KotlinによるAndroid開発で学ぶDI入門

Kotlin / Android開発で学ぶ Dependency Injection（DI）入門

最近Androidアプリ開発の勉強をしている中で、Hiltを学習しよう！と思ったときにDIの理解が足りなかったため学習に至りました。

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目次

• DI（Dependency Injection）とは何か
• なぜDIが必要なのか
• コード例で理解するDI
• モック／スタブとテストの関係
• HiltなどDIフレームワークとの関係

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DI（依存性注入）とは？

Dependency Injection（依存性注入） とは、「クラスが必要とする依存オブジェクトを、外部から渡してあげる」設計手法です。

例：Car クラスが Engine を必要とする場合、Car クラスが自分で Engine を生成するのではなく、外部から Engine インスタンスを渡すようにします。

// Engineインターフェース（設計図）
interface Engine {
    fun start()
}

// MainEngineクラス（具体的な実装）
class MainEngine : Engine {
    override fun start() {
        println("Engine started")
    }
}

// Carクラス（Engineインターフェースに依存）
class Car(private val engine: Engine) {
    fun drive() {
        engine.start()
    }
}

イメージでいうと、エンジニアAさんとエンジニアBさんがいたとします。
・エンジニアAさん⇒Carクラスを作成
・エンジニアBさん⇒Engineクラスを作成
こうすることで、仮にエンジンインスタンスを変更したいときにはBさんのコードをいじるだけですむ。つまり保守性が上がるということ。

なぜDIが必要なのか

先ほども言ったようにコードの管理がしやすくなるからです。
責任を分散する、依存関係を緩くすることでコードの修正が簡単になったり、明示的に引数として書くので読みやすくなったりします。

コード例で理解するDI

では、実際にDIありとなしのコードを比較してみましょう。

//DIなし
// Engineの実装クラスを作る
class MainEngine : Engine {
    override fun start() {
        println("Engine started")
    }
}

class Car {
    private val engine = MainEngine()  // 実装クラスを直接インスタンス化

    fun drive() {
        engine.start()
    }
}

//DIあり(今回の話)
class Car(private val engine: Engine) {
    fun drive() {
        engine.start()
    }
}

// クラスの外で実装クラスのインスタンスを作成して渡す
val engine = MainEngine()  // ← 実装クラスのインスタンス
val car = Car(engine)      // ← 依存性を注入（DI）

モック／スタブとテストの関係

次にモックとスタブについて簡単に説明します。

スタブ：返り値を固定するための仮の実装
　　　　⇒プログラムの振る舞いさえ分かればいい
モック：呼び出しの有無や回数を検証する目的の実装
　　　　⇒プログラム実行時の動きまで確認したい

//スタブテスト
class StubEngine : Engine {
    override fun start(): String {
        return "Stub engine started"
    }
}
val stubEngine = StubEngine()
val car = Car(stubEngine)//スタブテスト用エンジンインスタンスを車クラスに渡す

エンジンクラスとは別に、スタブテスト用エンジンクラスも作る。(DI設計)

//モックテスト
class MockEngine : Engine {
    var startCalled = false

    override fun start(): String {
        startCalled = true
        return "Mock engine started"
    }
}
val mockEngine = MockEngine()
val car = Car(mockEngine)
println(mockEngine.startCalled) // true なら、start() が呼ばれた証拠

モックはスタブと違い、中身のメソッドがちゃんと動くかを確認したい。今回はstart()インスタンスがきちんと動くか確認したい。

HiltなどDIフレームワークとの関係

これまで書いたように、DIはとても重要な設計思想である。そのために楽に、自動的にやってくれるのがHiltなどのDIフレームワークである。
Hiltに関してまた、別の記事でまとめようと思います。

感想

DIはとても大事な設計思想であり、アーキテクチャ手法であることがよく分かりました。
ただ、理解度はまだ7〜8割程度で、どこかニュアンスを間違えている可能性もあります。
もし誤りがあれば、ご指摘いただけるとありがたいです。

今後は今回学んだ内容を基に、Hiltの学習により力を入れていきたいと思います。