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背景

近年、多くの企業でオンプレミス環境からクラウドへの移行(クラウドリフト)が進んでいます。しかしデータベースの移行には高度な専門知識が必要となるだけでなく、長い停止時間を伴う場合があります。そのため長い停止時間が許容されない場合や充分な専門知識がないと移行するのが難しくなります。
そこでZDMでは複雑な手順をシンプルにして極力停止せず移行することが可能となりました。ここではZDMの概要から移行方式、GoldenGateとの違い等について記載したいと思います。

概要

ZDMとは、移行プロセスを自動化し、ダウンタイムを最小限に抑えるためのオラクル推奨ソリューションです。主な特徴として以下が挙げられます。

  • 最高水準の信頼性:Oracle MAA(最大可用性アーキテクチャ)の原則に基づき、Data GuardやGoldenGateなどの実績ある技術を自動制御します。
  • シームレスなマルチクラウド移行:オンプレミスからOCI、さらにはAzure、Google Cloud、AWS上のOracle環境への移行が可能です。
  • 安全な自動実行:複雑な手作業を排除することでヒューマンエラーを未然に防ぎ、効率的な移行を「無償」で提供します。

移行方式の種類

移行方式として、物理移行・論理移行・ハイブリッド方式の3種類があり、このうち物理移行と論理移行には要件に応じてオンライン(極力無停止)とオフライン(計画停止)を選択することが可能です。

物理移行

データベースをブロックレベル(ファイルそのもの)でコピーする方式です。この方式は論理やハイブリッド方式と比べて信頼性が高い方式です。

  • 利用ツール(オフライン):内部的にRMANを使用します。
  • 利用ツール(オンライン):内部的にRMANやData Guardを組み合わせて使用します。
  • 特徴:移行性能が非常に高く、オンライン方式では切り替え時のみの最小限のダウンタイムで移行可能です。
  • 制約:ソースとターゲットでOSが同一である必要があり、バージョン変更やAutonomous Databaseへの移行は対応していません。

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論理移行

データを論理的なオブジェクト単位(テーブルやスキーマ等)で抽出し、移行先へインポートする柔軟な方式です 。

  • 利用ツール(オフライン):内部的にDataPumpを使用します。
  • 利用ツール(オンライン):内部的にGoldenGateとDataPumpを組み合わせて使用します。
  • 特徴:OSの変更やDBのバージョンアップを同時に行うことが可能で、Autonomous Databaseへの移行も可能です。
  • 制約/考慮事項:物理移行に比べて、データ量が多い場合はエクスポート/インポートに時間を要する場合があります。

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ハイブリッド方式

物理移行の「スピード」と論理移行の「柔軟性」を融合させた、大容量データ移行向けのオフライン専用の新しい方式です。

  • 利用ツール:RMANのXTTS(クロスプラットフォーム・トランスポータブル・表領域)とData Pumpを組み合わせて使用します。
  • メリット: データ量が多く、かつOSの変更(クロスプラットフォーム移行)が必要な場合に、エクスポート/インポートの時間を大幅に短縮できます 。
  • 制約:オフライン(最終増分適用時のみの短時間の計画停止)が必須となり、ターゲットDBのバージョン(19.24以上など)に制約があります。 またAutonomous Databaseへの移行は対応していません。

※Autonomous Database
AIと機械学習を活用し、バックアップやパッチ適用といった日々の運用管理を「完全自動化」した、柔軟に拡張可能なデータベースサービスです。
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移行方式比較表

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ZDMの移行フロー

ZDMを利用した移行は、大きく分けて「事前準備」と「自動実行」の2つのフェーズで構成されています。物理移行・論理移行を問わず、共通のロードマップは以下の通りです。

  1. ZDM環境のセットアップ(準備)まず「ZDMサービスホスト」を構築し、ソフトウェアをインストールします。あわせて、ソースDBとターゲットDB、およびデータ退避先(Object Storageなど)の間で通信ができるようネットワーク構成を整えます。
  2. 移行パラメーターの定義(準備)「どのDBを、どの方式で、どこへ移行するか」を指定するレスポンスファイルを作成します。このファイルの内容によって、ZDMが内部で制御するツール(Data GuardやGoldenGateなど)が自動的に決定されます。
  3. 移行コマンドの実行(自動化)準備が整ったら、ZDMホストから一元管理コマンドを実行します。

実行コマンド: zdmcli migrate database

このコマンド一つで、ZDMがMAA(最大可用性アーキテクチャ)のベストプラクティスに基づき、接続確認から初期データの転送、同期設定までをフルオートで進めてくれます。

GoldenGateとZDM比較

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GoldenGateは幅広い用途で使用できる反面、ライセンス費用がかかるのと専門的な知見がないと設定や運用が難しいという側面があります。その一方でZDMは事前準備があるものの、基本的に自動で設定が行われます。そのため導入のハードルや工数を大きく削減することが可能になります。但しGoldenGateの全ての機能が使用できるわけではないため、要件や移行の目的に合わせて、最適なツールを選定することをおすすめします。

まとめ

本記事では、Oracle ZDMの概要から主な移行方式の説明、そしてGoldenGateとの違いについて解説いたしました。
ZDMはこれまで手作業で行っていた複雑なステップを自動化し、ヒューマンエラーを排除しながら「極小ダウンタイム」での移行を「無償」で実現する、非常に強力なソリューションです。
本記事を通じてZDMについて理解が深められたのではないでしょうか。

検証編では実際にZDMを使用した論理移行(オンライン)方式の検証内容についてお届けいたします。

具体的な流れから、検証してわかったこと等まで詳しく解説しますので、ぜひ続けてご覧いただけると幸いです!

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