NGS フリーソフトにて配布中の「VCF to Table」の使い方をご説明いたします。
このソフトは変異のステータスを記述するのによく用いられるファイル形式である VCF ファイルをエクセルで見やすよう変換いたします。ここでの説明にはソフトの動作テストと同じ環境である Windows10、Java8 の条件で行っております。
#起動
先に公開されている「FASTA status の使い方」と同様です。ご参照ください。
#ファイルの指定
画面は以下のように左の設定領域と、右の結果表示領域にわかれています。
先ずは設定領域にある「VCF File」の「Select」ボタンを押してください。ファイル選択のダイアログが開くので、VCF ファイルを選択して「開く」を押してください。
#実行
ファイルを選択したらファイル名が表示されます。左の設定領域にある「Run」ボタンを押すことで実行が行われます。
計算が完了すると「Successfully completed.」というダイアログメッセージが表示されます。右の結果表示領域にカラム情報が表示されます。表示が切れている箇所はカラムの間にマウスポインタを置き、ドラックすることで広げることができます。
#表示される内容
###file version
VCFファイルのフォーマットのバージョン
例: VCFv4.2
###Column Info : CHROM
リファレンスのIDとそれぞれの長さを表示。CHROM カラムの値に ID が使われる。
例:
ID | Length |
---|---|
chr1 | 248956422 |
###Column Info : ALT
ALT カラムに使われる値とその説明。表では ALT カラムの値に ID が使われる。
例:
ID | Description |
---|---|
* | Represents allele(s) other than observed. |
###Column Info : FILTER
FILTER カラムに使われる値とその説明。表では FILTER カラムの値に ID が使われる。
例:
ID | Description |
---|---|
PASS | All filters passed |
###Column Info : INFO
INFO カラムに格納されている値のタグとその説明。表ではタグごとカラムが作成される。
例:
ID | Number of Value | Valule Type | Description |
---|---|---|---|
DP | 1 | Integer | Raw read depth |
###Samples
サンプル名のリスト。サンプルの変異情報カラムにつけられている名称。
例:NA
###Column Info by Samples : FORMAT
サンプルの変異情報カラムに格納されている値のタグとその説明。表ではタグごとカラムが作成される。
例:
ID | Number of Value | Valule Type | Description |
---|---|---|---|
AD | for each possible allele (including the reference) | Integer | Allelic depths |
#ファイル出力
右の結果表示領域を下にスクロールしていった先にある「Export」ボタンを押すことでファイル出力ができます。
開いたダイアログにファイル名を記入し「保存」ボタンを押すことで出力が実行されます。
ファイルの作成が完了すると「Exporting completed successfully.」というダイアログメッセージが表示されます。
output.xlsx は以下のように表形式で変異情報を見ることができます。
INFO カラムは複数タグ情報が1カラムに収まっていたものを分割して表示します。各カラムが何を表すかは、ツールの右の結果表示領域の「Column Info : INFO」で確認できます。
サンプルカラムもサンプルごとに、複数タグ情報が1カラムに収まっていたものを分割して表示します。各カラムが何を表すかは、ツールの右の結果表示領域の「Column Info by Samples : FORMAT」で確認できます。
エクセルのウインドウ枠の固定や、フィルター機能を使えばさらに快適に表が見れます。是非ご活用ください。