タイトル写真: IVAS 1.2 Prototype (U.S.ARMY Program Executive Office Solider IVAS)
IVAS とはなにか
IVAS(Integrated Visual Augmentation System 統合視覚拡張システム [読み] アイバス) は、Microsoft HoloLens 2 の米陸軍向けアプリケーションで、歩兵が装用するヘルメットマウント MR ヘッドセットです。2019年にその存在と写真が公にされました。
1.0、1.1、1.2、1.2 Variant と言ったバージョンナンバーが知られていますが、これらは後付けです。当初は CS n(Capability Set n) という呼び方がされていました。
このこともあり、特に IVAS 1.1 というバージョンがどこで切り分けられたのかを明確に示した資料は存在しません。
1.1 の延長線上で構想されていた 1.2 は、1.1 の不評から後に 1.2 Variant として設計を一新し、 新たな光学系を実装しました。ここで 在来の HoloLens 2 とは共通部分がない設計となります(タイトル写真)。
これは一頃 HoloLens 3 と仮称されていたものを思わせる領域のもので、 これが現在単に IVAS 1.2 と呼ばれているものですが、計画段階(2023予算年度)での 1.2 とは別物です。
現在テスト運用されているものは、厳密には IVAS 1.2 Prototype です。
IVAS の実戦配備・実戦投入は、未だありません。
2021年にロイター電として IVAS の実戦配備が伝えられ、各国で引用報が出ましたが、誤報です。
無線装置や電池、コントロールボックス等々を含めての価格は、2023年4月の下院軍事委員会2024年度陸軍近代化計画公聴会における筆頭委員の冒頭陳述によると、兵装一人分で6万ドル超(930万円)とされています。
YouTube:米下院 20230426 TAL Hearing: Fiscal Year 2024 Army Modernization Programs: IVAS 関連部分
この冒頭陳述での IVAS 言及は開発費の垂れ流しなどを批判したもので、いわゆるVR酔いにも言及しています。
もっとも初期の IVAS CS 1
HoloLens 2 にセンサーを一個追加しただけ。背後に写っているのはおそらくMicrosoft社員
50台製造
(US Army / CNBC)
IVAS CS 2 低照度ステレオカメラを統合している
民生用 GPS 受信機コアは自位置判定が不安定、暗視カメラは質も悪く、画像処理のレイテンシーが大きいため射撃照準が困難、と散々な評価だった
300台製造
(@USArmySMA)
IVAS CS 3 筆者は当初これが IVAS 1.1 だと考えていたが、ここまでが IVAS 1.0 らしい
600台製造
(DVIDS Public Domain)
IVAS CS 5? 便宜的に IVAS 1.1 と呼ばれているものと思われる
左右眼の導波板が各々二枚継ぎとなっている(そのようにしか見えない)視野角改善版
CS 4 が1,600台製造、CS 5 が20台前後製造
CS 4 ではディスプレイに結露?で SDE(Screen Door Effect) が発生したと伝えられている
最終的な導波板は HoloLens のものではなく、CMC(Creative Microsystems Corporation) の技術によるものとされている
図:reddit r/MVIS
IVAS CS 1 ~ CS 4 の生産台数に関しては下記国防総省公式資料によるが、おそらくは正確ではない
FY20 ARMY PROGRAMS Integrated Visual Augmentation System (IVAS)
IVAS 1.2 Prototype は300台が生産されると伝えられています。
Breaking Defense: Army fielding ‘up to’ 50 IVAS 1.0 mixed-reality goggles to soldiers at Fort Moore
米軍事予算法の非法規規定から辿る IVAS の要件定義
軍事予算法案 NDAA FY2024 S.2226 最終版では、IVAS に関して以下の一見奇妙な"宿題"条項が付帯されていました。宿題に合格しない場合、予算は出しませんよという非法規規定です。
S.2226 の該当文面を見てみましょう。 IVAS という呼称ではなく、"night vision devices 暗視装置" となっていますが、これに関しては後程触れます。
NDAA: National Defense Authorization Act 国防権限法
米議会が扱う最大金額の予算法案ですが、予算以外のことも規定しており、また軍事予算はこれ以外にもあり、予算法案と言い切るのは厳密には誤りです。
基本的に上下院の各軍事委員会が立案します。
FY2024: Fiscal Year 会計年度
前年10月1日始まりなので FY2024(FY24) は現時点から見ると前年度です。
では現在従うべき FY2025 NDAA がどうかというと、未だ決議が終わっておらず、関連出費は時限立法の包括的泥縄予算法で賄われています。この状況は恒例です。
包括的泥縄予算時限法案が成立しない、あるいは期限切れになった場合には、連邦政府各該当組織シャットダウンという事態になります。
S.2226: NDAA FY2024 の上院版ID
NDAA は上院と下院の軍事委員会でそれぞれ個別に立案され、擦り合わせを行い、再度両院での決議を行います。
FY24 NDAA の下院版は、H.R.2670 でした。
上院版、下院版、擦り合わせ版、それぞれ何度も改版があり得ます。
"暗視装置" と言っているものには何が含まれているのですか?
