WordPress にチャットボットを付けたいけれど、月額 SaaS は高いし、OpenAI の API はカード登録が要る。無料で済ませたいのに入口で詰まる。そこで止まっている人に向けた手順です。
OpenRouter の無料キーなら、カード登録なしで動きます。自分が試した範囲では、登録から応答確認まで 10 分ほど、費用は 0 円でした。
なお、無料で始める方法は OpenRouter のほかに Google Gemini の無料枠もあり、プラグインの設定画面でどちらかを選べます。この記事では OpenRouter のルートを解説します(Gemini を使う場合の手順は別記事にまとめます)。
この記事で使うのは、自分が開発している無料プラグイン「Rapls AI Chatbot」です。自作ツールの紹介を含む記事として読んでください。会話データを自分のサーバーに置きたい、月額課金を増やしたくない、という人向けの構成です。埋め込み型の SaaS で足りる人は、対象外になります。
用意するもの
必要なのは、この 2 つだけです。
- WordPress サイト(6.3 以上 / PHP 7.4 以上)
- OpenRouter のアカウント(メールアドレスだけで作れます)
クレジットカードは、最後まで出てきません。
OpenRouter でキーを取る
openrouter.ai にメールアドレスで登録して、ダッシュボードの API Keys ページで New Key を押します。名前を付けて Create を押すだけです。名前は、用途が分かれば何でも構いません。
作成すると、キーが 1 度だけ表示されます。sk-or-v1- で始まる文字列です。この画面を閉じると二度と表示されないので、ここでコピーしておいてください。
キーの扱いは、パスワードと同じです。人に見せない、公開リポジトリに置かない。もし漏らしたら、API Keys ページからすぐ削除(Revoke)できます。発行し直しは無料で何度でもできるので、怪しいと思ったら作り直すほうが早いです。
無料で使えるのは、モデル名に :free が付いたモデル群です。課金設定をしなくても呼べます。そのかわりレート制限がきつめで、上限は OpenRouter 側で変わるため、最新の数字は公式ドキュメントで確認してください。個人ブログの問い合わせ対応くらいなら、自分が試した範囲では実用になっています。
プラグイン側の設定
WordPress 管理画面のプラグイン新規追加で「Rapls AI Chatbot」を検索して、インストール・有効化します。
設定画面を開くと「まず無料で動かす」というセットアップパネルが出ます。先ほどコピーしたキーを、2 番の欄に貼り付けてください。
貼り付けたら「接続テスト」を押します。キーの検証と保存、モデルの自動設定まで、ここで済みます。モデル名を自分で調べて選ぶ工程はありません。成功すると、この表示になります。
サイトへの設置
接続できただけでは、まだサイトに何も出ません。置き方は 3 つあります。
- ブロックエディタで「AI チャットボット」ブロックを固定ページや投稿に挿入する
- ショートコード
[raplsaich_chatbot]を任意の位置に貼る - 表示設定で、サイト全体への表示を有効にする
ページ単位で試すなら上の 2 つ、全ページの右下に常駐させるなら 3 つ目です。最初はテスト用の固定ページにブロックで置いて、動きを見てから全体表示に切り替える。この順番だと事故がありません。
動作確認
設置したページを開いて、何か話しかけてみてください。
これは自分のテスト用サイトで「このサイトはどんなサイトですか?」と聞いたときの応答です。サイト学習機能を有効にしていたので、サイトの内容を踏まえた説明が返ってきています。応答が返れば、設置は完了です。
サイトの記事を学習させて精度を上げる話や、回答の根拠ページを表示する設定は、長くなるので別の記事に分けます。
無料で運用するときの注意
良いことばかり書くとフェアではないので、引っかかりやすい点を挙げます。
- 無料枠にはレート制限があります。短時間に連続で叩くと、一時的に応答が遅れたり、待たされたりします
- 無料モデルは顔ぶれの入れ替わりが激しく、応答品質にもばらつきがあります。日本語の自然さはモデル次第です
- アクセスの多いサイトで安定して運用したいなら、OpenRouter に少額チャージするか、OpenAI や Claude のキーに切り替えるほうが確実です。プラグインは同じ設定画面でプロバイダーを変えられます
無料キーは「まず動かして判断する」ための入口で、本運用の構成は、サイトの規模に合わせて選ぶことになります。
なぜ無料キーの導線を最上段に置いたか
余談です。このセットアップパネルを作る前のバージョンでは、「インストールしたけど API キーの取得で脱落する」が、いちばんの離脱原因でした。キー取得にカードが要る、という一点で諦める人が多かった。プラグイン側でどれだけ設定項目を磨いても、最初のキーが手に入らなければ意味がない。それで、無料キーの導線を設定画面の一番上に持ってきたのが、今のバージョンです。
まず動かしてみてください。判断は、それからで間に合います。
参考
- プラグイン本体: https://wordpress.org/plugins/rapls-ai-chatbot/
- ソースコード(GitHub): https://github.com/rapls/rapls-ai-chatbot
- 質問・不具合報告: https://wordpress.org/support/plugin/rapls-ai-chatbot/
- プラグインの詳細: https://raplsworks.com/plugins/rapls-ai-chatbot/