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Azure無料枠を意識してWindows Server 2022を構築してみた

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はじめに

前回の記事では、Azure上でWindows Serverを構築する際に考えておきたいポイントを、インフラ目線で整理しました。

今回はその実践編として、実際にAzure Portalを操作しながらWindows Serverを1台構築してみます。

今回のゴールは以下です。

  • Azure上にWindows Serverを1台構築する
  • 無料枠を意識してVMサイズやディスクを選択する
  • RDPでWindows Serverへ接続する
  • OS、CPU、メモリ、ネットワーク、ディスクを確認する
  • タイムゾーンを日本時間へ変更する
  • 最後にVMを停止し、割り当て解除まで確認する

注意
本記事の内容は2026年8月時点のAzure Portalをもとにしています。
Azureの無料枠、利用可能なVMサイズ、価格、PortalのUIなどは変更される可能性があります。
実際に利用する際はMicrosoft公式ドキュメントも確認してください。


今回構築する環境

今回の最終的な構成は以下になりました。

項目 設定
リージョン Japan East
OS Windows Server 2022 Datacenter: Azure Edition
イメージ [smalldisk] Windows Server 2022 Datacenter: Azure Edition - Gen2
VMサイズ Standard_B2ats_v2
vCPU 2
メモリ 1 GiB
OSディスク 64 GiB
ディスク種類 Premium SSD LRS
VNet vm-win-test01-vnet
Subnet default (10.0.0.0/24)
NSG vm-win-test01-nsg
RDP TCP/3389
タグ Environment=Test

Azureの無料アカウントでは、対象期間内であれば以下のバースト可能VMが無料枠の対象になります。

  • B1s
  • B2pts v2
  • B2ats v2

今回はWindows Serverを利用するため、Japan Eastで選択可能だったStandard_B2ats_v2を採用しました。

注意
無料枠には利用期間・月間使用量などの条件があります。
また、VM以外のPublic IPなどが別料金になる場合もあるため、Cost Managementで実際の利用料金を確認してください。


1. 仮想マシンの作成を開始する

Azure Portalから仮想マシンの作成を開始します。

今回は検証用途のため、ワークロード環境では「開発/テスト」を選択しました。

ワークロード.png

本番環境では高可用性やバックアップなども検討する必要がありますが、今回はWindows Serverを1台構築して動作確認することが目的なので、シンプルな構成とします。


2. 基本情報を設定する

まずリソースグループを新しく作成します。

今回は以下の名前にしました。

rg-azure-win-test

VM名は以下とします。

vm-win-test01

リージョンは日本国内での検証なので、

Japan East

を選択しました。

可用性については、今回は検証用の1台構成なので、

インフラストラクチャ冗長は必要ありません

としています。

基本情報設定画面.png


3. Windows Serverのイメージを選択する

当初はWindows Server 2025を使用する予定でした。

しかし、通常のWindows ServerイメージではOSディスクの既定値が約127 GiBとなっており、無料枠を意識した64 GiBのディスク構成にできませんでした。

そこで、MarketplaceからSmall Disk版のイメージを探しました。

イメージ選択1.png

最終的には以下を採用しました。

[smalldisk] Windows Server 2022 Datacenter:
Azure Edition - x64 Gen2

Small Disk版を選ぶことで、後ほどOSディスクを64 GiBに設定できます。


4. VMサイズを選択する

当初はStandard_B1sを利用する予定でした。

しかし、Japan Eastでは今回のサブスクリプションからB1sを選択できませんでした。

そこで、無料枠対象候補であるB2ats_v2を選択しました。

Standard_B2ats_v2

スペックは以下です。

vCPU : 2
RAM  : 1 GiB

Azureではリージョンやサブスクリプションによって選択可能なVMサイズが異なるため、実際のサイズ選択画面で確認する必要があります。


5. 管理者アカウントとRDPを設定する

Windows Serverへログインするための管理者アカウントを設定します。

今回はユーザー名を以下としました。

azureuser

パスワードはAzureの要件を満たすものを設定します。

RDP接続を行うため、

RDP (3389)

を許可します。

管理者アカウント.png

ただし、ここでRDPを許可しただけでは、インターネット上の広い範囲から3389番ポートへアクセスできる構成になる可能性があります。

そのため、後ほどNSGで接続元IPを制限します。


6. OSディスクを設定する

ディスク設定では、無料枠を意識して64 GiBのPremium SSDを使用します。

無料枠のManaged Diskとして利用できる構成に合わせ、64 GiBのPremium SSD(P6 / LRS)を選択しました。

設定は以下です。

OSディスクサイズ : 64 GiB (P6)
OSディスク種類   : Premium SSD (LRS)

