、自身のプロジェクトに合わせてカスタマイズしてみてください!