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損益分岐点問題の視覚的解法

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令和3年度春期試験の申し込みが始まっていますね!
私は令和元年度秋期の基本情報を受験しましたが、実際に取り組んでみると範囲の広さに驚きました。
せっかく学習したので、その中で得たことを記録として投稿します。

損益分岐点とは

私もそうですが、理系出身者にはあまり馴染みのない概念で、ストラテジ系はついつい後ろに回しがちな分野かと思います。
Wikipediaによる説明は以下の通りです。

損益分岐点
売上高と費用の額がちょうど等しくなる売上高または販売数量を指す。~(以下略)

設問の規模としては午前問題の最後の方に1問あるだけなので大したウェイトではないですが、得点源にできればそれだけ得になります。
自分が学習に使用した教材では文章の説明しかなくイメージしにくかったので、グラフ化して考えてみました。
グラフで視覚化してみると意外とスッキリしていることに気が付きます。内容的には中学数学で習うレベルかと思います。

図解による説明

グラフで書いてみると以下の通りです。
損益分岐点.png

総費用(=固定費+変動費)は以下の1次関数で表現されます。

y = ax + b\\
 \quad(a:変動費率=\frac{変動費}{売上高}、b:固定費)\\

ここで、売上高の直線を便宜上$,y=x,$とします。
損益分岐点は総費用と売上高の交点なので、損益分岐点を求めなさい、という問題なら$,x=ax+b,$を解けばいいことになります。
これより、損益分岐点$,x_0,$は以下の通りになります。

x_0=\frac{b}{1-a}

便宜上としたのは、上記を説明するためでした。
損益分岐点の公式は文章で書かれても何??って感じですが、グラフで捉えるとイメージしやすいかと思います。

出題例

受験した令和元年度秋期の過去問を引用しました。

出典:令和元年度 秋期 基本情報技術者試験 午前
問78 売上高が100百万円のとき、変動費が60百万円、固定費が30百万円掛かる。変動比率、固定費は変わらないものとして、目標利益18百万円を達成するのに必要な売上高は何百万円か。
ア 108  イ 120  ウ 156  エ 180

設定をグラフ化すると、以下の通りです。
損益分岐グラフ.png

まず、切片$,b,$は固定費なので$,b=30,$です。
問題文から、変動費率$,a=\frac{60}{100}=0.6,$となります。
よって総費用の式は以下の通りとなります。

y=0.6x+30

目標利益における総費用を$Y_1$、売上高を$Y_2$とすると、以下の関係が成り立ちます。

\begin{align}
Y_2-Y_1&=18\\
X-(0.6X+30)&=18\\
\therefore X=120
\end{align}

よって、売上高は(イ)120百万円となります。

終わりに

某スクールTの模試で損益分岐点について出題されていて、受験時は何かわかりそうでよくわからずという状態でした。
解説も文章で書かれているだけでイメージがつきにくかったので、グラフにしたらどうかな?と思い上記を考えてみると、そういうことか!となりました。
本番でたまたまほぼそのまま出題されたのもラッキーでした。前回(令和元年度秋期)出たので今回(令和3年度春期)は出題されないかもしれませんが、概念自体は今後仕事をする上で大切なものだと思いますので、文字通り覚えていて損はないかと思います。

参考サイト

  • IPA(情報処理推進機構)

    過去問を引用しました。IPAでは過去問の使用に際し、許諾や使用料は不要だが出典を明記すること、となっています。
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