Googleマップのスクレイピングとは、Google マップ上の店舗名、住所、電話番号、営業時間、評価などを自動的に抽出し、表形式のデータへ変換する処理です。この技術を使っただけで日本法上ただちに違法になるとは限りませんが、Googleの現行規約はコンテンツのコピー、大量ダウンロード、バルクフィードの作成、特定用途のビジネスリスト作成などを制限しています。 したがって、「公開情報だから自由に取得できる」「少量なら必ず合法」とは判断できません。
実務では、法律だけでなく、Googleの規約、取得する項目、保存期間、再配布の有無、営業やAI分析といった利用目的を分けて確認します。本記事では、Google マップのデータ収集が必要とされる理由、従来の収集方法、その長所と短所、そしてノーコードツールを使う場合の考え方まで整理します。
| 最初に確認すること | 判断のポイント | 主なリスク |
|---|---|---|
| Googleの規約 | コピー、大量取得、保存、リスト化が認められるか | アクセス制限、アカウント停止、契約上の責任 |
| 著作権 | 口コミ本文、写真、説明文を複製・公開するか | 著作権侵害 |
| 個人情報 | 投稿者名、個人の電話番号などを扱うか | 利用目的や安全管理上の問題 |
| アクセス方法 | ログインや技術的制限を回避していないか | 不正アクセス等の問題 |
| 実行負荷 | 短時間に大量のリクエストを送らないか | サービス妨害、ブロック、損害発生 |
Google マップスクレイピングとは?
Google マップスクレイピングでは、検索キーワードや地域に合う施設を探し、画面上の情報を一定の列にそろえて出力します。代表的な項目は次のとおりです。
- 店舗・企業・施設名
- カテゴリ
- 住所
- 電話番号
- WebサイトURL
- 営業時間、営業中・閉業などの状態
- 評価と口コミ件数
- Google マップ上のURLやPlace ID
- 取得日時
口コミ本文、投稿者名、投稿写真まで取得すると、著作権や個人情報、再利用条件の確認事項が増えます。目的が店舗数の集計であれば口コミ本文は不要かもしれません。必要な項目だけを集める「データ最小化」は、リスクと保守コストの両方を下げます。
また、Google検索結果のスクレイピングとは対象が異なります。Google検索はタイトル、URL、スニペット、順位などが中心ですが、Google マップは施設、場所、評価、営業時間などのローカル情報が中心です。適用される追加規約やAPIポリシーも同じとは限りません。
Googleマップのスクレイピングは違法ですか?
結論は、「スクレイピングという技術」と「Google マップに対して何をするか」を分けなければ判断できないです。
Webページから情報を機械的に読み取る技術自体を一律に禁止する法律が日本にあるわけではありません。一方で、収集対象や方法によっては、著作権法、個人情報保護法、不正アクセス禁止法、民法上の契約責任などが問題になります。大量アクセスでサービスに損害を与えれば、別の責任が生じる可能性もあります。
さらに重要なのが、法律に違反するかどうかと、サービスの利用規約に違反するかどうかは別の判断だという点です。刑事事件にならない行為でも、利用規約に反すればアクセス停止、アカウント制限、削除要求、損害賠償請求などにつながる可能性があります。
Googleの規約は何を制限していますか?
Google マップ/Google Earth追加利用規約は、コンテンツのコピー、大量ダウンロード、バルクフィードの作成などを禁止行為として挙げています。また、Google マップの代替または実質的に類似するサービスで使う目的で、地図・ナビゲーションデータセット、ビジネスリスティングのデータベース、メーリングリスト、テレマーケティングリストなどを作成・補強する行為も制限しています。
この条項は、Google マップから営業候補を大量に抽出したい読者にとって特に重要です。「店舗情報が公開されている」「自分でも画面上で閲覧できる」という事実だけでは、データベース化や営業利用が認められる根拠にはなりません。
Maps JavaScript APIのポリシーも、ユーザーセッション外で利用するためにプレイス名を取得・保持することはスクレイピングに当たり、規約上認められないと説明しています。画面を直接操作する方法だけでなく、APIを使う場合にも保存、表示、帰属表示などの条件があります。
Places APIなら自由に保存できますか?