"暗視装置" では何ができるのですか?
"暗視装置" は誰がどこでいつ使うのですか?
"暗視装置" はいつ使い物になるのですか? どこまでが開発なのですか?
"暗視装置" の調達計画及びその背景となる産業基盤は大丈夫ですか?
"暗視装置" の近代化計画はどうですか?
残念ながらこの Sec.111 規定提出物とその評価は、開示されていません。
要件定義が存在しない、そして....
....開発と実戦配備の境目はどこだ?
....我々の買い物は使い物になるのか?
....どうせすぐに新型に替わっちゃうんでしょ?
という指摘は、MR をとりまく業界の現状を象徴するものではないかと思います。
なぜ "暗視装置" なのか
この予算法案では、なぜ IVAS とせずに "Night vision devices 暗視装置" と呼称しているのでしょうか?
陸軍では当初 IVAS と従来のアナログな暗視装置を明確に区別していました。
しかし FY22 予算申請でこの方針を変更し、従来の暗視装置の継続購入を放棄して IVAS に一本化するとしました。これは既に批判が出ていた IVAS 調達費用を削られるのを防ぐための手段だったのではないかと筆者は考えています。確実に支出される在来予算枠に、いわば寄生しようというわけです。
誰が考えてもこの作戦は両刃の剣で、MR の全面否定ともとれます。
しかし陸軍もさすがにそこまでは割り切れてはいないようで、今年4月の上院軍事委員会陸軍今年度概算請求公聴会では、"IVAS は単なる暗視装置ではありません。ホログラムヘッドセットなのです。" などという世迷言を陸軍長官が繰り出す始末でした。
YouTube:Forbes提供 Jack Reed Leads Senate Armed Services Committee Hearing On FY25 Budget Request For The Army: IVAS 関連部分
この件に関してはもう一つの側面もありますが、それは後で述べます。
またこのジャンルに係わったことがある人なら誰もが思うことですが、"これって白昼屋外で使い物になるの?" という話も考えられはします。しかし訓練をはじめとする多くのプロモーション写真・ビデオが白昼に撮られており、いささかな感もありますが。
ちなみに光学系を一新した現在の IVAS 1.2 では、従来の不評だった Teledyne FLIR 製カメラに換えて Canon の超暗視カメラを採用し、現場テストで好評を博しているという話が伝えられています。昼間運用では、この Canon 製センサーにキャップで蓋をするようです。
まぁしかし、昼間運用ができる"暗視装置"、というのも、なんだかなぁ、という感じではあります。
MR ヘッドセットとしての現状
上院軍事委における公聴会でも取り上げられたように、いわゆるVR酔い問題は軍・議会関係者および報道関係者にも広く知られているところで、本稿で改めて取り上げるまでもありません。
最新版の 1.2 では改善されていると報じられていますが、被験者たちが徐々に慣れてきただけという可能性もあります。
視野角の問題も、本稿では触れません。IVAS 1.1 での力業でわずかながら改善したはずですが、IVAS 1.2 では外観も含めてフラットなものになっています。IVAS 1.1 に至る過程で様々な視野角数値が伝えられているのですが、完全フラットな IVAS 1.2 では公表されていませんので、ここでは避けます。
頭部にこれだけのものを装用するわけですが、IVAS 1.2 では IHPS (Integrated Head Protection System) というヘルメット共通マウントに固定することとなり、ようやくフリップアップが可能となりました。
IVAS 1.2 モックアップ & 予算で競合する在来型暗視装置を同じくマウントする IHPS
Gregory Knowles
現在の実装と同じではなさそうですが、Microsoft の特許出願例
Microsoft 特許出願公告 US 20240201505 A1 Pivot Hinged Head-Mounted Display Device
