AIと長く話すと、最初の指示を急に忘れる。長い文書を貼ると返事が雑になる。あの「急にバカになった」感じの正体を、/context で実測して、対処まで整理しました。
最初に絵を一枚渡します。AIは、一枚の机の上だけで考えています。机の広さは決まっていて、一杯になると古い紙から床に落ちる。落ちるのはたいてい会話の序盤なので、長い会話ほど最初の指示を忘れます。AIが「忘れた」のではなく「机から落とした」わけです。
この記事は、Claude Code の /context(いまの机の中身を見せるコマンド)で自分の環境を実測した結果をもとにしています。数字は自分のある作業セッションの値で、環境やモデルで変わります。自分の机は自分で測るのが確実です。
まず /context を読む
実際に叩いた結果の要点が、これでした(Opus 4.8 / 1M窓)。
246.8k / 1M tokens (25%)
System prompt: 3.9k
System tools: 16k
MCP tools: 866
Memory files: 4.3k
Skills: 2.1k
Messages: 219.6k ← 机を埋めている主犯
Free space: 753.2k (75.3%)
読み方で見るべきは、何が机を埋めているかです。机の主犯は会話(Messages)でした。219.6kで全体の22%。つないだ道具でも凝った設定でもなく、会話が長くなること自体が紙を増やしていました。
「道具をつなぐと食う」は構成しだい
意外だったのがここです。MCPの道具は866トークンしか載っていませんでした。サーバーは何個も繋いでいて、使える道具のリストは画面に収まらないのに、です。
理由は、道具がオンデマンド読み込みだったから。繋いであっても、使うまで説明書を机に広げない作りです。ただしこれは構成しだいで、全部の道具の説明書を最初から机に広げる読み込み方もあります。その場合は繋いだぶん素直に机が狭くなる。「繋ぐと食う/食わない」は一概に言えないので、自分の /context で確かめてください。
最初から載っている備品
会話を始める前から机にある固定ぶんも見えます。システムプロンプト3.9k、組み込みツール16k、メモリ4.3k、スキル2.1k。合わせて約27kが、一文字も打つ前に載っていました。いちばん大きいのは組み込みツールの16kです。
メモリの中身を見ると、プロジェクトごとの CLAUDE.md が入っていました。自分の場合は開発中プラグインの CLAUDE.md が3.6k。毎回この申し送りを机に載せている計算です。便利なものも机の面積を使う、という当たり前が数字で見えます。
机を片付ける4つの手
絵が握れると、対処は素直です。
- おかしくなったら新しい会話で机を片付ける。これがいちばん効く。大事な前提だけ新しい机に持って移る
- 長い資料はまるごと貼らず、要点だけ渡す。机に広げる紙を小さくする
- 守ってほしい指示は会話の終盤でもう一度言う。序盤の紙は机の奥で落ちかけている
- 道具の読み込み方を
/contextで確認する。オンデマンドなら繋ぎすぎても平気、全載なら使わない道具は外す
「メモリ」機能は机とは別の引き出しです。必要なときに机へ出してくる仕組みで、机そのものは広がりません。出した紙も机の面積を使う点は同じです。
まとめ
AIは一枚の机で考えていて、広さは決まっている。一杯になれば古い紙から落ちる。「忘れた」のではなく「机から落ちた」。そして自分で測ってみると、机を埋める主犯は会話そのものでした。道具でも設定でもなく、長く話すこと自体が紙を増やす。次に机が重くなったら、まず会話を片付けることから考えます。測らないと机のどこが埋まっているかは案外わからないので、/context を一度叩いてみるのがおすすめです。