はじめに
以前Qiitaに投稿した認証不要で即使える日本語処理API「DevTools Japan API」を作ったとAIでは代替できないAPIを作った話、合わせて4,500回以上読んでいただけました。本当にありがとうございます!
あの記事がきっかけで、普段お付き合いのある士業(税理士・社労士・行政書士)の方やフリーランスエンジニアの方から「こういう計算ツールもあったら使うのに」という声をいくつかいただいたんです。
最初は「確かにあったら便利だな〜」くらいに思ってたんだけど、よくよく聞いてみるとみんな同じようなことをExcelでやっている。しかもそのExcelが属人化してて、人によって計算式が違ったりする…。
「じゃあWebツールにしてしまえば、誰でも同じ結果が出るし、ブラウザだけで使えるから便利では?」ってことで、一気に作っちゃいました。
DevTools Japan
https://www.devtools-japan.com
もともと開発者向けのツールサイトだったんだけど、今回の追加で61ツールになりました。開発者・デザイナーだけじゃなく、経理・総務・人事・士業・フリーランスの方にも使ってもらえるサイトに進化しました。
今回追加したツール一覧
事務・経理・士業向け(7本)
| ツール | 用途 | URL |
|---|---|---|
| 営業日計算 | 土日祝を除いたN営業日後の日付を計算 | リンク |
| 請求書金額計算 | 税込・税抜・消費税・源泉徴収・振込額を一括計算 | リンク |
| 年齢・勤続年数計算 | 生年月日から年齢、入社日から勤続年数と有給日数 | リンク |
| 残業代・割増賃金計算 | 時間外25%・深夜25%・休日35%の残業代を計算 | リンク |
| 遅延損害金計算 | 法定利率3%・賃金14.6%・約定利率で計算 | リンク |
| 相続税シミュレーター | 遺産総額と相続人数から基礎控除・概算税額を計算 | リンク |
| 印紙税額検索 | 契約書・領収書に必要な収入印紙の金額を即検索 | リンク |
フリーランス向け(4本)
| ツール | 用途 | URL |
|---|---|---|
| フリーランス年収シミュレーター | 月単価×稼働率から年収・税金・手取りを一括計算 | リンク |
| 減価償却計算 | PC・車・設備の減価償却費を定額法/定率法で計算 | リンク |
| 国民健康保険料計算 | 所得から国保料を概算シミュレーション | リンク |
| 個人事業税計算 | 事業所得290万超の事業税を業種別で計算 | リンク |
どういう声があったのか
税理士さんから:「相続の初回面談で概算をすぐ出したい」
お客様との初回面談で「相続税がそもそもかかるのか」「かかるならだいたいいくらか」をその場で出したいけど、毎回電卓を叩いてる…という話を聞いて。
Excelがあるのに、電卓!?と思いましたが、そういう人も少なくないそうです。
基礎控除(3,000万 + 600万 × 相続人数)の計算自体は簡単なんだけど、そこから先の累進税率の適用が面倒なんですよね。速算表を見ながら手計算するのは時間がかかるし、お客様の前でモタモタしたくない。
→ 相続税シミュレーター を作りました。遺産総額と相続人数を入れるだけで、基礎控除額と概算税額が一瞬で出る。
社労士さんから:「残業代の計算ロジックを説明するのが大変」
「月給制の場合、まず時間単価を出して、それに1.25倍して…」っていう説明を毎回お客様にするのが大変、と。画面を見せながら説明できるツールがあれば便利だなって。
→ 残業代・割増賃金計算 を作りました。月給から時間単価を自動計算して、時間外(25%)、深夜(25%)、休日(35%)の割増をそれぞれ表示。割増率の一覧表も付けたので、お客様への説明資料としても使えます。
行政書士さんから:「印紙税いくらだっけ?って毎回調べてる」
契約書を作るたびに「この金額だと印紙はいくら必要だっけ…」ってなるらしい。わたしも正直覚えられない。
→ 印紙税額検索 を作りました。契約書の種類(売買/請負/領収書)と金額を選ぶだけ。ちなみに電子契約なら印紙税ゼロなので、そのことも書いておきました。
フリーランスの先輩から:「独立前に手取りを知りたかった」
「会社員時代の年収と同じ月単価で独立したら、手取りがめっちゃ減って焦った」という話。フリーランスは所得税・住民税・国保・年金・事業税を全部自分で払うので、会社員の1.3〜1.5倍の売上がないと同じ手取りにならないんですよね。
→ フリーランス年収シミュレーター を作りました。月単価を入れると、税金・社会保険料を全部差し引いた手取りが出る。独立前に「現実」を知っておくの、大事です。
経理の方から:「営業日計算を毎回カレンダー見てやってる」
「3営業日後って何日?」をカレンダーを指差しながら数えてる…って聞いて、さすがにツール作ろうと思いました。祝日を考慮するのが意外と面倒で、特にGWとか年末年始は間違えやすいんですよね。
→ 営業日計算 を作りました。日本の祝日(振替休日・国民の休日含む)を2020〜2030年分内蔵しているので、正確に計算できます。
技術的な話
今回の11ツールは全部ブラウザ完結(JavaScript)で作ってます。サーバーサイドの処理は一切なし。
これにはちゃんと理由があって:
- プライバシー: 給与額や遺産額みたいな超センシティブなデータをサーバーに送りたくない
- 速度: 入力した瞬間にリアルタイムで計算結果が出る
- コスト: サーバー側の処理がないのでインフラコストゼロ
- 得意言語!