公式APIは、データ取得の技術的な安定性やフィールド定義を重視する場合の有力な選択肢です。しかし、公式APIを使えば取得結果を無期限に保存・再利用できるという意味ではありません。
Places APIの公式ポリシーでは、認められた例外を除き、Places APIコンテンツの事前取得、キャッシュ、保存を制限しています。一方、場所を識別する place_id は保存制限の例外です。Place IDの公式説明では、Place IDを保存して再利用でき、12か月以上経過したIDは更新することが推奨されています。
つまり、APIかスクレイパーかを選ぶ前に、「最終的にどのフィールドを、どれくらいの期間、どこで使うのか」を決める必要があります。
なぜGoogle マップのデータ収集が必要とされるのですか?
目的は「大量の連絡先を集めること」だけではありません。業務で価値が出やすいのは、地域やカテゴリごとの差を構造化して比較するときです。
- 商圏調査:地域ごとの店舗数、カテゴリ、評価傾向を比較する
- 競合調査:出店エリア、営業時間、サービス属性の変化を確認する
- 情報更新:閉業、移転、電話番号、営業時間などの候補を発見する
- 顧客理解:口コミから頻出する要望や不満のテーマを分析する
- 営業準備:対象企業を絞り、各社の公式サイトで最新情報を再確認する
ただし、Google マップを使ったビジネスリストやテレマーケティングリストの作成は、追加利用規約が具体的に制限している領域です。営業用途だから自動的に許可されるわけではありません。Google マップ以外の正当なデータ源、企業公式サイト、行政のオープンデータ、契約済みデータベースなどを使えるかも検討してください。
Google マップデータを集める従来の方法は?
一般的な方法は、手作業、Places API、Pythonによるブラウザ自動化、ブラウザ拡張、外部APIまたは収集ツールです。それぞれ操作方法だけでなく、規約、保守、継続運用の負担が異なります。
方法1:画面を見ながらExcelへ転記する
操作方法は単純です。Google マップで「地域+業種」を検索し、施設の詳細を開き、必要な項目をExcelやGoogle スプレッドシートへ入力します。取得元URLと確認日も同時に記録しておくと、後から検証しやすくなります。
長所は、特別な開発環境が不要で、少数の候補を人が確認しながら選べることです。10件程度の一度きりの調査なら、自動化の準備時間より早い場合があります。
短所は、件数に比例して作業時間と入力ミスが増えることです。表記ゆれ、重複、列ずれが起きやすく、定期更新にも向きません。手作業であっても、コピー、保存、リストの用途に関する規約がなくなるわけではありません。
方法2:Google Places APIを利用する
Google Cloudでプロジェクトを作成し、Places APIを有効化してAPIキーを設定します。検索条件と必要なフィールドを指定してリクエストし、JSONレスポンスをプログラムで処理します。
長所は、Googleが提供する公式インターフェースから構造化データを取得できることです。HTML構造の変更に左右されにくく、アプリ内で検索結果を表示する用途では第一候補になります。
短所は、課金設定、APIキー管理、FieldMask、エラー処理、利用上限への対応が必要なことです。取得できる項目と保存可能な内容にも条件があり、欲しいデータを自由にデータベース化できる仕組みではありません。
方法3:PythonとSelenium/Playwrightで自作する
一般的な処理は、ブラウザを起動し、検索条件を入力し、結果パネルをスクロールして、各施設の詳細ページから項目を読み取り、CSVへ保存する流れです。Google マップはJavaScriptで動的に表示されるため、単純なHTTPリクエストだけでは必要な結果を取得できない場合があります。
長所は、待機、ページ遷移、データ整形、重複除去などを用途に合わせて細かく設計できることです。Pythonの学習や、自社管理サイトの自動テストには有用です。
短所は保守負担です。画面構造や属性名が変わるとコードが停止します。無限スクロール、遅延読み込み、地域差、同意画面、ログイン状態なども考慮しなければなりません。さらに、コードが動作することは取得が許可されていることを意味しません。本記事では、Googleの技術的制限を回避するコードや、大量取得を目的とする実装は掲載しません。
方法4:Chrome拡張機能を使う
対応する拡張機能をインストールし、ブラウザで検索結果を表示して抽出を開始し、CSVやExcelへエクスポートする方法です。
長所は、導入が早く、少量の試行であればプログラムを書かずに結果を確認できる点です。
短所は、ブラウザを開いたままにする必要がある製品が多く、定期実行や大量処理には向きにくいことです。拡張機能が要求する閲覧権限、開発元、データ送信先、無料枠、エクスポート上限も確認する必要があります。
方法5:外部APIやデータ収集ツールを使う
専用サービスへ検索条件やURLを渡し、CSV、Excel、JSONなどの形式で結果を受け取ります。ツールによって、テンプレート、スケジュール実行、クラウド処理、API連携などを利用できます。
長所は、ブラウザ制御、ページ送り、データ整形などの実装時間を減らせることです。定期実行やチーム運用へ移行しやすい製品もあります。
短所は、料金、取得件数、テンプレート仕様、ベンダー依存が生じることです。サービスが取得処理を代行しても、利用者側の規約確認や取得後のデータ管理が不要になるわけではありません。
5つの方法はどう選べばよいですか?