恐らくは現在でも改善されていないであろうと思われる問題として、動的なオクルージョン処理能力の欠如もあります。
IVAS のもともとの構想では、訓練と実戦双方で用いることができるシームレスな機材という要求がありました。これは現在でも変わっていません。
例えば人質奪還作戦で、突入先の屋内構造が(実に都合よく)取得できたとして、仮想空間にドアとドアノブを再現したとしましょう。手を出せばドアノブが手の陰に隠れる....のが理想ですが、動的なオクルージョン処理能力が欠けておれば、ドアノブは常に手よりも手前側に描画されることになります。
Breaking Defense: Army’s pricey IVAS goggles meet a training obstacle: Doors
誰が使うのか?
運用に関しては、問題山積です。
IVAS のような機材を見ると、誰もが想像するシーンの一例がこの図ではないでしょうか?
Facebook 米陸軍第10山岳師団第1戦闘旅団
彼等は何処からこのデータを得るのでしょうか?
そしてそれはまた、作戦行動時に部隊の全員が等しく共有していいデータなのでしょうか?
IVAS は本来スタンドアローンでは存在しえない機材です。無線で、支援側に密接に結合していることが前提の機材です。専用の無線機は SCDR(Single-Channel Data Radio) と呼ばれるもので、常時密に通信が発生するはずです。
今日ウクライナ戦線で日常的に見られる風景があと一歩進めば、木々を避けながら自律で電波源に突っ込んでくる自爆ドローンの良いカモということになります。
もう一つ、軍の指揮系統問題があります。
IVAS では指揮所レベルの情報を部隊全員が等しく参照できる、というのがもともとの構想ですが、そんな部隊はドラマや漫画の中だけの存在かもしれません。基本的には指揮官が情報の取捨選択を行い、部隊に指示を行うはずです。
つまり IVAS の世界では古典的指揮系統が崩壊するわけです。
前者電波源の問題と後者指揮系統の問題を解決するのは、IVAS の装用を現場隊長レベルに限定するというものですが、それでは"暗視装置"という前提は何処に消えたのだということになってしまいます。
IVAS は本来スタンドアローンでは存在しえない....と述べましたが、存在し得る機材的価値がないわけではありません。それがデジタル"暗視装置"としての存在です。
つまりこの機材が"暗視装置"であると宣しておけば、データ送信側の状況にも、運用方針のあやふやさにも深入りしなくて済むわけです。
米陸軍第10山岳師団第1戦闘旅団による IVAS 1.2 運用テスト風景
二番目の兵士の右背面にアンテナが二本出ているのがデータ無線機 SCDR
手前の兵士背面(二枚重ね)がバッテリー CWB(Conformal Wearable Battery 2nd Gen)
手前の兵士だけが IVAS 使用で、奥の二人はフリップアップしているのが見て取れる
Facebook 米陸軍第10山岳師団第1戦闘旅団
このほかにも、バッテリーの持ち時間8時間が陸軍の要求作戦能力12時間に満たないとか、そもそも前線でバッテリーの充電、もしくは補給と交換をどうするのかという問題も深くは論じられていないはずです。
実戦形式の夜戦演習で特に指摘されているのは、敵方の暗視装置に簡単に捕捉されるという問題です。
Green Glow と言われていた問題の派生と言っていいと思いますが、現在のディスプレイ形式では、多かれ少なかれ灯りが漏れます。
IVAS 1.2 では前面に真っ黒なフィルターを貼り、いわゆる Green Glow は直接には見えなくなっていますが、側面からはやはりよく見える、とくに敵方の暗視装置からは視認性が良いようです。
この黒いフィルターには、以前の版で問題になっていた銃発砲時の防眩対策という効能もあるものと思われます。
IVAS 1.2 側面から大変良く見える顔面照り返しと、兵士二名が同方向を見ているにも係わらず照り返しの色味が違うという印象的な一枚
米陸軍 PEO Soldier
要件定義はできましたか?
