はじめに
私はこれまで20年以上、企業でプログラマーとして働いてきました。
もともとは学生時代に「ゲームを作りたい」という思いからプログラミングを学び始めましたが、ゲーム会社への就職は叶わず、そのまま業務系の開発に携わるキャリアを歩んできました。
それでも「いつか自分のゲームを作りたい」という気持ちはずっと残っており、退職をきっかけに、その思いに改めて向き合うことにしました。
体調不良で仕事を退職したこともあり、万全の状態ではありませんでしたが、
Unityというゲームエンジン、AIツール、そして時間と資金といった開発環境は整っていました。
こうして、本格的な恋愛ゲームの制作をスタートしました。
そして、時間とお金をかけて、1本のゲームを完成させました。
その結果——
売上は2本でした。
開発の動機と方向性
単にゲームを作りたいという夢だけでなく、「アダルトゲームを作りたい」という思いもありました。
この2つを同時に実現するため、まずは市場調査として様々なアダルトゲームを購入し、研究を行いました。
その中で強く影響を受けたのが、「カスタムオーダーメイド3D2」のダンス機能です。
カスタマイズしたかわいいキャラクターが自由に踊る体験に魅力を感じ、「アダルト × ダンス」を融合したゲームを作りたいと考えるようになりました。
また、「夏のサカり」の H モーション表現にも強い印象を受け、演出面での方向性にも影響を受けています。
他にも参考にした作品はいくつかありますが、特にこの2作品が大きな軸となりました。
さらに、開発を進める中で「アイドルマスター スターリットシーズン」のダンス表現にも触れ、クオリティの目標として意識するようになりました。
加えて、2Dではなく3Dモデルにこだわる方針を固めていきました。
その中で出会ったのが「Rise of Eros」という課金型ゲームです。
人生で初めて課金をした作品でしたが、モデルの質の高さに大きな衝撃を受けました。
当初は VRM モデルの使用を想定していましたが、調査を進める中で VRChat 向けモデルの存在を知りました。
そのクオリティと可愛さを見たとき、「これは売れるのではないか」という手応えを感じました。
当初の売上目標は、数百万円、あわよくば数千万円規模を想定していました。
DLsiteやFANZAでは販売本数や価格からある程度売上が推測でき、トップレベルの作品では数千万円〜数億円規模の売上があることも確認しています。
そのため、自分の作品でもまずは数百万円規模の売上を目指して開発を進めていました。
実際の開発で行ったこと
本作で実装した主な機能は以下の通りです。
- 3Dモデルの表示・着せ替え機能
- ダンス機能
- シナリオ再生機能
- 音楽鑑賞機能
- 環境設定機能
開発は、Unity を用いて 3D モデルを動かすところからスタートしました。
まずはモデルの表示や着せ替えを実装し、キャラクターが実際に動く状態を作りました。
個人的に好みのキャラクターである「ライムちゃん」を着せ替え、ダンスを1本踊らせることができたときは、完成イメージが見えた瞬間でもあり、非常に印象に残っています。
楽曲については、Suno AI を利用して約 20 曲を制作しました。
その中から選定した楽曲に対して、振付師およびモーションデータ出力の依頼を行い、最終的に 8 本のダンスを実装しました。
なお、このダンス関連の制作費が最も大きなコストとなっています。
また、シナリオ制作やシナリオ内画像の生成、一部のコーディングにはChatGPTなどのAIツールも活用しています。
概算ではありますが、主な開発コストは以下の通りです。
- ダンス振付・モーションデータ制作:約80万円
- 3Dアバターおよび衣装:約40〜50万円
- 歌唱・MIX:約20〜30万円
- 作曲・歌唱版MIX: 約5万円
- 声優費:約10〜20万円
- PV制作:約20万円
- 開発支援: 約25万円
- AI関連(Suno、ChatGPT、Dzineなど):約10万円
Unityを使用したゲーム開発は今回が初めてであり、非常に苦労しましたが、AI のサポートもあり、約1年半で完成させることができました。
開発時間としては、1日あたり3〜6時間程度の作業をほぼ毎日継続していました。
中でも最も苦労したのが、衣装の着せ替え機能です。
当初は約 100 着の衣装を用意していましたが、
- 半透明の描画問題
- モデルの破綻(貫通・崩れ)
- カラーバリエーション対応
- 複数アバターへの対応
- 胸の物理挙動(柔らかさ)への対応
など、想定以上に多くの課題に直面しました。
時間の関係で、半分の50着を DLC としてリリースしています。
反省点
大変ではありましたが、こうして無事に完成・リリースまでたどり着くことができました。
リリース時には20%の割引を設定し、そのまま1か月間販売を行いました。
その結果、売上は2本でした。
自分なりに分析した結果、主な要因は以下の通りだと考えています。
- 価格設定が高すぎた
- 作品の魅力(何が面白いのか)が伝わりにくい
- R15のため、いわゆる“強いエロ要素”が不足していた
特に現在はDLsiteのみで販売しているため、ユーザー層とのミスマッチは大きかったと感じています。
本作は「アダルト × ダンス」というコンセプトで制作しましたが、実際にはエロ要素が控えめであったため、期待とのギャップが生まれてしまいました。
また、VRChatモデルや着せ替えといった要素については一定の需要があると考えていましたが、単体では購入動機としては弱く、想定していたほど刺さらなかった点も大きな誤算でした。
※補足:R18からR15へ変更した理由
当初はR18作品として開発を進めていましたが、以下の理由から途中でR15へと方針を変更しました。
- 声優の方にR18不可などの制約があったこと
- Hモーションを制作できる外注先が見つからなかったこと
- 開発工数が大きく膨らみ、現実的に実装が難しいと判断したこと
結果として、当初想定していた「アダルト要素の強い作品」から方向性が変わり、現在の内容になっています。
R15相当の要素としては、着せ替えによる下着状態の表現や、一部の軽度な視覚的演出(パンチラなど)に留まっています。
宣伝
現在、本体価格を70%オフとしたセールを実施しています。
VRChat想定モデルや着せ替え機能に興味のある方は、比較的安価に多くの衣装を試せる内容になっています。
また、激しい内容ではなく、軽めの癒し系作品として楽しみたい方にも合うかもしれません。
ご興味のある方は、よろしければご覧ください。
Osatou Temptation R15 ~お砂糖ちゃんは離れない~(DLsite)
おわりに
次回作として、本作内のシナリオの1つである「告白シリーズ」をベースに、続編の制作を進めています。
今回は工数削減のため、ゲーム形式ではなく「静止画+セリフ+音楽+一部動画」による映像作品として制作しています。
現在は、AIと絵師の方によるキャラクターデザインを進めつつ、楽曲・シナリオ・声優収録の制作を開始した段階です。
全6部構成を予定しており、その中でも重要な第5部から先行して制作しています。
早ければ年内、遅くとも来年中には第5部を公開・販売できればと考えています。
今後の制作についても、機会があれば発信していきたいと思います。