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ver.1.7仕様書 6th edition、10.10.1に相当します。
PDFは、紙媒体への印刷や、映像や複製原版などの中間媒体へのコンテンツ配置といった印刷前工程の一部といったメディア向けに使うことを考慮しています。特に後者の場合、中間データと最終的なページデータを区別する必要があります。中間ページデータには多くの場合、裁ち落としやプリンターマークなど、最終的なページの境界外に製作時向けのコンテンツが含まれます。PDFではこの製作プロセス中の様々な側面を制御するため、最大5つの境界を定義できます。
###MediaBox
ページが印刷される際の物理サイズを定義します。この領域には、断ち落としや印刷マーク、あるいはその他の目的の拡張領域を含めることがあります。また、出力デバイスの物理的制限のためにマークできない、メディアの端近くの領域も含めることがあります。この境界の外にあるコンテンツは、PDFファイルに影響を与えることなく、安全に破棄されます。
###CropBox
ページのコンテンツが表示あるいは印刷される際に、クリップ(トリミング)される領域を定義します。他の領域とは異なり、CropBoxは物理的なページ構成または使用目的に関して意味を定義せず、単にページのコンテンツにクリッピングを課します。ただし、追加除法(JDFやPJTFジョブチケットで指定された面付け指示など)がない場合、CropBoxはページのコンテンツを出力メディアに配置する方法を決定します。
デフォルト値はMediaBoxと同値です。
###BleedBox (PDF1.3以降)
製造環境で出力する際の、ページのコンテンツをクリップする領域を定義します。これには、切断、折り込み、およびトリミングの物理的制限に対応するために必要な、余分な裁ち落とし領域が含まれることがあります。実際に印刷されるページには、BleedBoxの外側に印刷マークが含まれている場合があります。
デフォルト値はCropBoxと同値です。
###TrimBox (PDF1.3以降)
トリミング後の最終的なページの寸法を明示します。印刷指示、カットマーク、カラーバーなどの製作時コンテンツを考慮するため、MediaBoxより小さくなることがあります。
デフォルト値はCropBoxと同値です。
###AtrBox (PDF1.3以降)
ページ製作者によって明示される、ページ内の意味のあるコンテンツ(潜在的な空白を含む)の領域です。
デフォルト値はCropBoxと同値です。
これらの領域はすべて、ユーザー空間単位で表される長方形です。
CropBox、BleedBox、TrimBox、ArtBoxは、通常、MediaBOxの領域を超えてはいけません。数値上で超えている場合は、MediaBoxの交差位置まで縮小します。