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Jetson Nano で簡単な画像認識・骨格姿勢検知を動かす基本設定色々デモ

Last updated at Posted at 2019-07-10

はじめに

株式会社ProsCons (https://proscons.co.jp/) のエンジニアチームです。

弊社では、エッジAIデバイスとして注目されているJetson Nanoを用いて製造業等向けに提供しております。本体価格1万円強と廉価かつ手のひらサイズという極小スケールのデバイスでディープラーニングをも動作させることが可能です。
今回はこのJetson Nanoを容易に環境設定する方法と基本的な画像認識・骨格姿勢検知を動作させる方法を公開いたします。

参考動画URL

教師なし異常検知:https://www.youtube.com/watch?v=-NMPNE5-sco
骨格姿勢検知:https://www.youtube.com/watch?v=IVLhe_cjYwE

手順

弊社githubより、以下のリポジトリをcloneします。
https://github.com/ProsConsInc/jetson-nano

00〜13番までの手順を順番に踏めば、
一通りJetson Nanoが動作する感動を味わえるはずです!

始めに補足と注意事項を挙げておきます。
補足:shellスクリプトは失敗したらエラーで落ちるように設定しております。
   他に不具合等発生しましたら、想定外の動作となりますので、
   弊社githubへ issue を上げて頂けますと幸いです。
注意事項1:電源はmicro USBでは無く、5V 4Aの電源を使用するようにして下さい。
      そうでないと、電源供給が不十分になり意図しない電源OFFが起きます。
注意事項2:マイクロSDカードは16GBが最小の構成になりますが、最低でも32GBは欲しいです(the larger the better)。

●以下shellスクリプト概要

00_init.sh

 gitリポジトリのsubmoduleをcloneします。
 thirdpartyディレクトリ配下にダウンロードされます。

 cmakeのみversionを指定しております。これは、現時点で動作確認が取れているものに固定したいが為です(他のsubmoduleも本来は固定すべきかもしれません)。

01_run_power_up.sh

 Jetson Nanoは初めは5Wモードで動作しています。

 ですので、10Wで動作するように変更し、ハイパフォーマンスで動作するようにします(Jetson Nanoは 5W/10W をコマンドで簡単に切り替える事が出来る仕様です)。

02_install_swapfile_and_reboot.sh

 Jetson Nanoは搭載メモリが LPDDR4 4GBと貧弱な為、スワップ領域を作ってあげる必要があります。再起動しないと有効にならないようですので、スクリプト内でrebootするようにしてあります。

03_install_deps_for_openpose.sh

 Jetson Nano向けに色々と依存パッケージを入れてくれて便利なので、openposeの組み込みスクリプトを採用しました。
 お茶でも飲みながら、終わるのを待ちます。

04_test_pi_camera.sh

 Raspberry Pi カメラモジュール v2を繋いであれば、画面にカメラの画像が映るはずです。ここでカメラのエラーが起きる場合は、カメラの接触の不具合を疑う、若しくは電源ケーブルを挿し直す(電源OFF→ON)と映るようになるケースがあります。
 Ctrl + c で終了します。

05_install_cmake.sh

 cmakeをソースからインストールします。ビルドする際にPPAからインストールしたcmakeだとバージョンが低いと怒られるアプリケーションが存在する為です。
 お茶受けでも頂きながら、終わるのを待ちます。

06_install_tensorflow.sh

 公式のJetson Nano対応のTensorFlow v1.13.1をインストールします。
 テレビでも見ながら、終わるのを待ちます。

07_install_tf_pose.sh

 tf-pose-estimationをインストールします。これは骨格・姿勢検知を行うものです。
 動画サイトでも見ながら、終わるのを待ちます。

08_prepare_for_webcam_and_reboot.sh

 カメラの映像をストリームとして受け取る為に必要なので、インストールするものです。ここで機能を有効にする為、再起動させています。

09_build_darknet.sh

 darknetをビルドします。主にGPUの力を引き出す為にpatchを当てたりもしています。
 まとめサイトでも見ながら、終わるのを待ちます。

10_run_darknet.sh

 darknetでYOLO v3 Tinyモデルを利用して、Object Detectionを行います。
 15FPS 前後になるはずです。Raspberry Pi カメラモジュール v2のフレームレートは21FPS なので、ほぼ性能を出し切っていると言えると思います。
 Ctrl + c で終了します。

11_build_openpose.sh

 お試しとして、本家のopenposeをビルドします。
 お酒でも飲みながら、終わるのを待ちます。

12_run_openpose.sh

 サンプルの動画に対して、openposeによる骨格・姿勢検知を行います。手持ちのMacbookではレンダリングに 66 分ほど掛かりました。

 Jetson Nanoでは7、8分で処理が完了し、動画が生成されるはずです。
 軽く運動でもしながら、終わるのを待ちます。

13_run_tf_pose.sh

 tf-pose-estimationを用いて、骨格・姿勢検知を行います。10FPS前後のフレームレートとなることが期待されます。Escで終了します。

 ※終了する際は必ず Escキー を押して終了させるようにして下さい。理由はTensorFlowがリソースを掴んだ状態になり、カメラモジュールが検出出来なくなったり、メモリ不足に陥ったり、と不具合が起きます。

おわりに

お疲れ様でした。
以上で、このリポジトリの説明を終了します。

なお、この環境を整備する際に多くの先人の知恵にお世話になりました。この場を借りて御礼申し上げます。

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