現状を要約すると、誰が、いつ、どこで、何のために使うのか、という兵器としての基本的な要件定義が、なにひとつ定まっていないということになります。
今後はどうなりますか?
Microsoft は陸軍に対して無線機やバッテリー、コントロールボックスを含む IVAS 1.0 (おそらくは CS 3 または CS 4) を5,000セットも納入していますが、運用予算が付いたのは前後併せて60セット分に過ぎず、その他は倉庫に死蔵されたままです。
Breaking Defense: Army fielding ‘up to’ 50 IVAS 1.0 mixed-reality goggles to soldiers at Fort Moore
この問題は、これまでの IVAS 関連予算には運用や支援側開発の経費が含まれていなかったことを意味しています。
HoloLens 2 派生型としての IVAS 開発は、今年度で完了、つまり現行 1.2 で終了します。
米政府監査院の兵器システム年次評価では IVAS に関して、ラピッド反復開発自体は認めているものの、それはゴールたる要件定義あっての話、と現状の予算消化に危惧を表明しています。
米政府監査院 兵器システム年次評価
現在陸軍は IVAS 1.2 の"暗視装置"としての運用テストを小隊・中隊レベルで完了し、来年年初に大隊レベルでのテストを行うと報じられています。
Defence News: Army’s mixed reality device set for upgrades and battalion assessment
IVAS を取り巻く環境は、つい最近新しいプレーヤーを迎えました。
この領域に関心を持ったり関連している人なら誰もが知っている、アロハ&ビーサンのあの方、Palmer Luckey 率いる Anduril です。 同社が開発している Lattice OS を IVAS の支援側に統合する契約を陸軍との間に締結したとのことです。
Microsoft MR 担当副社長 "IVAS は単なる部品の総和ではありません。既存および新規のソフトウェアとセンサーを統合することで、IVAS はすべての兵士に戦場の全体像を提供し、より安全で効果的な作戦を可能にします。Anduril との協力により、同社の重要なセンサー スイートと画期的な Lattice システムを IVAS に統合することで、この戦闘用ゴーグルの革新的な能力が実証され、IVAS がすべての米国兵士にもたらす影響をさらに拡大できるようになります。"
Anduril Collaborates with Microsoft to Bring Lattice to the U.S. Army's IVAS Program
そして IVAS 自体は、IVAS Next という新しいプログラムが既にスタートしています。
IVAS Next RFI
恐らくは別途開発契約を締結している Kopin MicroLED Display の採用を前提としているのではないかと推測されます。
その他の Microsoft HoloLens 2 関連 軍プロジェクト
Microsoft は既に HoloLens 2 の生産終了と直接の後継機が存在しないことをアナウンスしていますが、IVAS 以外にも各種のプロジェクトが存在しています。その中からいくつかご紹介。
米宇宙軍は、Microsoft Hololens 2 を使う I3E 開発一年契約(オプション契約三年)を昨年12月にスタートしましたよ。
(第二次大戦以降に陸軍から空軍が分離独立したように、宇宙軍は空軍から分離独立しました。実在の組織です)
DefenceScoop: Space Force taps Microsoft to build cloud-based, simulated space environment
中国人民解放軍!は HoloLens 2 を使った航空機整備等のスタディを進めていますよ。
SCMP: China’s military uses Microsoft mixed-reality HoloLens 2 headsets to maintain equipment, video shows
投稿予定日の前日、日曜日の午後に
参加者の少ない、いささか寂しい Advent Calender になりました。
当稿からして否定的な現実を示すもので、この領域に活気がないのも当然かもしれません。
最後はアロハ&ビーサンの Palmer Luckey さんに前向きに〆ていただきましょう。
(しかして、このインタビュー記事自体が "AI" ジャンルだという....)
