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Research:江口、北野
Writing:江口、北野
Editing & Review:段、小林、菅澤

因果推論は、特段数学的な知識がなくとも、統計検定2級程度、高校数学修了程度の前提知識ですぐに勉強が始められる比較的参入しやすい分野です。

今回は、その初学の勉強の仕方ということで、何冊か参考書を紹介させていただきます。

1. 因果推論の使われ方、モチベーションを学ぶ(新書程度のもの)

まず最初に読むべきものとして、因果推論のモチベーションとして、どこでどういう風に使われるかを分かっておく必要があります。

もちろん、実務で実際に因果推論を使っている人などには必要ありませんが、読み物としても非常に楽しめるものを挙げさせていただきます。

「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法 
https://amzn.asia/d/dDOnsJm

ローゼンバウム 因果推論とは何か
https://amzn.asia/d/0filI8x

2. 学部レベルの統計学や計量分析を学ぶ(応用先や興味に合わせて選ぶ)

次に勉強することは、統計学を使った数学的定式化や実際にPCを使ったデータ分析で、ここで紹介する本のは大学学部レベルの授業などで教科書として指定されていることが多いです。

計量経済学の第一歩 -- 実証分析のススメ (有斐閣ストゥディア)
https://amzn.asia/d/ij38XsP

  • とにかくわかりやすい。
  • 因果推論の理解に必要な手法の理論は十分解説されている。

社会科学のためのデータ分析入門(上)・(下)
https://amzn.asia/d/3buT51c
https://amzn.asia/d/aJ0Y4Wy

  • 社会科学という広いくくりで学べるので、どの分野の人でもおすすめ。
  • 数学的にも他の本と比べても敷居は高くない。

ローゼンバウム 統計的因果推論入門: 観察研究とランダム化実験
https://amzn.asia/d/hry3DKa

  • 疫学系の人向け。
  • 実際のデータ分析の例と合わせて理論を解説するので、イメージがしやすい。

Rによる実証分析 (第2版): 回帰分析から因果分析へ
https://amzn.asia/d/2CHqLy

  • 理論とデータ分析をどちらも高いレベルで学べる良書。
  • 最初の方で統計の基礎も学べるので予備知識なく通読できる。

計量経済学のための統計学 (日評ベーシック・シリーズ) 
https://amzn.asia/d/cMm2qFY

計量経済学 NBS (日評ベーシック・シリーズ)
https://amzn.asia/d/fb6kHa3

  • これら2冊はセットでやるといい。
  • 一番理論からやりたいひと向け!

causal_inference_roadmap_1.png

3. 因果推論の教科書で理解を深める(理論重視か実装重視かで選ぶ)

確率・統計や、回帰分析といったデータ分析に欠かせないツールをマスターすれば、次にやっと因果推論というものをじっくりと深い視点で見れるようになります。

因果推論入門〜ミックステープ:基礎から現代的アプローチまで
https://amzn.asia/d/gANM6i3

  • とてもよくまとまっている上に深追いしすぎず必要十分なことだけを説明している。
  • コードもあって、実践的。

因果推論の計量経済学
https://amzn.asia/d/0BjpW3p

  • ミックステープより狭い範囲をより詳しく取り扱っている。
  • 近年の論文の紹介もあり、これをやればそのトピックの因果推論の論文は読めるようになる。

因果推論: 基礎から機械学習・時系列解析・因果探索を用いた意思決定のアプローチ
https://amzn.asia/d/j86Ai0o

  • 上記2冊の内容に機械学習や因果探索といった幅広い内容を盛り込み、それぞれ数式的な深堀なせずに、どういうときにどれを使うべきかといった実践向けのポイントが盛りだくさん。
  • これだけ膨大かつ最新のトピックを包括的にまとめているのは洋書含めてもこの本くらい。

インベンス・ルービン 統計的因果推論 (上)・(下)
https://amzn.asia/d/hmmvsWq
https://amzn.asia/d/8u5Wca5

  • これら4冊の中で一番難しい。ただ、内容は古いので、最新のことは書かれておらず、因果推論をこれから研究するぞ!という人しか読む必要はないと思われる。
  • 奥井先生のスライド(ホームページ参照:OKUI, Ryo - 授業 (teaching))や末石先生のスライド(Xのポスト参照:@yaonacs)はこの本をしっかりスライドで要点をまとめてくれている部分もあるので、そういったものを参照しながら、辞書代わりに使うといいと思う。

Causal Inference: What If
https://content.sph.harvard.edu/wwwhsph/sites/1268/2024/04/hernanrobins_WhatIf_26apr24.pdf

  • 洋書だが、疫学系の因果推論をまなぶにはこれしかない。
  • 計量系より数学は少なめだが、因果というものにすごくシビアな印象。

causal_inference_roadmap_2.png

以上の本を読めれば、基本的に論文をよんでもいい頃合いです。一度気になったものを読んでみるといいでしょう。しかし、近年の因果推論はセミパラメトリック統計や統計的学習理論、さらには高次元統計との融合が進んでおり、これらはどれも数学が難しい(測度論的確率論はもちろんのこと、関数解析、経験過程理論、測度の集中現象などを使った非漸近的アプローチなど、数学科3,4回生で習うレベルの解析学の知識が必須)ので、このあたりに興味が出た人は、一度腰を据えて厳密な数学や統計学から始めるといいでしょう。

4.さいごに

基本的に、自分の興味に合わせて、今回紹介させてもらった本のうち、各セクション1冊ずつ読んでみるとしっかり因果推論について学んだと自信が持てるはずです。

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