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【Oracle AI World Tour Tokyo 2026 現地参加レポート⑦】ヤマトグループのCSを支えるDX戦略と生成AI活用 ~デジタル変革による顧客サービス革新への取り組み

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みなさん、こんにちは!
2026年4月16日(木)に開催された「Oracle AI World Tour Tokyo」に参加してきました。

いくつか拝聴したセッションの中から、今回はヤマトコンタクトサービス株式会社(YCS)様による「ヤマトグループのCSを支えるDX戦略と生成AI活用 ~デジタル変革による顧客サービス革新への取り組み~」についてレポートいたします。

1. 登壇者紹介

登壇者:ヤマトコンタクトサービス株式会社 DX推進部長 吉本 有明 様

Webマーケティング会社を経て、2017年に入社。現在はデジタルチャネルの顧客体験改善や、コンタクトセンターのDX推進に取り組まれています。

ヤマトグループのコンタクトセンターを集約して運営されており、主に宅急便の顧客対応の最前線を担われています。

ビジョン: 「つながる」を極め、お客様にとっての価値となる。

ミッション: 多様なチャネルからの要望解決を、DXの力で加速させる。

事業内容: ヤマトグループ内業務に加え、一般法人向けにコンタクトセンター構築、チャットボット等のデジタルチャネル構築、VOC分析などを提供されています。

2.DXに取り組む背景:物流の「2024年問題」と労働力不足

日本全体で生産年齢人口が減少する一方、宅配便の取扱量は右肩上がりで推移しており、需要が供給に追いつかなくなり大きな課題に直面されています。そのため「従来のオペレーションだけでは高品質なサポートを維持できない」という強い危機感から、抜本的なDX改革をスタートされました。

この深刻な労働者不足という課題は、IT業界に携わる私にとっても他人事ではなく、どの業界においても共通の重要課題であると改めて強く感じました。

3.DXの成果:有人対応比率の劇的な変化

DXへの投資と努力の結果、物流量が増加する一方で、有人対応の問い合わせを大幅に減らすことに成功されています。

2019年:有人対応 8割 / デジタル対応 2割

2024年:有人対応 2割 / デジタル対応 8割

たった5年間で有人対応の割合をここまで劇的に逆転させた事実は、非常にインパクトがありました。

4.失敗から得た教訓

最初からすべてが順調だったわけではなく、以下の「失敗」を糧に成功へと導かれたとのことです。

①チャットボットの肥大化: 網羅性を高めようとコンテンツを増やしすぎた結果、正答率が低下。利用者の半分が電話へリダイヤル(再問い合わせ)する事態になったそうです。

→ 【教訓】 現在は、問い合わせ理由別に専門窓口を設置するように対応されています。

②サイロ化したツール導入: ツールを個別に導入したため、顧客体験の分断や重複を招き、オペレーターの負荷増大に繋がってしまったとのこと。

→ 【教訓】 クラウドPBXを導入し、デジタル基盤を一元化するように変更されました。

成功の裏には過去の教訓が活かされていること、そして現状に満足せず改善し続ける姿勢の大切さを学びました。

5.生成AI(ベクトル検索)を活用した取り組み事例

オラクル社と共同で、メール問い合わせフォームにおける「FAQレコメンド」の高度化を実施されました。

従来のキーワードマッチング方式では長文や複雑な質問への精度が低下してしまいます。そのため、当初6割程だった自己解決率が5割まで低下してしまったそうです。

そこで生成AI(ベクトル検索)方式へ変更されました。内容をベクトル化して照合することで、ユーザーの真の意図に沿ったFAQ提示が可能になりました。その結果、マッチング精度が50%から85%へ向上、自己解決率も75%まで改善されたとのことです。

ハルシネーション(※)を防ぐため、あえて回答生成はせず「最適なFAQの提示」に特化されている点が非常に戦略的だと感じました。

※ハルシネーション:AIが事実に基づかない情報を生成する現象。

また、生成AIの使い方次第で精度が大きく左右されるということを、改めて実感しました。

6.今後の展望

DXの歩みはさらに進化を続けています。

AIモニタリング評価: 応対評価を生成AIが担当。管理者の工数を削減し、創出した時間をオペレーターへのフィードバックや教育(OJT)に充てることを可能にされています。

AIエージェント: 荷物情報と連携した自動回答エージェントを構築中。AIと人がそれぞれの専門領域に精通し、「コンタクトセンターの同僚」として連携できる姿を目指されているとのことです。

まとめ

生成AIを活用することで業務効率化や労働者不足に対応することが、今後必要不可欠であると改めて実感しました。一方で、すべてをAI任せにするのではなく、ハルシネーションのリスクを理解した上で「AIと人の役割分担」を明確にすることがDX成功の鍵であることを学びました。

今後の業務に取り組むにあたっても、AIの利点と欠点を理解した上で、的確に取り入れていきたいと思います。

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