◆はじめに(本記事の位置づけ)
2025/12/3にリリースされた HULFT-HUB 各製品の最新バージョンVer.3.10.0の概要について記載した記事です
※本記事の内容は、2025年12月時点の情報であり、常に最新の内容を保証するものではありません。
セゾンテクノロジーが発信する「HULFT/DataSpider Reports」の配信登録を受けている方はご存知かもしれませんが、HULFT-HUBの最新バージョンVer.3.10.0が12/3にリリースされました。本記事はリリース概要のまとめ、となります。
一つ前のバージョンは、ENTグレードVer.3.9.3/LグレードVer.3.9.2であり今回は「レベルアップ」という位置づけです。
バージョン、レベル、リビジョンの表記と考え方
HULFT-HUBでは、製品のバージョン情報を、次の形式で表しています。
例) 3. 0. 0
*1 *2 *3
前の数字から順番に
- バージョン
- レベル
- リビジョン
*1の数字がアップする場合を「バージョンアップ」、
*2の数字がアップする場合を「レベルアップ」、 ←今回
*3の数字がアップする場合を「リビジョンアップ」と呼びます。
※リビジョンの後に、“A”、“B”などの文字が続く場合があります。
これを「マイナーリビジョン」と呼びます(マイナーリビジョンアップ)。
◆HULFT-HUB Ver.3.10.0 リリース内容
主なリリース内容
→ファイル連携ミドルウェアの最新バージョン「HULFT10」への対応
【概要】
[1] 管理対象HULFTの追加
→HULFT-HUBの管理対象となるHULFTについて拡張。オンプレミス版のHULFT10シリーズが追加されました。
注意点として、コンテナ版のHULFT10 for Container Services / Platform には非対応です。
[2] Zstandard 圧縮に対応
→管理対象のHULFT10がZstandard 圧縮(HULFT10が対応した新圧縮方式)を利用する場合、経路上のHULFT-HUBもZstandardに対応しました。
ZStandardは、ZIP(deflate)と比較して圧縮処理を高速に行うことができ、転送性能の向上を期待できます。
※従来バージョンの「HULFT8」では圧縮方式 Deflateに対応していますが、新バージョン「HULFT10」では、Deflateに加えてZstandardに対応しています。
参考:新圧縮方式Zstandard については、リンクの記事にトピックがありますのでよろしければご参考に。
[3] FIPS140-2 に対応
→アメリカ・カナダの連邦規格であり、暗号化製品および使用に関する第三者検証のために広範に使用される基準がFIPS140-2となります。
注意点として、
対応する製品は、HULFT-HUB Server UNIX/Linux - ENTグレードとなります。また、FIPS140-2に対応するHULFT製品は以下の3つです。
・HULFT10 Cipher Option(AES) for Linux
・HULFT10 Cipher Option(AES) for AIX
・HULFT10 Cipher Option(AES) for Windows
※HULFT8では、HULFT暗号に加えて「C4S暗号オプション」と「AES暗号オプション」がありましたが、HULFT10から暗号オプション(C4S)が廃止となりました。
[4] PCI DSS v4 に対応
→PCI DSSはクレジット業界のセキュリティ基準として知られており、転送データを復元可能な状態で削除する機能(HULFT10 for Windows/Linux/AIXから実装)に対応しました。
HULFT10側の設定として、
[システム動作環境設定] >> [セキュリティ] >> [転送関連ファイルの削除モード] >> [復元不可能モード]を選択すると、OSの一般的な削除方法に加え、対象ファイルを復元不可能な状態にして削除する(データを全てバイナリコード0で上書きする)ことができます。
その他のリリース内容
→対応OSの追加
◆HULFT-HUB Server
Windows版では、
・Windows Server 2025 Standard [x64]
・Windows Server 2025 Datacenter [x64]
の対応OS追加
Linux版では、
・Red Hat Enterprise Linux Server 10 [x64]
・Oracle Linux 9 [x64]
・Amazon Linux 2023 [x64]
の対応OS追加
※UNIX版についてはSolarisへのOS対応が非対象になっています。
サポート対象外となったOSもありますので、
詳細の動作環境については、下記ページの動作環境検索をご参照ください。
HULFT-HUB Server Ver.3 動作環境検索
◆おわりに
今回はHULFT-HUB 3.10.0 のリリース内容について記載しました。
HULFT10への対応 および 対応OSの変更がありましたが、今後の製品の進化についても注目していきたいと思います。
また、実際にリリースされたモジュールを実環境にインストールし、内容の確認等を行い、次回以降記事にできればと思います。
本記事をご覧いただき、ありがとうございました。



