はじめに

今回はデータ構造の型であるタプル型とリスト型を解説します。

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タプル型

タプル型は、複数のオブジェクトの配列を表すデータ型で、以下の特徴を持ちます。

不変
シーケンス
イテラブル

配列データなので、データを順番に並べたものです。
リテラルとして、() や「カンマ」で生成出来ます。
また、コンストラクタを使用しても作成出来ます。

>>> ()  # 空のタプル
()
>>> type(_)
<class 'tuple'>
>>> (1, 2, 3)
(1, 2, 3)
>>> type(_)
<class 'tuple'>
>>> 1, 2, 3  # ()を付けなくても良い
(1, 2, 3)
>>> type(_)
<class 'tuple'>
>>> 1,  # ()を付けなくてもタプル
(1,)
>>> type(_)
<class 'tuple'>
>>> (1,)  # ()を付けても良い
(1,)
>>> type(_)
<class 'tuple'>
>>> (1)  # ()を付けてもカンマがなければタプルではない
1
>>> type(_)
<class 'int'>
>>> len(1,)  # 関数の引数に渡す場合は、()が必要
Traceback (most recent call last):
  File "<stdin>", line 1, in <module>
TypeError: object of type 'int' has no len()
>>> len((1,))
1
>>> tuple("abc")  # 文字列から作成
('a', 'b', 'c')
>>> tuple([1, 2, 3])  # リストから作成
(1, 2, 3)
>>> (1, "abc", 3.0)  # 複数の型のオブジェクトが混在してもOK
(1, 'abc', 3.0)

アンパック代入

一度に複数の変数にオブジェクトを代入出来ます。

>>> a, b = (1, 2)
>>> a
1
>>> b
2
>>> a, b, c = (1, 2)  # 個数が一致しないとエラー
Traceback (most recent call last):
  File "<stdin>", line 1, in <module>
ValueError: not enough values to unpack (expected 3, got 2)
>>> a, b = (1, 2, 3)  # 個数が一致しないとエラー
Traceback (most recent call last):
  File "<stdin>", line 1, in <module>
ValueError: too many values to unpack (expected 2)
>>> a, *b = (1, 2, 3)  # bに残りをまとめて代入
>>> a
1
>>> b
[2, 3]

リスト型

リスト型は、タプル型同様に複数のオブジェクトの配列を表すデータ型で、以下の特徴を持ちます。

可変
シーケンス
イテラブル

リテラルとして、[] で生成出来ます。
また、コンストラクタを使用しても作成出来ます。

>>> []  # 空のリスト
[]
>>> type(_)
<class 'list'>
>>> [1, 2, 3]
[1, 2, 3]
>>> type(_)
<class 'list'>
>>> [1, "abc", 3.0]  # 同じ型でなくても良い
[1, 'abc', 3.0]
>>> type(_)
<class 'list'>
>>> list()  # 空のリスト
[]
>>> list((1, 2, 3))  # タプルはイテラブルなのでコンストラクタで指定可能
[1, 2, 3]
>>> list("abc")  # 文字列もイテラブル
['a', 'b', 'c']
>>> list(range(3))  # rangeもイテラブル
[0, 1, 2]

可変なので、内部データを変更可能です。

>>> a = [1, 2, 3]
>>> a[0] = 4  # 最初の要素を変更
>>> a
[4, 2, 3]
>>> a.append(5)  # 末尾に要素を追加
>>> a
[4, 2, 3, 5]
>>> a[1:3] = [6, 7, 8]  # インデックス1から2までの範囲を置き換え
>>> a
[4, 6, 7, 8, 5]
>>> a.insert(1, 9)  # インデックス1に値9を挿入
>>> a
[4, 9, 6, 7, 8, 5]
>>> a = [1, 2, 3]
>>> a.extend([4, 5])  # リストを追加
>>> a
[1, 2, 3, 4, 5]
>>> a += [6, 7]  # リストを追加
>>> a
[1, 2, 3, 4, 5, 6, 7]
>>> del a[0]  # 要素の削除
>>> a
[2, 3, 4, 5, 6, 7]
>>> del a[1:3]  # 要素の削除
>>> a
[2, 5, 6, 7]
>>> 2 in [1, 2, 3]  # 要素の確認
True
>>> 9 in [1, 2, 3]
False

リスト型のメソッドに関して、sort() のみ解説します。
sort() はリストの内容を変更します。
sorted() はリストの内容を変更せず、ソート済みの新たなリストを返します。

>>> a = [2, 5, 6, 1]
>>> a.sort()  # リストの内容を変更
>>> a
[1, 2, 5, 6]
>>> a = [2, 5, 6, 1]
>>> sorted(a)  # リストの内容を変更せず、新たなリストを返す
[1, 2, 5, 6]
>>> a
[2, 5, 6, 1]

リスト内包表記

リスト内容表記を使用してもリストを作成出来ます。次のような構文です。
[式 for 変数 in イテラブル if 条件]

>>> [num + 1 for num in range(5)]
[1, 2, 3, 4, 5]
>>> [num for num in range(10) if num % 2 == 0]  # 条件式も使用可能
[0, 2, 4, 6, 8]

インデクシングとスライス

タプルとリストのインデクシングとスライスです。

>>> (1, 2, 3)[0]  # インデクシング
1
>>> (1, 2, 3)[1:]  # スライス
(2, 3)
>>> a = [1, 2, 3]
>>> a[0]  # インデクシング
1
>>> a[1:]  # スライス
[2, 3]

タプルとリストの演算

タプル型やリスト型は、足し算、掛け算、比較などの演算が出来ます。

>>> (1, 2) + (3, 4)
(1, 2, 3, 4)
>>> (1, 2) * 2
(1, 2, 1, 2)
>>> (1, 2) < (1, 3)  # 最初の要素が 1 == 1 なので、2番目の 2 < 3を比較
True
>>> (1, 2) < (1, 1, 1)  # 2番目の 2 < 1 を比較
False
>>> [1, 2] + [3, 4]
[1, 2, 3, 4]
>>> [1, 2] * 2
[1, 2, 1, 2]
>>> [1, 2, 3] < [1, 2, 2]
False
>>> [1, 2, 3] == [1, 2, 3]
True
>>> (1, 2, 3) == [1, 2, 3]
False
>>> (1, 2, 3) < [1, 2, 2]  # タプルとリストの大小比較はエラー
Traceback (most recent call last):
  File "<stdin>", line 1, in <module>
TypeError: '<' not supported between instances of 'tuple' and 'list'

おわりに

以上、タプル型とリスト型に関して解説しました。
次回は、辞書型と集合型に関して解説します。