ONLYOFFICE Docs 9.4がリリースされました。エンドユーザー向けの機能追加に加え、開発者・システム管理者にとって注目すべき変更点も多く含まれています。この記事では技術的な変更を中心にまとめます。
ライセンスの更新(AGPLv3 + 追加条件)
ライセンス条件が更新されました。引き続きGNU Affero General Public License v3.0(AGPLv3)のもとで提供されますが、すべての複製・配布物に追加条件の記載が必要になりました。
主な要件:
- 適切な帰属表示と著作権表示の明記
- 改変バージョンであることの明示
- ONLYOFFICEの商標使用は別途の商標ポリシーに従う(ライセンスには含まれない)
Community版:アーキテクチャの大幅見直し
バージョン9.4でCommunity版のアーキテクチャが刷新されました。
主な変更点
- コードのミニファイを廃止 — ソースの可読性が向上し、カスタマイズや調査がしやすくなりました
- 単一プロセスへの統合 — マルチプロセス構成からシングルプロセスに変更。リソース消費の削減と不要な依存関係の排除を実現
- RabbitMQおよびデータベース依存の削除 — 外部サービスなしで動作するため、軽量な環境での展開が可能に
- 同時接続数20件の制限を撤廃 — バージョン9.4以降、オープンソースのCommunity版では接続数に制限なし
これらの変更により、リソースが限られたサーバーや小規模チームでの導入がより現実的になりました。
SharePoint向けWOPI詳細設定
Docs Enterpriseの管理パネルに、SharePoint連携のためのWOPI設定が追加されました。
設定可能な項目:
- WOPI Zoneの同期設定
- Authorizationヘッダーの付与(オプション)
SharePointとONLYOFFICEを連携させている環境では、これらの設定を管理パネルから直接制御できるようになります。
API・Doc Builderの拡張
新しいAPIメソッド
以下のカテゴリで新しいメソッドが追加されました:
- フォーム操作 — フォームフィールドの読み書き、受信者管理に関するメソッド
- カスタムプラグイン — プラグインとエディタ間のインタラクションを拡張する新メソッド
- 段落設定 — 詳細な段落プロパティへのアクセスが可能に
Doc Builderの拡張
書式設定されたテーブルを扱うための新しいクラスおよびメソッドが追加されました。プログラムによるドキュメント生成においてテーブル操作の自由度が上がります。
詳細はAPIリファレンスを参照してください。
エンドユーザー向け主な変更
開発・管理以外の新機能も簡単にまとめます:
| 機能 | 対象エディタ | 詳細 |
|---|---|---|
| 水平線の挿入 | ドキュメント | ホームタブ → 罫線ボタン |
| ダークドキュメントモード | スプレッドシート | 表示タブ(ダークテーマ有効時) |
| 受信者割り当て・入力状況表示 | フォーム | エディタ内で直接管理可能 |
| 署名フィールドの自動入力 | フォーム | 前回使用した画像を自動選択 |
| 新テーマ25種 | プレゼンテーション | デザインタブ |
| 新トランジション20種 | プレゼンテーション | トランジションタブ |
| グラフデザインタブ | 全エディタ(Web) | グラフ設定を一箇所に集約 |
| 貼り付けオプション拡充 | ドキュメント・PDF・プレゼンテーション | デスクトップアプリのみ* |
| 手動保存ボタン | 全エディタ | モバイルアプリ・モバイルWeb* |
| クロアチア語UI | 全エディタ | hr-HR対応 |
*モバイルアプリおよびデスクトップアプリは少し後にアップデート予定
