はじめに
暇つぶしにピザを三等分している過程でPythonを使ったので、せっかくなら記事のネタにしてしまおうということで、計算過程と使ったコードを紹介します。
方針
以下の画像の通り、a~1の範囲で半円の積分を行うことで、まずはaに関する式を求め、そこからPythonで近似値を探します。
まず積分
$$S = \int_a^1 \sqrt{1-x^2} dx$$
x = sin tとして置換積分
dx = cos t dt
x | a → 1
t | arcsin a → π/2
$$S = \int_{\arcsin{a}}^{\frac{\pi}{2}} \cos^2{t} dt$$
半角の公式
$$= \int_{\arcsin{a}}^{\frac{\pi}{2}}\frac{1}{2}+\frac{\cos{2t}}{2}dt$$
積分
$$ = \left[\frac{1}{2}t+\frac{\sin{2t}}{4}\right]_{\arcsin{a}}^{\frac{\pi}{2}}$$
倍角の公式
$$= \left[\frac{1}{2}t+\frac{1}{2}\sin{t}\cos{t}\right]_{\arcsin{a}}^{\frac{\pi}{2}}$$
代入(後半部分はsin(arcsin(a)) = a, cos t = √(1-sin^2 t))
$$= \frac{\pi}{4}-\frac{\arcsin{a}}{2}-\frac{a\sqrt{1-a^2}}{2}$$
0~1の積分だったら、よくある円の1/4なので綺麗に終われるんですが、今回はもう一段階やらなきゃいけない感じですね。
値を求める
先ほど求めたSがπ/6になればいいので、以下の式を満たすaを探します。
$$\frac{\pi}{4}-\frac{\arcsin{a}}{2}-\frac{a\sqrt{1-a^2}}{2} = \frac{\pi}{6}$$
整理すると
$$\arcsin{a}+a\sqrt{1-a^2} - \frac{\pi}{6} = 0$$
筆者は文系なので、この式から計算してaを求める術を知らないため、Pythonに頼ります。真ん中が少し細くならないとおかしいということで、0.3辺りを初期値にしてみました。(あまり関係ない)
import numpy as np
from scipy.optimize import fsolve
def equation(a):
return np.arcsin(a) + a * np.sqrt(1 - a**2) - np.pi / 6
# 初期値として 0.3 あたりを試す
solution = fsolve(equation, 0.3)
print(f"a = {solution[0]}")
これを実行すると、aは0.2649320846027768
と求まるので、半径の1/4よりちょっと大きいくらいだと分かります。
まとめ
ピザを三等分にしたい時は、半径の1/4よりちょっと大きいくらいのところを狙おう!!(半径を1として約0.265)
最後に
ここまで読んで下さりありがとうございました。流石にお店でこの切り方を実践したらお行儀が悪いので、試すときはご自宅でやっていただければと思います。2/3食べて残りを冷蔵したいが、冷蔵庫に細長い空きスペースしかない場合など、特殊な場面には使えそうです。