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WordPressプラグインを個人開発して、はじめて有料版が売れるまでの記録

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WordPress用のAIチャットボットプラグインを個人で開発しています。無料版をWordPress.orgで公開し、その上位版を有料で出しました。先日、その有料版が数件売れました。金額にすると、まだ数万円です。

大きな数字ではありません。ただ、自分がゼロから作ったものに、会ったこともない誰かがお金を払ってくれた。この事実が、金額以上に効きました。同じように個人でものを作っている人に、何か残せればと思って書いています。

技術記事というより、開発の記録です。ハマったところや、やってみて分かったことを中心にまとめます。

どういうプロダクト?

サイトの中身から答えるAIチャットボットのWordPressプラグインです。サイトに設置すると、そのサイトの投稿や固定ページを読み込んで、訪問者の質問にサイトの内容から答えます。

![デモ](ss-00-demo.gif

OpenAI・Claude・Gemini・OpenRouterを差し替えられる、BYOK(自分のAPIキーで動かす)型です。無料版でも応答数の制限はなく、有料版で分析・LINE連携・シナリオなどのビジネス向け機能が付きます。

なぜ作ったのか

きっかけは、自分でチャットボットを使ってみて不満だったからです。月額のSaaSは高い。かといって自分で組むと、AIが平気で嘘をつく。サイトに書いていないことまで、それらしく答えてしまう。

特にこの「知らないことを答えてしまう」が嫌でした。店舗や病院のサイトでAIが存在しない情報を断言したら、実害が出ます。だから「サイトに書いていないことは、正直に分かりませんと言う」チャットボットを、自分で作ることにしました。

技術的には、ハイブリッド検索(キーワード+ベクトル)でサイトのコンテンツを引いて、その結果が一定のスコアに満たなければ、そもそもLLMに答えさせない、という作りにしています。プロンプトで「分かりませんと答えよ」と指示するだけだと、特に軽量モデルで破られるので、生成の前に検索スコアで足切りする方式にしました。この設計の詳細は別で書こうと思います。

初期バージョンはどんなものだったか

最初は本当に最小限で、指定したAIに繋いで、サイトを検索して答えるだけでした。そこから、ナレッジベース、多言語対応、利用制御、根拠のある回答モード……と、使いながら必要になった機能を足していきました。

ナレッジベース

ひとりなので、コードも、説明文も、翻訳も、バグ修正も、全部自分です。派手な進捗はなく、毎日すこしずつ、直しては壊し、また直す。その繰り返しでした。開発期間は数ヶ月に及びました。

どうやってユーザーに届けたか

いちばん効いたのは、WordPress.orgの公式リポジトリへの登録でした。トラフィックの大半はここからです。日本語の検索で上位に表示されるようになってから、無料版のインストールが少しずつ増えました。

それ以外にやったことは、だいたい無料か低コストのものです。

  • プラグインの使い方を説明する記事を書いた
  • 自分のサイトで実際に動かして、体験できるようにした
  • 設置手順や使い方の動画を作った

派手な集客はしていません。地道に、置ける場所に置いていく感じです。今も口コミと公式リポジトリの検索流入が中心です。

はじめて有料版が売れた日

無料版のインストールは増えても、有料版が売れるかは別の話です。無料で足りてしまえば、上位版に進む理由はない。実際、公開してからしばらく、有料版の通知はゼロでした。

だから最初の1件の通知が来たときは、しばらく信じられませんでした。管理画面に用意した「無料版→有料版」の導線を、顔も知らない誰かが実際に通ってくれた。コードで書いた分岐が、はじめて人の行動として動いた瞬間です。

その後も少しずつ売れています。まだ数件ですが、通知が来るたびに手が止まります。母数が小さいうちは、1件が大きい。この感覚は今しか味わえないので、書き留めておきます。

一番難しかったこと

集客です。特に最初のインストールを積み上げる段階が、いちばん苦しい。良いものを作っても、自分から広めにいかないと、勝手には見つけてもらえません。作って公開して終わり、では誰にも届かない。ここは、想像していたよりずっと地道な作業でした。

もう一つ、レビューをお願いするかどうかで迷いました。プラグインの世界では、レビューの数がそのまま信頼になります。少ないと、良いものでも見つけてもらえない。でも、買ってくれたばかりの人に「レビューください」と頼むのは厚かましい気がして、手が止まりました。

迷った末に、お礼のメールの最後に一行だけ足しました。「もし気に入っていただけたら」と。断ってもいい書き方で、控えめに。そうしたら、書いてくれた人がいました。売上の通知とは、また種類の違う嬉しさでした。レビューが1つ増えるだけで、検索での見え方も変わってきます。

動いているところ

文章だと地味なので、動画も撮りました。同じ質問を「サイトを学習させたチャットボット」と「ふつうのChatGPT」に投げて、答えを並べています。前者はサイトにしかない情報を答え、後者は一般論しか返せません。この違いが、作りたかったものの核心です。

サイト学習

設置の手順は、前の動画にまとめています。

個人開発をしている人へ

まだ何かを成し遂げたとは、とても言えません。売れた数も金額も小さいし、ここから伸びるかも分かりません。

それでも、自分が「あったらいいな」と思って作ったものを、同じように思ってくれた人がお金を払ってくれた。その一点だけは確かです。

もし同じように個人で作っている人がいたら、伝えたいのは一つだけです。最初のユーザーが付くまでが、いちばん長い。そこで諦めなければ、少しずつ動き出すことはある。自分もまだその途中ですが、はじめの数件が売れたこの感触は、記録しておく価値があると思いました。


プラグインはWordPress.orgで公開しています(無料)。

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