はじめに
Model Context Protocol(MCP)について、理解を深めたいと思い、初心者向けの英語の記事をいくつか読んで見ました。下記の2つの理由から、あえて英語の記事に挑戦してみました。
- MCP が 米国の AI スタートアップ企業 Anthropic(アンソロピック)によって提唱されているプロトコルであること。
- グローバルな人工知能および機械学習の研究コミュニティでは、主要言語として、英語が圧倒的に使用されていること。
ざっと目を通した英語のブログ記事の中で、Medium という、テキスト、画像、動画などを含む記事の投稿と閲覧の機能をユーザーに提供する電子出版のプラットフォームで見つけた What is MCP? A Beginner’s Guide to Smarter AI という記事が、個人的にはわかりやすかったので、以下、日本語に翻訳したものを紹介したいと思います。
日本語訳
原題: What is MCP? A Beginner’s Guide to Smarter AI(https://medium.com/h7w/what-is-mcp-a-beginners-guide-to-smarter-ai-bdd996f8b02e) を日本語に翻訳したもの。
MCPとは?よりスマートなAIのための初心者向けガイド
バーチャルアシスタントに、ただのチャット以上の機能、例えばフライトの予約、メールのチェック、今の天気予報など、何でもしてもらいたいと思ったことはありませんか?そこで登場するのが、モデルコンテキストプロトコル(MCP)です。これは、人工知能(AI)をよりスマートにするだけでなく、私たちを取り巻く世界とのつながりを強める画期的な技術です。
このブログでは、MCPとは何かを分かりやすく解説し、初心者にとって魅力的な理由と、その仕組みを実際の例でご紹介します。テクノロジー初心者の方でも、ただ興味がある方でも、MCPがどのようにAIを究極の相棒に変えていくのか、ぜひ一緒に探っていきましょう!
MCPとは? シンプル版
MCP を AI 用の超スマート USB ケーブルだと想像してみてください。USB ケーブルでスマートフォンを充電器、ヘッドフォン、コンピューターに接続できるのをご存知ですか?MCP は AI にも同じように機能します。チャットボットやバーチャルアシスタントが他のツール、アプリ、データソースに接続するための標準的な手段です。MCP がなければ、AI は何年も前に勉強したことしか知らない、頭のいい友人のようなものです。MCP があれば、その友人はスマートフォンを手に持ち、何でも調べたり、リアルタイムで誰かに電話をかけて助けを求めたりできるようになります。
簡単に言うと:
MCP がない場合: AI は「学校」(訓練)で学んだ古い情報に固執してしまいます。今日のニュースについて尋ねても、肩をすくめるだけです。
MCP を使用すると、 インターネット、カレンダー、さらには電子メールにアクセスして、最新情報を取得したり、タスクを実行したりできます。
この図は、オリジナルの英語記事にはありません。日本語版向けに作成したものです。
AI に接続、取得、行動する力を与え、単なる会話する百科事典ではなく、役に立つチームメイトのような存在にすることが目的です。
MCP の仕組みを詳しく解説
MCP は華やかに聞こえるかもしれませんが、実際には3つのパートによるチームワークで成り立っています。それでは、各パートのプレイヤーをご紹介します。
1. ホスト
概要: これは、スマートフォンやスマート スピーカー上のチャットボット アプリのような AI です。
仕事: 何が必要かを決めるのは脳です(例:「天気予報がほしい」)。
例: Siri または Alexa が助けを求めているところを想像してください。
2. クライアント
概要: ホストの用事をこなすメッセンジャー。
仕事: AI のリクエストを受け取り、適切な場所に配信します (天気アプリにデータを要求するなど)。
例: 配達員が情報を受け取って持ち帰る。
3. サーバー
概要: 天気予報ウェブサイトやメールの受信トレイなど、AI に必要なツールまたはデータ ソース。
仕事: 予測の送信や電子メールの下書きなどの作業を実行し、結果をクライアントに返します。
例: お気に入りの天気アプリや Gmail。
この図は、オリジナルの英語記事にはありません。日本語版向けに作成したものです。
彼らの連携の仕組みはこうです。AI ホストに質問をします。ホストはクライアントに必要な情報を伝えます。クライアントはサーバーに素早くアクセスし、情報やアクションを取得して返します。そしてホストはそれをあなたと共有します。簡単でしょう?まるでテイクアウトを注文するようなものです。誰かが重労働を担ってくれて、あなたは食事を楽しむのです!
MCP でパーティーを計画する
MCP の仕組みを、楽しい例で見てみましょう。パーティーの企画です。来週の土曜日に集まりを主催することになり、AI に細かい部分を任せたいとします。手順は以下のとおりです。
MCP なし
- 「今度の土曜日のパーティーの計画を手伝ってくれませんか」と頼みます。
- AIは「パーティーは楽しいね!時間を決めて人を招待しよう」と言います。新しい情報をチェックできないので、あなたのスケジュールや天気については何も分かりません。
MCP を使用
- あなたは尋ねます:「次の土曜日のパーティーを計画してください。」
MCP が起動します:
ホスト: AI は、あなたの空き時間、天気、友人を招待する方法が必要であると判断します。
クライアント: 適切な場所にリクエストを送信します。
サーバー:
- カレンダー サーバー: Google カレンダーをチェックして、午後 6 時に空いていることを確認します。
- 天気予報サーバー: 天気予報を取得します。晴れ、気温 70°F、裏庭でのパーティーに最適です。
- メール サーバー: 時間と場所を添えて友人に招待状を送信します。
- 回答: AIが「パーティーは土曜日の午後6時に決まりました!晴れ、気温は華氏21度。裏庭で楽しむのにぴったりです。お友達に招待状を送りました。次はどんな料理のアイデアが必要ですか?」と言います。
パーティーの計画が面倒な作業ではなくなり、あっという間に完了です!MCP を使えば、AI が推測するだけでなく、実際に行動を起こし、リアルタイムの情報を取得してアクションを起こすことができます。
初心者にとってこれが素晴らしい理由
テクノロジーに馴染みのない方には、MCP は魔法のように思えるかもしれませんが、実際には生活を楽にするツールです。きっと気に入っていただける理由をご紹介します。
- 時間を節約: アプリ間を移動する必要がなくなります。AI がすべてを処理します。
- 常に新鮮さを保つ: 昨年ではなく、現在に基づいて回答を得られます。
- 楽しく使える: いつでも助けてくれるパーソナルアシスタントがいるようなものです。
パーティーを計画したり、予算を追跡したり、単にニュースを知りたい場合でも、MCP を使用すると AI がロボットではなく、あなたをサポートしてくれる友人のように感じられるようになります。
MCPを自分で試してみましょう! Google Colab で実行
- Google Colab を開きます。colab.google にアクセスします。
- 新しいノートブックを作成します。
- ライブラリをインストールします。インストール セルを実行します (!pip install は google-generativeai を要求します)。
- コードを貼り付けて実行する: 上記のコードを新しいセルにコピーして実行します。
- API キーを入力: プロンプトが表示されたら、NewsAPIキー と Google Generative AI キー を入力します。
- トピックを選択: サポートされているカテゴリの 1 つを入力します (例: テクノロジー)。
- 概要を表示します。出力は、Gemini モデルによって生成された、最新のニュースを要約した簡潔な段落になります。