CCNA合格に向けて、ワイヤレスLANの学習内容を簡単にまとめました。
無線LANの物理層
周波数帯
無線LANは、主に 2.4GHz帯 と 5GHz帯 を利用する。
2.4GHz帯は到達しやすいが干渉が多く、5GHz帯は利用できるチャネルが多く干渉が少ない。
- 2.4GHz帯:障害物に比較的強いが、電子レンジやBluetoothなどの影響を受けやすい
- 5GHz帯:利用可能なチャネルが多く、混雑しにくい
チャネルとチャネル幅
チャネルは、APが通信に使用する周波数の区切り。隣接チャネルが重なると干渉しやすくなるため、適切に分けて使う必要がある。
- 2.4GHz帯:干渉を避けるため、一般に 1 / 6 / 11 を使う
- 5GHz帯:2.4GHz帯より多くのチャネルを利用できる
- チャネル幅:20MHz、40MHz、80MHz などがあり、広いほど高速化しやすいが干渉の影響を受けやすい
干渉・DFS・セル設計
無線LANでは、同じチャネルの電波が重なると通信効率が下がる。そのため、隣接するAPではチャネルをずらしながら、必要な範囲だけ電波を重ねるように設計する。
- 干渉:近いチャネルや同一チャネルの利用で発生する
- DFS:一部の5GHzチャネルで必要となる、レーダー波を避ける仕組み
- セル:1台のAPがカバーする範囲。適度に重なることで移動時の切替がしやすくなる
無線LANのL2構成と接続
接続モード
アドホックモード
APを使用せず、端末同士を直接無線接続する方式
インフラストラクチャモード
APを介して通信する一般的な接続方式
端末はAPに接続し、AP経由で他の端末やネットワークへ通信する
ネットワーク構成要素
BSS(Basic Service Set)
1台のAPと、そのAPに接続する端末で構成される無線LANの基本単位
BSSは BSSID で識別され、通常はAPの無線インターフェースのMACアドレスが使われる
ESS(Extended Service Set)
複数のAPに同じSSIDを設定し、1つの無線LANとして広い範囲をカバーする構成
SSID
無線LANのネットワーク名
同じSSIDを持つ複数のBSSをまとめて、1つのESSとして構成できる
接続の流れ
無線LANでは、端末はまずAPを見つけ、接続を確立し、その後に必要な認証や鍵交換を行う。
-
APの発見(Managementフレーム)
Beacon や Probe によりAPを見つける -
802.11レベルの接続確立(Managementフレーム)
認証と Association によりAPへ参加する -
セキュリティ処理(Dataフレーム)
必要に応じて鍵交換やユーザー認証を行う -
通信開始(Dataフレーム)
IP通信や上位層の通信を開始する
管理フレーム(Managementフレーム)
802.11では、通信の開始や維持のために管理用のフレームを使う。
- Beacon:APが定期的に送信し、自身の存在やSSIDなどを知らせる
- Probe:端末がAPを探すために使う
- Association:端末がAPへ参加するための処理
ローミング
端末が移動したとき、同じESS内で接続先のAPを切り替えることを ローミング という。
SSIDが同じでも、実際には別のBSSへ接続先を移している。
無線LANのセキュリティ
無線LANのセキュリティは、主に 認証 と 暗号化 で構成される
主な規格
- WPA:TKIPを使用する旧規格
- WPA2:AESベースのCCMPを使用する標準規格
- WPA3:より強固な規格で、PersonalモードではSAEを使用する
認証方式
Personalモード
家庭や小規模環境向けの1つのSSIDに対して共通の認証情報を使う方式
- PSK(Pre-Shared Key):WPA2で使われる、事前共有鍵を使う方式
- SAE(Simultaneous Authentication of Equals):WPA3-Personalで使われる認証方式
Enterpriseモード
企業向けのユーザーごとに認証を行う方式で、RADIUSサーバーと連携する
- EAP(Extensible Authentication Protocol):認証の枠組み
- 802.1X:EAPを用いたポートベース認証
暗号化
暗号アルゴリズム
- RC4:古い方式で脆弱
- AES:現在の主流
暗号化プロトコル
- TKIP:RC4を利用する旧方式
- CCMP:WPA2標準のAESを利用する方式。
- GCMP:WPA3で採用されるAESを利用する方式の1つ。
認証コンポーネント
- Supplicant:認証を受けるクライアント端末
- Authenticator:認証を中継する機器(APやWLC)
- 認証サーバー:実際に認証を行うサーバー(一般的にRADIUSサーバー)
無線LANのアーキテクチャ
管理方式
- 自立型AP:APごとに個別設定を行う方式
- 集中管理型:WLCで複数のAPをまとめて管理する方式
集中管理型の内部構造
WLC(Wireless LAN Controller)
無線LAN全体を集中管理する装置
複数のAPの設定、制御、管理を一括で行う
LAP(Lightweight AP)
WLC配下で動作するAP
設定や制御の多くをWLCに依存する
スプリットMACアーキテクチャ
アクセス制御の役割をAPとWLCで分割する。リアルタイム性が高い処理はAPが、リアルタイム性が低い処理はWLCが行う。
CAPWAP
WLCとLAPの間で、制御情報やデータをやり取りするためのプロトコル
- Controlトンネル:設定変更や管理情報を転送する
- Dataトンネル:ユーザーデータを転送する
AP の動作モード(用途別)
-
Local モード
標準的な集中管理型AP。クライアントを収容し、WLCと連携して動作。 -
FlexConnect モード
拠点側でローカルスイッチング可能。WAN越し環境に適する。コントローラーの接続がなくなったとしても自律的に動く -
Monitor モード
クライアント収容なし。電波監視専用。 -
Sniffer モード
無線フレームのキャプチャ・解析用。 -
Bridge モード
無線ブリッジ(メッシュ)用途。
WLCの主な物理ポート
全体像
WLC の主な物理ポートとして次の4つがある。
- コンソールポート
- ディストリビューションポート
- サービスポート
- 冗長ポート
※補足:LAG (Link Aggregation Group)はEtherChannelのこと
ディストリビューションポート
WLC をスイッチへ接続する主要なポート。
AP との通信、無線クライアントの通信、有線ネットワークとの接続に使われる。必要に応じてLAG により複数リンクを 1 つの論理リンクとして扱う。
WLC とスイッチ間の データパス であり、インバンド管理 ではクライアント通信と管理通信を同じ経路で扱う。
ダイナミックインターフェースは VLAN と対応付けられ、無線クライアントの通信を各 VLAN に収容するために用いられる。ディストリビューションポートはスイッチとトランク接続し、必要に応じて LAG を構成できる。
サービスポート
WLC の 保守・復旧・管理 に使うポート。
主に アウトオブバンド管理 用で、初期設定や障害時のメンテナンスに使われる。
サービスポートは通常のデータパスには使わず、管理専用の経路として扱う。
また、802.1Q タグを扱わないため、接続先のスイッチは access ポート として使う。
コンソールポート
管理用 PC から WLC を 直接操作 するためのポート。
ネットワーク設定がなくても使えるため、初期設定 や 障害時のローカル管理 に用いる。
冗長ポート
2 台の WLC を接続し、冗長構成 を実現するためのポート。
アクティブ機とスタンバイ機の同期に使われ、障害時の引き継ぎを支える。

