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セキュリティキャンプを乗り切る技術

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想定読者

 セキュリティキャンプに合格したが、体力やコミュニケーション能力に不安を感じている人が想定読者です。「セキュリティキャンプ最高!盛り上がるぜ!」という方は対象ではありません。羨ましいです。「セキュリティキャンプに合格してうれしいが、体力や知らない人とコミュニケーションできるかな…。技術力は足りるかな…」という不安を持っている方が対象です。

著者紹介

 私は、セキュリティキャンプ2025 全国大会の受講生です。コースはBクラス、プロダクトセキュリティクラスでした。無事、乗り切りました。参加した感想として、楽しかったです。

 私は、通信制大学で普段は家にいるため、体力に自信がありません。一日中、外にいると途中で力尽き始めます。ですから、体力面で、セキュリティキャンプを無事乗り切れるか不安でした。事実、私は最終日の夜に力尽きたので、許可をもらって任意参加のトラックに参加せず、部屋に引き上げました。

 また、コミュニケーション能力も高くないです。喋れないというより、喋りすぎて墓穴を掘るタイプの人間です。そのため、聞くのは得意だけど話すの苦手というタイプはこの記事が役に立たないかもしれないです。

 技術力もセキュリティキャンプ受講生と比べて高いわけではないと思います。CTFにあまり参加していませんし、低レイヤーでゴリゴリ何かを作っているわけでもなく、大きなWebサービスを運用しているわけではありません。ですので、セキュリティキャンプの講義についていけるか不安でした。

事前学習と専門講義の難易度

 その人のレベルやコースの相性によると思いますが、普通に難しいです。事前学習をある程度やったつもりでしたが、私もちゃんと理解できたかといわれると、自信がありません。ですから、事前学習は必死にやってください。

 もちろん、皆さん色々と学校やほかの生活があるかと思いますので、可能な限り進める形になると思います。すべての講義の事前学習を、少しでもまんべんなく触れておくことをお勧めします。そのうえで、苦手なもの知らないものに時間リソースを投入するべきです。

 逆に、当日、専門講義が理解できず、心が折れそうになっても、そんなものだと思ってください。当日物凄い速さで吸収して成長したり、元々知っていたりする受講生はいますが、気にしたら負けです。見習うのは素晴らしいことですが、自分が病まないようにしてください。

 分からないことがあったら、恥を捨て去り、講師とチューターに聞くことをお勧めします。また、不明な点が予想外の個所に書いてある場合があるので、別の資料が存在しないか、別の章に記載していないか、探すのも手です。

荷造り

 荷造りは早めにしたほうがいいです。セキュリティキャンプの受講案内や先人のツイート、公式のチャットグループなどを参考にしましょう。必ず、宿泊施設のアメニティを確認し、突き合わせて荷物を考えたほうがいいです。分からないことがあったら、雑談チャンネルで聞いてみるといいかもしれません。

 私が感じた荷造りのTipsを共有しておきます。

  • セキュリティキャンプ運営から送られる事前資料に持ち物チェックリストがあります。必ず確認してください。印刷して、筆記用具でチェックしていくといいです
  • 整理整頓が苦手なら、一日ごとの服のセットをジップロックに入れることをお勧めします
    • 予備のジップロックがあると、一日目の服や脱ぎ終えた靴下などを入れておけます。便利です
  • アメニティに髭剃りジェルはありません。クレンジングオイルを使って剃るのですが、痛かったので個人的には髭剃りジェルを持っていくことをお勧めします。ただ、クレンジングオイルで大丈夫という人もいました
  • 後述しますが、名刺を用意しましょう
  • 講義を終え夜は疲れ果てている場合があるので、コインランドリーを使えること前提で計画を立てないほうがいいと思います。使っている方もいましたが

