はじめに
AWS re:Invent2023で"Deep dive on Amazon FSx for NetApp ONTAP scale-out file systems"というセッションがありました。
実際にscale-out file systemsでAmazon FSx for NetApp ONTAP(以下FSx for NetApp ONTAP)の環境を作って、アップデートでできるようになった構成をさらっと見てみたいと思います。
上記セッションはYouTubeで動画が公開されています。
1. re:Invent2023で発表されたアップデート概要
従来はscale-up file systemsとして、アクティブ/パッシブ構成のサーバによるHAペアを1つのみ作成できました。今回のアップデートでscale-out file systemsとして、HAペアを6ペアまで作成できるようになりました。
ユースケースとしては従来のscale-up file systemsのパフォーマンスで足りないようなワークロード、が挙げられます。
現時点では、scale-out file systemsはUS Eastなど一部のリージョンで利用可能で、東京リージョン、大阪リージョンは未対応です。
(参考) Amazon FSx for NetApp ONTAP スケールアウトファイルシステムを発表
2. 実際に作成してみる
米国東部リージョンで9,216MB/秒(3HAペア、HAペアあたり3,072 MB/秒)
でFSx for NetApp ONTAPをデプロイして、CLIからaggregateを見てみます。aggregateは「物理ディスクの論理セット」(AWS「高可用性(HA)ペア」)で、各HAペアに対して1つのaggregateがあります。HAペアが3つの場合、3つaggregateができます。
2つ以上HAペアを作りたい場合、デプロイタイプはシングルAZにする必要があります。
仮想マシンにボリュームをアタッチして管理エンドポイントにsshします。aggregateを確認(aggr showコマンド)すると3つaggregateが出てきます。
FSxId~-01, 03, 05のノードにaggregateが紐づけられているので、FSxId~-02, 04, 06に再配置できるかな?と思ったのですが、relocationコマンドが見当たらず……そもそもstorage aggregateはshow系のコマンドしか無さそうなので、aggregateの管理はユーザが手を入れるものではなさそうです。
おわりに
6HAペア試してみたかったですが、プロビジョンしたスループットキャパシティに対しても課金があるので今回は3HAペアを一瞬作るだけにしました。検証環境があれば性能試験などもやってみたいです。