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結局NULL合体演算子(??)はいつ使えばよいのか

Last updated at Posted at 2022-02-02

はじめに

PHP7系から追加されたnull合体演算子(??)とPHP5.3系から使えるエルビス演算子(?:)
これらがよくごっちゃになってしまうので、この機会にしっかり使い分けを覚えていこうと思います。

エルビス演算子

まずはエルビス演算子(?:)から。

エルビスプレスリーに似ていることから命名されたらしいです。
演算子界のキング・オブ・ロックンロールですね。

エルビス.png

エルビス演算子を使うと
三項演算子でこのように書いていたところを
$a ? $a : $b;

こう書くことができます。
$a ?: $b;

三項演算子の第二項が省略できるなんて、確かにこれはロックです。

具体例

それでは具体的な例を書いてみましょう。

$name = 'カバオ';
echo '名前: '. $name ?: 'うさこ';

この場合は 名前: カバオ と表示されますが、

変数をブランクで定義すると

$name = '' ;
echo '名前: '. $name ?: 'うさこ';

この場合は 名前: うさこ になりました。

PHPでfalse判定されるものでやってみると以下のような結果になりました。

第一項の値 評価された項
'' $name = ''; 第2項
null $name = null; 第2項
未定義の変数 error
空配列 $name = []; error
0 $name = 0; 第2項
'0' $name = '0'; 第2項
false $name = false; 第2項
セットされていない変数 $name; error

未定義・空配列・セットされていない変数以外は、基本的に、第二項が評価されることがわかります。

NULL合体演算子

では本題のNULL合体演算子(??)を見ていきましょう。
こちらは残念ながら、特に面白いエピソードはありません。

エルビス演算子と違って、nullじゃなければ第一項に落ちてきます。

具体例

三項演算子で書くとこういうことになります。
!is_null($a) ? $a : $b

これがNULL合体演算子だとこのように書けてしまいます。
$a ?? $b;

では先ほどと同様にやってみるとどうなるでしょうか。

$name = 'カバオ';
echo '名前: '. $name ?? 'うさこ';

この場合は 名前: カバオ と表示されますが、

$name = '' ;
echo '名前: '. $name ?? 'うさこ';

この場合は**名前: **になってしまいました。
うさこはいずこへ

nullかどうかをチェックするため、空文字列ならnullでないと評価され、そのものが表示されてしまうんですね。

なのでnullを定義してあげると

$name = null;
echo '名前: '. $name ?? 'うさこ';

名前:うさこ になりました。
うさこおかえり

先ほど同様にPHPでfalse判定されるものでやってみるとこうなります。

第一項の値 評価された項
'' $name = ''; 第1項
null $name = null; 第2項
未定義の変数 第2項
空配列 $name = []; 第1項
0 $name = 0; 第1項
'0' $name = '0'; 第1項
false $name = false; 第1項
セットされていない変数 $name; 第1項

nullと未定義変数以外は全て第一項に落ちてきました。

結局いつ使うのか?

NULL合体演算子結局いつ使えるのでしょうか。
ここでは、使える2パターンを紹介して終わります。

① isset地獄から抜けられる

NULL合体演算子の良いところは第一項が存在しない変数でもnoticeが発生しないところ。

if (isset($_POST['action'])) {
    $action = $_POST['action'];
} else {
    $action = 'default';
}

こんなときにissetしなくていいので便利です。

↓NULL合体演算子を使うとこんなにスッキリ。
$action = $_POST['action'] ?? 'default';

② 複数の演算子をつなげて使用できる

$a = null;
$b = null;
$c = 0;
$result = $a ?? $b ?? $c;
echo $result;  // 0

AがnullであればBを代入、さらにBがnullであればCを代入する」ということができます。

コードがすっきりと書けるのはいいですが、
使いようによっては可読性が損なわれてしまうので、場面で使い分けたいと思います。

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