概要
RPAプロジェクトで複数メンバーによるボット作成を行う際に、Git / Team Foundation Server (TFS) などのソースコード管理システムを別途導入しなければならないのが一般的です。Automation Anywhereは**「リポジトリ」**という仕組みがあり、複数メンバーでボットの作成を行う仕組みがあります。バージョン管理もSVNと連携してリポジトリの中で統合されたユーザーインターフェイスで行うことが可能です。
対象
- Automation Anywhere Enterprise 11.3.2
- (Community Editionは不可)
- (バージョン管理のオプション) Apache Subversion (SVN)
全体イメージ
リポジトリを使うと、おおまかに下記の図のような連携が可能です。
リポジトリでボットを集中管理
リポジトリにアップロードしたボットは、複数人で編集したり、Bot Runnerのパソコンにダウンロードして実行/スケジュールすることができるようになります。すべてログが残るため、プロジェクト全体を容易に把握することができます。
アップロード / ダウンロード
Enterprise Clientの「管理 / リポジトリ」メニューをクリックすると、ダイアログボックスが開いて、Control Room上のファイルと、対応するフォルダーのローカルのファイルの状態を一覧することができます(閲覧権限があるファイル/フォルダーのみが表示されます)。
必要に応じてローカル→Control Roomにアプロードしたり、Control Room→ローカルにダウンロードしたり、内容を比較することが可能です。
リポジトリをControl Room側からも見ることができます。「マイBot」では、各ユーザーからアップロードされたファイルの一覧を見ることができます。(閲覧権限があるファイル/フォルダーのみが表示されます)
実行 / スケジュール
Control RoomのマイBotでボットを選択して、「Botを実行...」もしくは「Botをスケジュール」することができます。
ボットを実行するためのパソコン (Bot Runnerライセンスでログインしているパソコン)を指定すると、実行できるようになります。
バージョン管理はSVNで
SVNとAutomation Anywhere Enterpriseを連携させることで、リポジトリはSVN上に保存されることになります。Control Roomの「管理 / 設定」項目に、「Bots / バージョン管理」があります。
中には以下のような設定項目があります。バージョン管理機能を「有効」にすると、SVNのサーバー名、リポジトリパス、ログイン資格情報、接続プロトコルとポート番号などを聞かれます。
SVNと連携した状態では、以下のような画面でControl Room上の「マイBot」でバージョン管理ができるようになるようです。(手元で試しているわけではありませんが)
サポートされているSVNのバージョンは明確な記載がなかったですが、このQ&AやそこからたどれるKBを参照すると記載があるようです。また、Control Roomを複数建てる場合は、それぞれに専用のSVNリポジトリを用意する必要があります。
SVNのインストールと連携方法
別途、SVNのインストールをステップバイステップで行ってAutomation Anywhereと連携させている記事があるのでご覧ください
まとめ
Automation Anywhere Enterpriseでは、複数人でのボット開発でも、他の仕組みを持ち込まずにきちんとバージョン管理を行いながら開発していくことが可能です。