| 方法 | 初期設定 | 自動化・継続監視 | 出力 | 主な長所 | 主な短所 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 手作業 | ほぼ不要 | 不向き | Excel等へ手入力 | 少数ならすぐ始められる | 遅い、ミス、再現性が低い | 数件だけ確認したい人 |
| Places API | Cloud設定と開発 | 対応可能 | JSON | 公式、構造化、アプリ連携 | 課金、開発、保存・表示条件 | 開発チーム |
| Python | 開発環境とコード | 自由度が高い | 任意 | 細かく制御できる | 壊れやすい、保守工数が大きい | エンジニア |
| Chrome拡張 | インストール | 製品による | CSV、Excel等 | 試行が速い | 権限、上限、ブラウザ依存 | 小規模な一時調査 |
| 収集ツール | アカウントとタスク設定 | クラウド・定期実行に対応する製品あり | CSV、Excel、JSON等 | 実装時間を削減できる | 料金、仕様、規約確認が必要 | 非エンジニアを含むチーム |
Googleの公式インターフェース内でアプリを構築するならPlaces API、数件を一度だけ確認するなら手作業、独自処理を完全に管理するならPythonが候補です。非エンジニアを含むチームが、許可を確認したデータ源から繰り返しデータを集め、整形・出力まで一つの画面で管理したい場合は、専用のデータ収集ツールが有力です。
OctoparseでGoogle マップのスクレイピングを効率化するには?
Octoparse(オクトパース・オクトパス)は、Webページ上の情報を表形式へ変換し、CSVやExcelなどで活用できるようにするノーコードのデータ収集プラットフォームです。あらかじめ用意されたテンプレートへ検索条件を入力する方法、画面上の要素を選んで独自の収集フローを作るカスタムタスク、AIクライアントから自然言語でテンプレート検索・タスク実行・結果取得を行うMCP連携に対応しています。コード開発、ブラウザ操作、データ整形を別々に管理する必要がなく、ローカル収集とクラウド収集を用途に合わせて選べる点が強みです。
特に、同じ条件で定期的に情報を確認したいチームや、担当者が変わっても再利用できる収集手順を残したい企業に向いています。Google マップについても、手入力や壊れやすいPythonコードの運用負担を減らせる可能性があります。ただし、Octoparseは規約確認を省略するためのツールではありません。まず対象データ、保存期間、利用目的がGoogleの最新規約に適合するかを確認し、問題がある場合は企業公式サイト、行政オープンデータなど別のデータ源へ切り替えます。その前提を満たす業務なら、無料登録後に関連テンプレートを検索し、小規模なテストで取得項目と品質を確認するのが現実的です。
ここではテンプレートを使ってGoogle マップのデータをスクレイピングする方法について詳しく紹介します。
-
Octoparseをダウンロードし、そして登録・ログインする
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テンプレートギャラリーで対象サイトまたは用途に合うテンプレートを検索する。ここでは、Google マップのテンプレートを選びます。

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「実行」を選ぶ
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大量・定期処理ならクラウド収集、すぐ試す小規模処理ならローカル収集を選ぶ
MCPを使って取得後の分析までつなげる場合は、たとえば次のように自然言語で依頼できます。
実行済みタスクの結果を取得し、地域別の件数と評価分布を集計してください。取得値とAIによる分類結果は別の列にしてください。
AIは分類、要約、欠損候補の発見には便利ですが、規約判断や元データとの照合を代替できません。推測した値を取得済みデータとして扱わない設計も必要です。
関連記事:
Googleスクレイピングは禁止・違法?検索結果を合法取得する3方式と3分実践ガイド
実行前に確認すべき10項目
- 対象サービスの最新利用規約を確認したか
- APIを使う場合はAPI固有のポリシーも確認したか
- 取得する項目を業務目的に必要な範囲へ絞ったか
- 口コミ、写真、説明文などの著作物を複製しないか
- 個人を識別できる情報が含まれないか
- 保存期間と更新・削除方法を決めたか
- 第三者への提供や公開を予定していないか
- 技術的制限やログインを回避していないか
- アクセス頻度と同時実行数が過剰でないか
- 取得元URL、取得日時、検証結果を記録するか
一つでも判断できない項目があれば、実行前にデータ源または設計を見直します。特に営業リスト、口コミの再公開、地図データベース、AI学習への利用は、目的と規約を詳しく確認すべき領域です。
Google マップのデータ取得に関するよくある質問
質問1:Google マップスクレイピングは少量なら合法ですか?