"これらの IVAS プログラムの障害は、どれも克服できないものではありません。防衛用の複合現実を開発する際に想定されるものです。これらの問題は今年になるか、数年後になるかという話です"
"一般市民が AR ヘッドセットを装着するようになるずっと前に、兵士全員が AR ヘッドセットを装着するようになるでしょう"
MIT Technology Review: Palmer Luckey on the Pentagon’s future of mixed reality
それでは皆さん、良い"VR元年"をお迎えください!
本稿では軍用 MR ヘッドセットの要件定義を巡る話題のみに話を絞りました
Microsoft と陸軍の契約形態に関する話、そして
国防総省 / 陸軍の開発メソッドに関する話
は全て省きました
基本的に画像や情報の引用元は文中で明示しましたが、本稿が全般に強く影響を受けながらも出典を示していない文献があります
隔月刊 MILITARY REVIEW 誌2022年5・6月号
West Point と地名で称されることの多い米陸軍士官学校のサイバー研究所研究員による寄稿
The Tactical Considerations of Augmented and Mixed Reality Implementation
PDF: AR/MR 実装の戦術的考察
12月24日 取り消し線部分 = IVAS 1.2 の導波板に関して
本稿は IVAS の要件定義側面に注力して書きましたが、技術面に関して指摘が入り、もうクリスマスイブなのに....と思いながらも再検討してみた結果をここに追記します。
IVAS 1.2 prototype は、現在 IVAS 1.2 phase 2 に進化しています。
光学系保護用のリブが加えられた新しい筐体で、ソフト素材によるオーバーヘルメットでヘルメット全体に重量負荷分散をするようになったようです。
さらに、前面の黒いフィルターが淡色昼間用と濃色夜間用の二種類を取り換えられるようになったようです。
ここで淡色昼間用フィルター装用らしい写真を見て違和感が。導波板の形状が HoloLens 2 のものに先祖返りしているように見えます。
これに関して、Microsoft 関係者が HoloLens 2 と同じ導波板であると語ったという 指摘 があり、考え込みました。
結局下記の二つの理由で、IVAS 1.2 の導波板セクションは基本的に HoloLens 2 と同じものに "戻った" と考え、本文該当箇所に取り消し線をくわえました。
理由1)"暗視装置" に広視野角は必要ない
米陸軍が要件定義及び予算確保面で "暗視装置" という "逃げ" を打った、という話を書きましたが、在来型アナログ暗視装置 ENVG-B を見れば解るように、暗視装置に広視野角は求められません。
対して、IVAS 改良の歴史の一つとして、視野角との闘いが在りました。
IVAS CS 5 ?(IVAS 1.1 ?) ではとうとう導波板を貼り合わせたとしか思えない状態に至ります。
しかし IVAS 1.2 では、導波板からかなり間隔を置いて、完全にフラットな光学フィルターが前置されています。どう見ても、視野角は従来版よりも狭いはずです。
これらに加えて、従来の IVAS で足元が見えずに転んだことがあるとの Microsoft 関係者の言がありました。
これらから IVAS 1.2 は、フリップアップ状態が通常で、使用するときだけ眼前にセットするという運用なのだろうと推測します。
この場合、作戦能力(電池寿命)が圧倒的に伸びるだろうという推測もできます。
理由2)陸軍副長官 "量産するならもっと安くなるよね?"
陸軍調達兵站担当副長官殿は以前に
"世の中には今の IVAS より優れた光学系っていっぱいあるよね? Microsoft がそういうものを買ってきてちょいちょいっとやれば...."(筆者超訳デス)
という趣旨の発言をされたことがあります。
そして上下院のどこかの公聴会だったか、あるいは公開カンファレンスの席上だったかで、IVAS 1.2 の納入単価に関して触れられた際に
"Microsoft が量産納品するのならば、単価は今よりも安くなっていなければおかしい"
という趣旨の回答をしています。
(ごめんなさい。どちらの発言も現在参照先を示せません。)
"安く量産" するには、在来の量産光学系を使うのが一番です。
Special Thanks to
@geoffreyporte20, @Carkidd1, @chrisgrayson