 2025現在会場には、コンビニエンスストアが併設されていますので、最悪ものを購入できます。私は、髭剃りジェルを買いました。

 その他、インターネットに旅行の際の荷造りのノウハウがたくさんあるはずなので、参考にしてみてください。

 セキュリティキャンプ運営からアナウンスがあると思いますが、名刺はあった方がいいです。ほぼ必須くらいの推奨です。

 名刺には伝えたい情報を、ハイパーリンクではなく、直接記述することをお勧めします。私はシンプルさを追求した結果、ホームページのQRや本名、アイコン画像しか載せませんでした。私のホームページに最新の伝えたいことを全て載せているのだから、一元化したい発想でした。しかし、話を弾ませづらかったです。名刺のQRコードから私のホームページに飛んでくれる人は少数でした。

 名刺には所属組織や自分のアイコンを載せておくことをお勧めします。特に、名刺には学校・学部名を書いた方がいいでしょう。私はそれを書かず、一々大学名を言うことになりました。面倒くさいです。名刺に自分のアイコン画像を載せておくと、Good!覚えてもらいやすいです。
 
 名刺の数は100枚だと足りず、200枚刷っておくのが安全かなと思っています。私は100枚強くらい交換しました。200枚は流石に使いきれないんじゃないかなあ、というのが私の今回の所感です。ただ、100枚だと後半の企業説明会で足りなくなる可能性があります。企業説明会では名刺の交換が醍醐味の一つであり、話のきっかけになるので、それができないのはもったいない気がします。

セキュリティキャンプ中の荷物管理

 私が考える荷物管理のTipsを紹介します。

  • 食券はバッグに入れるのではなく、名札ケースに入れておくといいです。これは私のアイデアではなく、他の受講生がやっていたことです。こうすることで、手ぶらで食堂に行けます
  • 食事の際、名刺ケースをポケットに入れておくといいでしょう。食事で突発的に話が弾み、名刺交換に至るケースは多々あります
  • 脱ぎ終わった服はその場でその日のジップロックに戻しておきます。こうすることで、最終日にバッグに突っ込んでいくだけで済みますし、忘れ物のリスクを減らします
  • セキュリティキャンプ手提げ袋をもらえますが、そこに健康チェックシートやボールペンなどを入れておくことをお勧めします。リュックサックにパソコンや講義用の本を入れておきましょう。こうすることで、企業説明会などは手提げ袋のみ、講義ではリュックサックと手提げ袋、食堂は名刺とスマホをポケットに入れ手ぶらで行くことができます。とにかく、荷物を分離し使い分けることがおすすめです

効果的な座学の受け方

 専門講義は大きく座学と演習に分かれています。
 座学は、難解な話をずっと聞くため、頭に入ってこない恐れがあります。そこで、私の考える効果的な座学の受け方を載せておきます。

  • 質問タイムに質問をしてみる。質問を見つけるために、講義に集中できます
  • チャット(2025の場合、Discord)でみんなと一緒に実況してみる。みんなで学習している感が生まれ、楽しめます
  • 気になる用語があったら、LLMに聞いてみる。こちらは私のアイデアではありませんが、実践している方がいました
  • ノートを取る。これも古典的ですが、人によってはいいやり方だと思います。ただ、私はノート作成と聞くのを同時にやるのは苦手だったため、聞くことに専念しました
  • 講義の内容を、自分だったらどうするか考える。自分の過去の記憶から類似の経験を探し出す
  • パソコンを閉じ、ノートを閉じ、講義内容に集中して聞くのも手です。結局、私にとって、これが一番学習効率良かったように思えます。元も子もない話ですが

名刺を交換しましょう

 ところで、セキュリティキャンプに合格した受講生は、下記のフィルターを通っています。

  1. 学校以外のプラスアルファであるセキュリティキャンプに興味を持つ
  2. セキュリティキャンプの応募課題を終える
  3. セキュリティキャンプに合格する

 というわけで、受講生は総合的に能力が高いです。まず、技術力も高いです。それだけではありません。行動力も高いです。分からないことがあったら、すぐに聞いて、調べて、自分のものにします。コミュニケーション能力が高い人もいて、すぐに打ち解けてグループを作ったりします。いつの間にか、チューターとも仲良さそうに話します。