祝日データは2020〜2030年分をJavaScriptの配列にハードコードしてあります。春分の日・秋分の日の天文計算、振替休日、国民の休日も正確に反映済み。
// 祝日データ(一部抜粋)
const HOLIDAYS = [
"2026-01-01","2026-01-12","2026-02-11",
"2026-02-23","2026-03-20","2026-04-29",
"2026-05-03","2026-05-04","2026-05-05",
"2026-05-06", // ← 振替休日
// ...
];
function isBusinessDay(d) {
const day = d.getDay();
if (day === 0 || day === 6) return false; // 土日
return !holidaySet.has(d.toISOString().slice(0,10)); // 祝日
}
Excelでやるのとの違い
「それExcelでよくない?」って思いますよね。わたしも思いました。(Excelを使わずに電卓を叩く人がいるのを知るまでは!当たり前に使っていると固定概念でこの辺抜けちゃいますよね)
それにExcelでもヒューマンエラーはあるので、間違えないようにシステム化しておくのが良いかなと!
Webツールにするメリットがいくつかあって:
- 属人化しない: Excelだと「Aさんのファイル」「Bさんのファイル」で計算式が違う問題が起きる
- 常に最新: 祝日データや税率が変わっても、サイト側で更新すれば全員が最新版を使える
- 共有が簡単: URLを送るだけ。ファイルのバージョン管理が不要
- スマホでも使える: 出先で「今すぐ概算を出したい」ときにスマホで開ける
特に士業の方は、お客様との面談中にスマホでサッと計算して見せる…みたいな使い方をしてくれてるみたいです。
フリーランスの「お金まわり」を全部カバー
今回の追加で、フリーランスのお金に関する計算がDevTools Japanだけで完結するようになりました。
独立前: フリーランス年収シミュレーター → 手取りを事前確認
国民健康保険料計算 → 国保の負担額を確認
請求書: 請求書金額計算 → 税込・源泉徴収・振込額を計算
源泉徴収税計算 → 報酬の源泉徴収額を確認
確定申告: 確定申告シミュレーター → 所得税・住民税を概算
減価償却計算 → PCの減価償却費を計算
個人事業税計算 → 290万超の事業税を確認
全部ブラウザだけで動いて、入力データがサーバーに送信されることは一切ないので、金額系のデータも安心して入力できます。
今後の予定
実はもう何人かから追加のリクエストをもらってて:
- 「社会保険料(協会けんぽ)の計算ツールがほしい」
- 「見積書のPDF出力がほしい」
- 「給与計算の概算ができるツールがほしい」
全部は一度に作れないけど、需要の高いものから順番に追加していく予定です。
まとめ
- お取引先の士業・フリーランスの方の声をもとに実務ツール11本を追加
- 営業日計算、残業代計算、遅延損害金、相続税、印紙税など士業の実務で使えるもの
- フリーランス年収シミュレーター、国保計算、減価償却、事業税などお金まわりを全カバー
- 全ツールブラウザ完結で、入力データのサーバー送信なし
- DevTools Japan全体で61ツールになりました
「この計算、毎回Excelでやってるんだよね…」というものがあれば、コメントで教えてもらえると嬉しいです〜! 次のツールの参考にさせてください。
リンク
- DevTools Japan: https://www.devtools-japan.com
- 前回の記事1: 認証不要で即使える日本語処理API
- 前回の記事2: ChatGPTに聞いても正確に答えられない日本のデータ3選