はじめに
今回は、Microsoft Fabric MCPを実際に触ってみた体験をまとめます。利用したリポジトリはこちらです。
このGitHubリポジトリを活用することで、CursorエディタからFabricの機能を直接操作できるようになりました。まだ学習途中ではありますが、この記事では実際にどのようなことができるのか、キャプチャ画像も交えながら分かりやすくご紹介します。Fabric MCPの導入や活用に興味がある方の参考になれば幸いです。
セットアップ方法については、基本的に上記GitHubのREADMEに詳しく記載されていますので、そちらを参照すれば問題ありません。私の場合は、GitHubのURLをCursorにそのまま渡して「手順を教えて」とプロンプトすることで、スムーズにセットアップを進めることができました。(下画像参照)
実際に使ってみて、もし分からない点やエラーが発生した場合も、CursorのAIアシスタントと対話しながら一つずつ問題を解決していきました。こうしたやり方であれば、初めての方でも1時間程度でセットアップが完了すると思います。慣れている方なら、さらに短時間で導入できるでしょう。
Microsoft Fabric MCPを実際に使ってみた
実行前のチェックポイント
まずは、Cursorの「設定」→「ツール&インテグレーション」から、Fabric MCPが有効になっているかを確認しましょう。
上記のように「5 tools enabled」と表示されていればOKです。現時点(2025年7月)では、Fabric MCPで以下の5つのツールが利用可能です。今後のアップデートでさらに増えることに期待です!
利用できる主な5つのツール(MCPエンドポイント)
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list_workspaces
Fabricテナント内の「ワークスペース一覧」を取得します。 -
list_lakehouses
指定したワークスペース内の「Lakehouse一覧」を取得します。 -
list_tables
指定したLakehouse内の「テーブル一覧」を取得します。 -
get_all_schemas
指定したLakehouse内の「全テーブルのスキーマ情報」をまとめて取得します。 -
get_table_schema
指定したLakehouse内の「特定テーブルのスキーマ情報」を取得します。
この後この5つのツールについて具体的にどんな出力になるかお見せします。
プロンプトのコツ
Fabric MCPをCursorから利用する際の“プロンプトのコツ”をまとめます。
まず、「fabric-mcpというmcp toolsを使って」とプロンプトで明示的に伝えるのがポイントです。すると、ツール利用の承認ダイアログが表示されるので、承認をクリックすればMCPツールが有効化されます。
「実際にどんな感じでプロンプトを送ればいいの?」とイメージが湧かない方は、以下の動画も参考になります。MS LearnのMCPサーバを使った例ですが、流れは同じなので雰囲気がつかめるはずです。
list_workspaces
Fabricテナント内の「ワークスペース一覧」を取得できます。
どんなワークスペースがあるか、まずは全体像を把握したいときに便利です。
ワークスペースの内容はお見せできないのですが、以下のような感じです
list_lakehouses
指定したワークスペース内の「Lakehouse一覧」を取得できます。
Lakehouseの構成を確認したいときにサッと使えます。
list_tables
指定したLakehouse内の「テーブル一覧」を取得できます。
どんなテーブルがあるか一目で分かるので、データ構造の把握に役立ちます。
get_all_schemas
指定したLakehouse内の「全テーブルのスキーマ情報」をまとめて取得できます。
テーブル定義を一括で確認したいときにとても便利です。
get_table_schema
ほぼ一つ上のツールとできることは同じです。
指定したLakehouse内の「特定テーブルのスキーマ情報」を取得できます。
Fabric MCP × Cursor AIでできること(現状の用例)
通常、ウェアハウス内のテーブルであればGUIからスキーマ情報(テーブル定義)を簡単に確認できますが、レイクハウスの場合はGUI上で直接スキーマを取得することができません。
そこで、今回ご紹介したMCPサーバとCursorのAI機能を組み合わせることで、レイクハウス内のテーブル定義もプロンプト一発で取得できるようになります。
これにより、データ構造の把握やドキュメント作成が圧倒的に効率化されます。
「レイクハウスのテーブル定義を素早く確認したい」「手作業でスキーマを書き起こすのが面倒」という方には、特におすすめの使い方です!
参考
おまけ:MCPサーバのツール以外の指示を出してみた
MCPサーバは、あくまで用意されたツール(API)を通じて操作する仕組みです。そのため、ツールで提供されていない機能や、想定外のリクエストには対応できません。
実際に「ツール外の操作をしてほしい」とプロンプトで依頼してみたところ、きちんと「できません」と返答されました。
「何でもできる魔法のAI」ではなく、あくまで“定義された範囲で効率よく作業をサポートしてくれるツール”という点を理解しておくと、より安心して活用できます!
補足:他にもFabric MCPの実装例があります!
Fabric MCPには、今回ご紹介したもの以外にもさまざまな実装例が存在します。
たとえば、以下のGitHubリポジトリも非常に参考になります。
こちらのリポジトリでは、ノートブックの操作など、より幅広い機能が提供されており、用途によってはさらに多彩な活用ができそうです。
実際に私も少し試してみたのですが、うまく動作させるにはPythonやターミナル操作など、もう少しMCPや周辺技術の知識が必要だと感じました。
今後、時間を見つけてキャッチアップしていきたいと思います!
「こうしたら動いた」などの知見があれば、コメントで共有いただけると嬉しいです!
おわりに
本記事では、Fabric MCPとCursor AIを組み合わせた活用例や、MCPサーバの特徴についてご紹介しました。
現時点では「どんな業務に活かせるか」「どこまで自動化できるか」など、まだ発展途上な部分も多いですが、今後のアップデートや機能拡張によって、より実用的なシーンが増えていくことが期待されます。
特に、Fabric×MCPの連携は今後のデータ活用や業務効率化の大きな可能性を秘めています。
「こんな使い方ができた」「ここでつまずいた」など、実際に試してみた感想やTipsがあれば、ぜひコメントで共有いただけると嬉しいです!
今後も新しい情報や実践例があれば、随時アップデートしていきますので、引き続きチェックしていただければ幸いです。