ディスク.png

VM削除時にOSディスクも削除されるよう、

VMと共に削除

も有効にしています。

今回、通常のWindows Serverイメージでは127 GiBが必要でしたが、Small Disk版を利用することで64 GiBのP6を選択できました。


7. ネットワークを設定する

ネットワークについては以下の構成にしました。

VNet
vm-win-test01-vnet

Subnet
default (10.0.0.0/24)

Public IP
vm-win-test01-ip

NSG
vm-win-test01-nsg

ネットワーク.png

RDP接続を行うためPublic IPを割り当てています。

また、

VMが削除されたときにパブリックIPとNICを削除する

も有効にしました。

検証終了後に不要なリソースが残るのを防ぐためです。


8. RDPの接続元IPを制限する

RDPの3389番ポートをインターネット全体へ公開するのは避けたいため、NSGで接続元を自分のグローバルIPだけに制限します。

まずWindows PCからPowerShellを使用して、自分のグローバルIPを確認しました。

(Invoke-RestMethod -Uri "https://api.ipify.org")

今回の環境ではグローバルIPが取得できたため、そのIPに/32を付けてNSGへ登録します。

重要
Qiitaなどの公開記事では、自分の実際のグローバルIPアドレスは公開しないことをおすすめします。
スクリーンショットに写っている場合は必ずマスクしてください。

NSGのルールは以下のようにしました。

Source:
IP Addresses

Source IP/CIDR:
xxx.xxx.xxx.xxx/32

Source port:
*

Destination:
Any

Service:
RDP

Destination port:
3389

Protocol:
TCP

Action:
Allow

Name:
allow-rdp-myip

NSG.png

/32を指定することで、1つのグローバルIPだけを許可できます。


9. 自動シャットダウンを設定する

検証環境では、VMを停止し忘れて起動しっぱなしになることがあります。

そこで、自動シャットダウンを有効化しました。

自動シャットダウン.png

今回は検証用なので、毎日決めた時刻に停止する設定としています。

ここで設定する自動シャットダウンは、Windows Server内部のタイムゾーンとは別の設定なので注意が必要です。


10. 監視機能を最低限にする

今回はWindows Serverの基本的な構築とRDP接続の確認を目的としているため、追加の監視機能は必要最低限としました。

以下は無効としています。

推奨アラートルール
ブート診断
OSゲスト診断
アプリケーション正常性監視

監視設定画面.png

なお、Azureのマネージド ストレージ アカウントを使用するブート診断については、ブート診断データ自体は現在課金されないとMicrosoft公式ドキュメントに記載されています。

今回は無料枠の節約というよりも、検証対象をWindows Serverの基本構築に絞るため無効化しています。

本番環境では、Azure Monitorやブート診断などを要件に応じて有効化することを検討します。


11. タグを設定する

検証環境だと分かるよう、タグも付けました。

Environment = Test

タグ.png

Azureではリソースが増えてくると用途が分かりづらくなるため、検証環境でもタグを付けておくと管理しやすくなります。


12. 最終確認

「確認および作成」画面で設定内容を確認します。

確認画面.png

今回の主な設定は以下です。

OS
Windows Server 2022 Datacenter Azure Edition

VM
Standard_B2ats_v2

CPU
2 vCPU

メモリ
1 GiB

OSディスク
64 GiB Premium SSD P6

リージョン
Japan East

画面上で「検証に成功しました」と表示されていることを確認して、VMを作成します。


13. VMの起動を確認する

デプロイ完了後、仮想マシンの概要画面を確認します。

概要画面.png

状態が、

実行しています

になっていればVMは正常に起動しています。

今回作成されたVMでは、

Private IP : 10.0.0.4

が割り当てられました。

RDP接続用にPublic IPも割り当てられています。


14. RDPでWindows Serverへ接続する

Azure PortalからRDP接続情報を取得し、Windowsの「リモート デスクトップ接続」を使用します。

スクリーンショット 2026-08-29 230038.png

ユーザー名はVM作成時に設定した、

azureuser

を使用します。

接続に成功するとWindows Serverのデスクトップが表示されます。

スクリーンショット 2026-08-29 230217.png

これでAzure上に作成したWindows ServerへRDP接続できました。


15. Windows Serverの構築後確認

続いてPowerShellから、実際のサーバー設定を確認します。

OS情報

Get-ComputerInfo |
    Select-Object CsName, WindowsProductName, WindowsVersion, OsBuildNumber

