プラグインの更新を SVN に上げたあと、いつ利用者に届くのか。
調べると「反映まで最大24時間かかる」と書かれた記事が出てきます。自分もそう覚えていました。ところが、実際に何度かリリースしてみると、数分で反映されることもあれば、6時間ほどかかることもありました。
決まった時間がない。これが、いまのところの実感です。
この記事では、待っているあいだに何を確認すればいいのかと、どこまで待ったら別の原因を疑うべきかを書きます。同じように「まだ来ない」と画面を見ている人向けです。
先に結論
- 決まった時間はありません。 数分のこともあれば、数時間かかることもあります
- 「24時間」は上限の目安であって、毎回それだけかかるわけではありません
- 待っているあいだにできる確認が、いくつかあります
- 自分側のミスで止まっているケースもあるので、切り分け方を書きます
1. 何段階かに分かれています
まず、リリースしてから利用者に届くまでの流れを整理します。ここが分かっていないと、どこで止まっているのかが判断できません。
SVN にコミットする。 これは自分の操作です。完了はすぐ分かります。
WordPress.org 側が取り込む。 ここに時間がかかります。コミットしただけでは、配布ページには反映されません。
プラグインページの表示が更新される。 バージョン番号や更新日が変わります。
各サイトが更新に気づく。 利用者の WordPress が、更新の有無を確認しに来るタイミングです。ここにも間隔があります。
つまり、「反映されない」と感じたとき、どの段階で止まっているかが違います。
2. 実際、どれくらいかかったか
自分が観測した範囲で書きます。回数を数えていたわけではないので、正確な統計ではありません。
数分で反映されたこともありました。 コミットして、少し経ってから配布ページを開いたら、もう新しいバージョンになっていた。
6時間ほどかかったこともありました。 その日は何度か確認して、そのたびに古いままでした。
同じ手順で、同じようにコミットしています。 それでもばらつきます。
2-1. なぜばらつくのか
分かりません。
サーバー側の処理タイミング、混雑状況、何らかのキューの都合。いくつか想像はできますが、確かめる手段がないので、推測を書くのはやめておきます。
ただ、「24時間」という数字が、毎回かかる時間ではないことは確かです。そして、数分で来ることもあるので、コミット直後に確認する価値はあります。
3. 待っているあいだに確認できること
順番に見ていくと、どこまで進んでいるかが分かります。
3-1. SVN のコミットが通っているか
まず、これを確認します。
svn log https://plugins.svn.wordpress.org/あなたのプラグインslug/ --limit 5
直近のコミットが表示されます。自分のコミットが載っていれば、SVN 側は完了しています。
タグを打っている場合は、そちらも確認します。
svn ls https://plugins.svn.wordpress.org/あなたのプラグインslug/tags/
新しいバージョンのタグが並んでいるかを見てください。
3-2. 配布ページを見る
https://wordpress.org/plugins/あなたのプラグインslug/ を開きます。
確認するのは3か所です。
バージョン番号。 新しいものになっているか。
最終更新日。 今日の日付になっているか。
ダウンロードボタンのファイル名。 バージョンが含まれていることがあります。
ここが古いままなら、まだ取り込まれていません。 待つ段階です。
3-3. ブラウザのキャッシュに注意
配布ページが古いまま見えているだけ、ということがあります。
強制的に再読み込みしてください。
Mac: command + shift + R
Windows: Ctrl + Shift + R
シークレットウィンドウで開くと、より確実です。「反映されていない」と思っていたら、自分のブラウザが古いものを見せていたというのは、地味によくあります。
3-4. 自分のサイトで確認する
配布ページが更新されていても、手元の WordPress にはすぐ通知が来ないことがあります。
WordPress は、更新の有無を定期的に確認しています。その間隔があるため、配布側が更新されてから、手元に通知が出るまでにラグがあります。
管理画面の「更新」ページを開くと、確認が走ります。それでも出ない場合は、少し待ってからもう一度開いてみてください。
WP-CLI を使っているなら、こちらで確認できます。
