孤独という伝染病
プログラマーとは孤独なものです.ひたすらにコードと向き合い,読み,書き,苦悩する.
毎朝早くに通勤(または通学)し,夜遅くまで大量のコードを編集.疲労困憊で帰路につき信号の赤にふと足を止めた瞬間,
「あの条件処理してない」
頭をよぎるエラーコード...
現代社会がかかえる『孤独という病』をプログラマーは生来,背負って生きています.責任の所在がはっきりするプログラミングという世界において,我々を支えているのは常に自分とエラーに対する不安だけです.仕事で疲れた体を労ってくれるパートナー,今日一日の出来事を楽しそうに喋ってくれる可愛い娘がいたとしても,頭を支配するのは数百行のエラーコード.
まして,そんな恵まれた環境すら築けていない私のような人間に残された孤独への(ささやかな)抵抗は,RaspberryPiを人格化することでした.
RaspberryPiとかいう生意気な後輩
RaspberryPi(通称ラズパイ)をご存知ですか?科学教育や産業,研究に利用されたりと多岐にわたる分野で活躍しているシングルボードコンピュータです.
あなたがプログラミングや電子工作に興味をお持ちなら,自分用のラズパイが1つぐらい家にあるでしょう.ここで,少し思い出してほしいのですが,最初のラズパイを購入し初めて触れた時,どのような感情を抱きましたか?きっと「こんなに小さいのに賢くて偉い」という愛情や,「これで色んなことができるぞ」といった将来に対する希望を見出したのではないでしょうか.
では,果たして現在もあの時と同じ感情といえますか?きっとラズパイができること,できないこと,様々な制約を知り,失望や怒りが湧いた方が少なくないと思います.あの頃RaspberryPiに対して向けていた**『娘に対する愛情』は,今や『生意気な後輩に対する苛立ち』**へと変化しました.
RaspberryPiの寿命
ラズパイは短く見積もるとおおよそ2年ほどで寿命を迎えるようです(大抵はSDカードの方が先に逝きますが).私が今回使用するラズパイは,半年ほど前に購入したもので,生後6カ月と言ってもいいでしょう.
これ,人間の年齢に換算すると20歳前後なんですよね.高校卒業したての生意気な後輩って年.購入後3カ月とかなるともう社会も知らないクソガキってレベル.人生の先輩として年上への敬意を教えてやる必要がありますね...
挨拶のできる後輩へ
後輩としてまず身に着けるべきは気持ちのいい挨拶でしょう.
message = ("おはようございます!!")
print(message)
ラズパイを教育するには,直接指導する($ python3 hello.py)方法と,脳に叩き込む(crontab -e)方法があります.毎度指導するのも面倒なので,今回は後輩君の脳内に直接書き込みましょう.
$ crontab -e
0 7 * * * python3 /home/pi/Documents/hello.py
# 書き方は[分 時 日 月 年 コマンド]
おはようございます!!
これで後輩君は毎朝7時に挨拶できるようになりました.
意味のある朝礼を
毎朝おはようと言われても鬱陶しいだけなので,朝礼の内容を決めましょう.今回は,
- その日の天気・温度
- 直近の予定
- 新型コロナウイルス感染者数の変化
を報告してもらいます.
また,朝礼はリモートで行ってもらいましょう.
これらの実装にはwebスクレイピング,csv操作,matplotlibでのグラフ作成,LineNotifyでの通知を利用しています.それぞれ,かなり簡素ではありますが解説をしているので,興味ある方はご覧になってください.
やればできる子,後輩君
ここまでできれば上出来でしょう!
これで鬱屈な朝を後輩君の気持ちいい朝礼とともに迎えられます!