 しかし、忘れてはならないのは、あなたも選ばれてそこに立っているという点です。急に、自分だけが、無能でボッチで意気地なしなのではないかと思う瞬間があるかもしれません。しかし、せっかく選ばれたのだから、話をしてみましょう。何か得られるものがあるはずです。

 名刺交換は、コミュニケーションが苦手な人にとって、話しかけるきっかけに効果的です。いつか理由が考えられます。まず、「名刺を交換しませんか?」と話しかけ、名刺を渡すやることが決まっているため、話始め方に迷うことがありません。次に仮にうまくいかなければ、名刺を交換し終えたら一言二言喋って撤退できます。一応、名刺を交換するという目的を果たしたわけですからね。

 さっそく、名刺交換をしましょう。名刺交換は自分を知ってもらい相手を知る重要なチャンスです。名刺ケースを持ちましたか?勇気を持ちましたか?行きましょう。

名刺交換の相手をどうやって見つけるか

 まず、初日の名刺交換トラックで交換相手を見つける作戦があります。おそらくセキュリティキャンプ期間中、全員が自由にホールを回り、会った人と名刺を交換するイベントがあると思います。名刺を交換するための時間ですので、心理的安全性が強く担保されます。まさしくチャンスです。

 このトラック中、名刺交換の相手を見つけられない場合、自分が能動的に動く必要があります。周りの人が2,3人のグループを形成して、自分の居場所がない場合、一人で歩いている人を見つけましょう。名刺交換を終えたり、グループがバラバラになったタイミングの人です。人間、歩いている時は真顔であるため、結構怖いですが、話しかけてみると案外優しく接してくれる場合があります。

 食事で誰かと隣り合った時も名刺交換のチャンスです。事実、私も食堂で何度か名刺交換しました。「どこのコースですか?」、「今何をしているんですか?」と話しかけてみましょう。なんなら、いきなり「名刺交換しませんか」と話しかけるきっかけにするのも手です。

 講師に行くのも手です。というのも、講師は何度もセキュリティキャンプに参加して名刺を交換している経験があるわけで、失敗許容度が高い可能性があるためです。(これは私の推測で根拠あるものではないので、過度な期待は望ましくないですが)

 最後に、失敗してもあんまり気にしないことです。名刺を交換した後、ろくに話が弾まなかったことが、私もあります。肩を落とすかもしれませんが、気にしないでください。会話というものは偶然の産物であり、たまたまかもしれません。

 何度も名刺交換していれば、話が弾む人もきっと現れます。失敗しても、もう一度同じ条件で試行したら、結果は変わったかもしれません。つまらなそうにしていても、元々、テンションが低い人なだけかもしれません。相手は気にしていないかもしれません。そういうものです。繰り返してください。

まず、相手の話を聞こう

 セキュリティキャンプに合格したということは、あなたも何か話したいことがあるかもしれません。

「今すぐに、自分の作ったものや技能を喋りたい!」

 分かります。気持ちは分かりますが、一旦、名刺と一緒に基本的な情報を交換しましょう。初対面の相手はあなたのコンテキストを知らないためです。つまり自分が楽しく話しても、相手は理解できない可能性があります。ハンドシェイクみたいなものだと思って、誰しもわかる基本情報から話始めましょう。

 まず、下記の情報を順番に話すのがおすすめです。

  • 名前
  • 所属学校
  • 学年
  • セキュリティキャンプの参加コース

 名刺に書かれている情報を口頭で繰り返します。自分が覚えることにも繋がりますし、相手の情報を聞けるかもしれません。

 私の意見としては、相手の基本情報を聞き終えたら、質問するのをお勧めします。なぜなら、相手はせっかく話してくれたわけで、やはり何か聞いたほうが相手としても嬉しいはずです。そして、相手の話を聞きながら、自分と共通の体験を探します。コミュニケーション能力が高い人は、聞くことが上手です。