wp plugin list --update=available
4. どこまで待つか
自分の目安を書きます。
数分から数時間は、正常の範囲です。 ここで焦って何かする必要はありません。
半日ほど経っても配布ページが変わらない。 このあたりから、少し気になります。ただ、まだ待っていい範囲だと思います。
24時間経っても変わらない。 ここで初めて、自分側に原因がないかを疑います。
逆に言うと、それまでは待つのが正解です。 焦ってコミットし直したり、タグを打ち直したりすると、かえって状態がややこしくなります。
5. 24時間経っても来ない場合
自分は、いまのところこのケースに当たったことがありません。なので、ここは「もし起きたら確認する場所」として書きます。
5-1. readme.txt の Stable tag
いちばん多い原因と言われているのが、ここです。
Stable tag: 1.2.3
この値が、実際に配布したいバージョンのタグと一致しているか。
trunk になっている、あるいは古いバージョンのままだと、そちらが配布されます。タグを打っても、Stable tag が更新されていなければ、利用者には届きません。
5-2. タグが正しく打たれているか
svn ls https://plugins.svn.wordpress.org/あなたのプラグインslug/tags/
Stable tag に書いた番号と、同じ名前のタグが存在しているかを確認します。
1.2.3 と書いたのに、タグが v1.2.3 になっている。あるいは打ち忘れている。この食い違いは起こりえます。
5-3. メインファイルのバージョン
プラグインのメインファイルのヘッダーです。
/**
* Plugin Name: My Plugin
* Version: 1.2.3
*/
ここも、readme.txt と揃っている必要があります。
5-4. 3か所を揃える
つまり、確認すべきは3か所です。
| 場所 | 何を書くか |
|---|---|
readme.txt の Stable tag |
配布したいバージョン番号 |
tags/ の中のタグ名 |
同じバージョン番号 |
| メインファイルの Version | 同じバージョン番号 |
この3つが揃っていないと、意図したものが配布されません。 リリース前のチェックリストに入れておくと安全です。
6. リリース時にやっていること
参考までに、自分の手順を書いておきます。
バージョン番号を、3か所すべてで揃える。 メインファイル、readme.txt の Stable tag、そして打つタグ。
trunk にコミットしてから、タグを打つ。
コミット後、SVN のログで確認する。
配布ページを、シークレットウィンドウで開いて確認する。
すぐ反映されていなくても、そのまま作業を続ける。 ここが大事で、張り付いて待たないほうがいいです。数時間後に見たら、たいてい終わっています。
7. 「24時間」という数字について
最後に、この数字の扱いについて書いておきます。
古い記事の多くが「最大24時間」と書いています。 これ自体は間違いではないと思います。上限の目安として案内されているものです。
ただ、それを読んだ人が「24時間かかるもの」と受け取ってしまうことがあります。実際には、もっと早いことのほうが多い。
そして逆に、6時間経っても来ないと不安になる。まだ待っていい時間なのに、readme を見直したり、タグを打ち直したりしてしまう。
「決まった時間はない」と知っているだけで、この無駄が減ります。
まとめ
- 反映までの時間は一定ではない。 数分のことも、数時間かかることもある
- 「24時間」は上限の目安。毎回それだけかかるわけではない
- 確認は「SVNのログ → 配布ページ → 手元の管理画面」の順に見る
- 配布ページはブラウザキャッシュに注意。 強制再読み込みかシークレットウィンドウで
- 24時間経つまでは待つ。 焦って打ち直すと、かえってややこしくなる
- それでも来ないなら、Stable tag・タグ名・メインファイルの Version の3か所を確認
- リリース時は、この3か所を揃えてからコミットする
自分の場合、待っているあいだに何度も確認して、結局は届いていたというのがほとんどでした。張り付かずに、別の作業をしているのがいちばん精神衛生にいいと思います。
役に立ったらストックして、リリースのときに見返してください。
ふだんはraplsworks.comで、WordPressプラグイン開発やClaude Codeまわりのことを書いています。