少量であることだけでは判断できません。アクセス負荷は下がりますが、コピー、保存、リストの作成、再配布といった規約上の制限は件数だけで決まるとは限りません。取得項目と利用目的も確認してください。
質問2:PythonでGoogle マップを取得すること自体が違法ですか?
Pythonという言語の使用自体が違法なのではありません。対象サービスの規約、アクセス方法、取得データ、負荷、保存と利用方法によって判断が変わります。ブラウザで表示できることと、自動取得して保存できることは同じではありません。
質問3:Google Places APIなら営業リストを自由に作れますか?
いいえ。公式APIにもGoogle Maps Platform利用規約、サービス固有条項、Places APIポリシーが適用されます。取得可能なフィールド、表示、帰属表示、キャッシュ、保存条件を用途ごとに確認する必要があります。
質問4:店名と法人電話番号だけなら自由に使えますか?
公開された法人情報であっても、Google マップからコピー・大量取得・リスト化する行為にはGoogleの規約が関係します。営業利用では、連絡方法に関する法令や業界ルール、自社のプライバシーポリシーも確認してください。
質問5:Google マップの口コミをAIで分析できますか?
技術的には分類や要約ができますが、口コミ本文や投稿者情報の取得・保存、AIサービスへの送信、二次利用について規約、著作権、個人情報を確認する必要があります。集計済みの数値だけで目的を達成できないかも検討してください。
質問6:Octoparseを使えばGoogleの規約確認は不要ですか?
不要にはなりません。Octoparse(オクトパース・オクトパス)は収集作業を設計・自動化するツールであり、データ利用の許可を与えるサービスではありません。対象サイトの規約と用途を確認したうえで、許可されたデータ収集を効率化するために利用します。
質問7:OctoparseはGoogleマップのデータを定期的に更新できるのか?
はい、OctoparseではGoogleマップの店舗・企業データを定期的に更新できます。タスクにスケジュールを設定することで、毎日決まった時間に自動でデータ収集を実行できるため、店舗名、住所、電話番号、評価、レビュー数、営業時間などの最新情報を継続的に取得できます。
特にクラウド実行を利用すれば、PCを起動したままにする必要がなく、営業リストの更新や競合店舗のモニタリング、店舗情報の定期チェックといった用途にも向いています。取得したデータはCSVやExcelなどに出力でき、定期的なGoogleマップデータ管理の手作業を減らせます。
まとめ
Googleマップのスクレイピングは、技術名だけで一律に合法・違法を決められません。しかし、Googleの追加利用規約はコピー、大量ダウンロード、バルクフィード、特定用途のビジネスリスト作成などを明確に制限しています。最初に法律、Googleの規約、取得項目、保存・利用目的を分けて確認することが必要です。
方法を選ぶ際は、公式インターフェースを重視するならPlaces API、少数なら手作業、独自制御ならPython、チームで繰り返すならデータ収集ツールという基準が使えます。Octoparse(オクトパース・オクトパス)を検討する場合も、対象サイトの許可を確認したうえで、小規模なテストから取得精度と運用方法を検証してください。
Webスクレイピング全般の仕組みは、Webスクレイピングの基礎解説も参考にしてください。