 相手と自分の共通の体験を見つけたら、そこを掘り下げていきます。その時、自分の話をするといいでしょう。お互いが参照できるノードを起点に、潜っていくのです。

 また、自分の話をしたいなら、LT会の発表内容がいいと感じています。LTは、自分の話したい事が含まれているわけで、必然的に話題の取捨選択ができます。相手が自分の発表を覚えていなくても、セキュリティキャンプ中のイベントですのでコンテキストが伝わりやすいです。

 自分のコースの内容を説明するのもいいです。自分の学んだことを相手に伝える練習になります。説明していくうちに、自分の理解の乏しい部分が分かることがあるので、一石二鳥です。

同じコースの人と共通の体験をしよう

 仲良くなる手段の一つに、同じコースの人と共通の体験をすることが挙げられます。共通の体験は絆を育みます。

 どんな初歩的なことでもいいから、気付いたことを言ってみるのが大切です。専門講義中のグループワークの際、時々、優秀な人がどんどん話し合いを進めていくことがあります。こういう時、自分は何も言わなくていいんじゃないかと思われるかもしれませんが、発言してください。

 こういう発言をきっかけに仲良くなります。大抵の場合、こういった馬鹿にされることはありません。チームに新しい視点をもたらすことがあります。

 昼ご飯はコースみんなで食べに行くことが多いので、素直についていくことをお勧めします。

夜はベッドに横になろう

 セキュリティキャンプは5泊6日、しかも朝6時代に起きて、夜21時までやるハードスケジュールです。そのため、セキュリティキャンプを乗り越えるためには、可能な限り早く寝る必要があります。個人的には、12時前にはお風呂に入り終え、部屋を暗くすることをお勧めします。

 あと、面倒でも湯船に入ったほうがいいと思います。建物内はだいぶ冷房が効いているため、湯船に入ることで疲れが取れます。部屋に入ったら、そのまま湯船にお湯を張りましょう。

 さて、横になっても眠れないことありますよね。分かります。私も一日目はなかなか寝付けませんでした。これは、セキュリティキャンプの刺激の強さや普段と異なる睡眠環境が考えられます。セキュリティキャンプの宿泊施設は良い場所なのですが。

 しかし、それでも暗くしてベッドに横になることをお勧めします。というのも、暗くして目をつぶってベッドに横になるだけでも疲れが取れるからです。最悪一睡もできなくても、横になっていたかどうかで、疲労の取れ方が違うはずです。(私は不眠の専門家ではないので、不眠症治療の観点から間違っていることを言っているかもしれません)

 そういうわけで、夜はベッドに横になることをおすすめします。

気にしないこと

 セキュリティキャンプをしていると、余計なことを言ってしまった、相手がつまらなそうだった、講師に聞いてやってみたり対策はしたけど結局あんまり理解できていない気がする、ということが起こります。

 しかし、これで一人反省会をすると著しく体力を使うため、おすすめしません。気にしないことです。過去は変えられません。疲れたら、さっさと横になりましょう。目の前の新しい講義に集中しましょう。

 技術的な話にしろ対人関係にしろ、セキュリティキャンプではたくさんの情報が流し込まれるため、すべてを理解するのは無理なのです。気にしないことは大切です。

 なんなら、この記事に書かれていることも、あくまで私が考えたものですので、守れなくても気にしなくていいです。一人一人、別々のベストプラクティスを見つければいいです。私自身も、この記事の内容を無視するかもしれないですし。

終わり

 セキュリティキャンプは楽しいものですが、技術力行動力コミュ力を持ち合わせた受講生を見ると、ふと「自分だけが駄目なのでは」と不安になるときがあるかもしれません。

 ですが、私はそういう不安を持ち合わせました。決して、あなた一人ではありません。そういう気持ちを伝えたく、この記事を書きました。

 自分を強く持って、緩やかに人と繋がろうとすれば、技術力・行動力・コミュ力が高くなくともセキュリティキャンプを楽しむことができます。

 どうか前向きに楽しんで!!幸運を祈る!!

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