0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

AWS Compute Savings Plan

Last updated at Posted at 2025-08-31

Saving Planとは

AWS Compute Savings Plan (CSP) は、EC2・Fargate・Lambda などのコンピュートリソース利用料金を割引する契約です。
オンデマンド利用と比べて最大 66% の割引を受けることができます。

特徴は以下の通りです:

  • 契約は「$/時間」でのコミット」
    → 例: $10/時間の利用を1年間コミット

  • 対象サービス

    • EC2(UsageType: BoxUsage:<InstanceType>
    • Fargate(UsageType: Fargate-vCPU-Hours, Fargate-GB-Hours
    • Lambda(UsageType: Lambda-GB-Second
  • 割引は コミット額($/時間)の上限まで 適用

  • ストレージやデータ転送、EBS、API Gateway などは対象外


割引の仕組みと具体例

Savings Plan は「コミット額($/時間)」までの オンデマンド利用料金に割引を適用 します。

ケース1: 実利用 = 契約額

  • 契約: $10/h
  • 実利用: $10/h
  • 結果: 全額に割引が適用

ケース2: 実利用 < 契約額

  • 契約: $10/h
  • 実利用: $8/h
  • 結果: $8/h 分のみ割引適用、残り$2/hは未使用(枠の余り)
  • 月払い型契約 → 余りは追加請求なし
  • 前払い型契約 → 使わなかった分が相対的に損

ケース3: 実利用 > 契約額

  • 契約: $10/h
  • 実利用: $12/h
  • 結果: $10/h 分に割引、残り $2/h は通常料金

割引率はどう決まる?

割引率は契約条件で決まります:

  • 契約期間

    • 1年 or 3年
    • 3年の方が割引率が高い
  • 支払いオプション

    • No Upfront(前払いなし)
    • Partial Upfront(一部前払い)
    • All Upfront(全額前払い)
    • 前払いが多いほど割引率が高い

例:

  • 1年, No Upfront → 割引率 ~30%
  • 3年, All Upfront → 割引率 ~60%

Q&A

  • 調べる前・最中に自分が思っていたことに対してのアンサーをまとめました

Q. ComputeSavingPlanを持っておけば、Lambda, Fargate, EC2の料金が0円になる?

A. なりません。
割引は「0円」ではなく、契約額分の オンデマンド料金に対して割引が適用される だけです。


Q. 上限に達するとこの割引は適用されなくなるが、その上限とは?

A. 上限 = 契約した時間単位のコミット額($/時間) です。
例: $10/時間で契約した場合、$10を超える部分は通常料金。


Q. 月xドルというSavingPlanを契約して、使用量がxドルに収まったら損をする?

A. 前払い型なら相対的に損(月払い型は損にならない)。

  • 月払い型 → 使わなければ単純に割引が小さくなるだけ
  • 前払い型 → 使わなくても全額払うので未使用分が損

Q. Reserved Instance のように事前に固定料金を払う仕組みではないの?

A. 違います。

  • Reserved Instance (RI)

    • 特定のインスタンスタイプを固定して、1年/3年分を予約するモデル
    • 基本的に前払い(全額または一部)
  • Compute Savings Plan (CSP)

    • 事前に「固定料金を払う」わけではない
    • 利用料金に対して契約分だけ自動的に割引が適用
    • EC2/Fargate/Lambda 複数サービスで柔軟に利用可能

「RIのように前払いで枠を確保する」と勘違いされやすいですが、CSPはあくまで「割引の適用枠」を契約するものです。


Q. その時間または使用量分だけUsageTypeの条件を緩和するの?

A. UsageTypeの条件が緩和されるわけではありません。
UsageTypeは固定で、その中の利用料金に対して契約額まで割引が適用される だけです。


ユーザーは契約時に何を決めれば良いのか?

契約時に決めるべきことは主に3つです:

  1. 契約期間

    • 1年 or 3年
    • 長いほど割引率は高い
  2. 支払い方式

    • No Upfront / Partial Upfront / All Upfront
    • 前払いが多いほど割引率は高い
  3. コミット額($/時間)

    • 自社の利用状況に応じて「どれくらいの利用を確実に割引にしたいか」を決める

どのようにコミット額を決めるか?

  • 過去の利用実績を基準にする

    • AWS Cost Explorer や CUR (Cost and Usage Report) を参照
    • 「常に最低限これくらいは使っている」という下限を把握
  • 余裕を見て少なめに契約するのが無難

    • コミット額を大きくしすぎると、未使用分が発生して損になる可能性がある
    • 特にオンデマンドの波が大きいワークロードは要注意

まとめ

  • Savings Plan は 「$/時間あたりの割引枠」を契約する仕組み
  • 枠内のオンデマンド利用料金に割引が自動適用される
  • 割引率は「契約期間 × 支払い方式」で決まる
  • Reserved Instance のように「事前にリソースを固定して前払い」するものではない
  • 契約時は「契約期間」「支払い方式」「コミット額」を決める必要がある
  • コミット額は 過去の利用実績の下限 を基準に設定すると失敗しにくい
0
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?