実行結果は以下でした。

CsName        WindowsProductName                           WindowsVersion OsBuildNumber
------        ------------------                           -------------- -------------
vm-win-test01 Windows Server 2022 Datacenter Azure Edition 2009           20348

Windows Server 2022 Datacenter Azure Editionが起動していることを確認できました。


CPU・メモリ

Get-CimInstance Win32_ComputerSystem |
    Select-Object NumberOfLogicalProcessors, TotalPhysicalMemory

結果は以下です。

NumberOfLogicalProcessors : 2
TotalPhysicalMemory       : 約1 GiB

Azure Portalで設定したStandard_B2ats_v2の構成と一致しています。


ネットワーク

Get-NetIPConfiguration

結果は以下でした。

InterfaceAlias       : Ethernet
InterfaceDescription : Microsoft Hyper-V Network Adapter
IPv4Address          : 10.0.0.4
IPv4DefaultGateway   : 10.0.0.1
DNSServer            : 168.63.129.16

Azure Portal上で確認したプライベートIP、

10.0.0.4

と一致しています。


ディスク

Get-Volume |
    Select-Object DriveLetter, FileSystemLabel, FileSystem, Size, SizeRemaining

Cドライブは約30 GiBとして認識されていました。

DriveLetter : C
FileSystem  : NTFS
Size        : 約29.4 GiB
空き容量    : 約17.5 GiB

Azure Portal上では64 GiBのOSディスクを割り当てていますが、今回の環境ではWindows Server上のCドライブは約29.4 GiBとして認識されていました。

ディスク全体の容量とOS上のパーティションサイズは必ずしも一致しないため、必要に応じてパーティション構成も確認します。


16. タイムゾーンを日本時間へ変更する

初期状態のタイムゾーンを確認します。

Get-TimeZone

結果は、

Id          : UTC
DisplayName : (UTC) Coordinated Universal Time

となっていました。

今回は日本国内で使用する検証環境なので、日本時間へ変更します。

管理者権限のPowerShellで以下を実行します。

Set-TimeZone -Id "Tokyo Standard Time"

再度確認します。

Get-TimeZone

スクリーンショット 2026-08-29 230618.png

変更後は、

Id            : Tokyo Standard Time
DisplayName   : (UTC+09:00) Osaka, Sapporo, Tokyo
BaseUtcOffset : 09:00:00

となりました。

Azure Portal側で設定する自動シャットダウンのタイムゾーンと、Windows Server内部のタイムゾーンは別設定なので注意が必要です。


17. 検証終了後にVMを停止する

検証が終わったので、最後にVMを停止します。

Azure PortalのVM概要画面から、

停止

を実行します。

しばらく待つと、状態が以下になります。

停止済み(割り当て解除)

停止済み.png

単にWindows Server内部からシャットダウンするだけではなく、Azure Portal上で「割り当て解除」まで確認することが重要です。

VMのコンピュートリソースが割り当て解除されることで、VM本体の稼働状態を停止できます。

ただし、

  • OSディスク
  • Public IP
  • その他関連リソース

などは残っているため、VMを停止しただけで全リソースの料金が完全にゼロになるとは限りません。

検証環境が完全に不要になった場合は、リソースグループごと削除するのが分かりやすいです。

今回の場合は、

rg-azure-win-test

を削除すれば、今回作成した関連リソースをまとめて削除できます。


まとめ

今回はAzureの無料枠を意識しながら、実際にWindows Server 2022を構築しました。

実際に作業してみると、単純にVMを作るだけではなく、

  • 無料対象のVMサイズ
  • リージョンごとのVMサイズ制限
  • Windows Serverイメージ
  • OSディスク容量
  • NSG
  • RDP公開範囲
  • 自動シャットダウン
  • 監視設定
  • タイムゾーン
  • VM停止と割り当て解除

など、インフラとして確認するポイントが多くありました。

特に今回、

Windows Server 2022
+ Small Disk
+ Standard_B2ats_v2
+ 64 GiB Premium SSD P6

という構成にするまでに、VMサイズやイメージを何度か変更しています。

Azureでは「無料対象のVMを選べばすべて自動的に無料になる」というわけではなく、VM、ディスク、Public IPなどをそれぞれ確認する必要があります。

実際にAzure Portalを触りながら構築することで、前回の記事で整理した「インフラ目線で考えるAzure Windows Server構築」を、より具体的に確認できました。

今後は、このWindows Serverを使って、

  • IISを導入してWebサーバ化する
  • データディスクを追加する
  • Azure Monitorで監視する
  • バックアップを設定する

といった内容も試してみたいと思います。


参考

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