AWS認定の新試験「AWS Certified Data Engineer - Associate」のベータ版を受験しました。
試験概要
公式サイトの説明は以下の通りです。
AWS Certified Data Engineer - Associate は、コアデータ関連の AWS サービスのスキルと知識や、データパイプラインの実装、問題のモニタリングとトラブルシューティング、ベストプラクティスに従ってコストとパフォーマンスを最適化する能力を検証します。
ベータ版は試験時間が170分で言語は英語のみとなっており、Professional/Specialtyレベルの集中力が求められます。
Data Analytics - Specialtyとの違い
これまでデータ分析系の資格としてData Analytics - Specialty (DAS) が存在していましたが、こちらは2024年4月に廃止となる予定です。
DASとの差異が気になったので、両試験の出題内容を比べてみました。
Data Engineer - Associate
項目 | 試験全体の比重 |
---|---|
データの取り込みと変換 | 34% |
データストア管理 | 26% |
データの運用とサポート | 22% |
データセキュリティとガバナンス | 18% |
Data Analytics - Specialty
項目 | 試験全体の比重 |
---|---|
収集 | 18% |
ストレージとデータ管理 | 22% |
処理 | 24% |
分析と可視化 | 18% |
セキュリティ | 18% |
試験ガイドを読み込むと、Data Analytics - Specialtyはデータ分析システムにおける設計・構築・運用について広く問われるのに対し、Data Engineer - AssociateはSQLクエリ/アルゴリズムのコンセプトやデータ処理の自動化など実務寄りの内容が多い印象を受けました。
また Data Engineer - Associateのみ出題対象となっているサービス も実は多く存在します。
カテゴリ | サービス名 |
---|---|
分析 | AWS Glue DataBrew |
分析 | Amazon Managed Service for Apache Flink |
アプリケーション統合 | Amazon EventBridge |
アプリケーション統合 | Amazon AppFlow |
アプリケーション統合 | Amazon MWAA |
コンピューティング | AWS Batch |
コンピューティング | AWS SAM |
コンテナ | Amazon ECR |
コンテナ | Amazon ECS |
コンテナ | Amazon EKS |
データベース | Amazon Keyspaces (for Apache Cassandra) |
データベース | Amazon MemoryDB for Redis |
ストレージ | AWS Backup |
ストレージ | Amazon EFS |
ネットワークとコンテンツ配信 | Amazon CloudFront |
ネットワークとコンテンツ配信 | AWS PrivateLink |
ネットワークとコンテンツ配信 | Amazon Route 53 |
管理/ガバナンス | Amazon CloudWatch Logs |
管理/ガバナンス | AWS Config |
管理/ガバナンス | Amazon Managed Grafana |
管理/ガバナンス | AWS Systems Manager |
管理/ガバナンス | AWS Well-Architected Tool |
セキュリティ/アイデンティティ/コンプライアンス | AWS Artifact |
セキュリティ/アイデンティティ/コンプライアンス | AWS Certificate Manager |
セキュリティ/アイデンティティ/コンプライアンス | AWS CloudHSM |
セキュリティ/アイデンティティ/コンプライアンス | Amazon Cognito |
セキュリティ/アイデンティティ/コンプライアンス | AWS IAM Identity Center |
セキュリティ/アイデンティティ/コンプライアンス | AWS Shield |
セキュリティ/アイデンティティ/コンプライアンス | AWS WAF |
開発ツール | AWS CLI |
開発ツール | AWS Cloud9 |
開発ツール | AWS CDK |
開発ツール | AWS CodeBuild |
開発ツール | AWS CodeCommit |
開発ツール | AWS CodeDeploy |
開発ツール | AWS CodePipeline |
移行と転送 | AWS Application Discovery Service |
移行と転送 | AWS Application Migration Service |
移行と転送 | AWS SCT |
移行と転送 | AWS Snow Family |
コスト管理 | AWS Budgets |
コスト管理 | AWS Cost Explorer |
開発や運用に関する項目が多く、やはり実践的なスキルを求められています。
表面的な知識だけではなく、実際手を動かすことができるエンジニアを増やしたいというAWSの意思を感じます。
なおAWS Clean Rooms、Amazon DataZoneなど比較的新しめのサービスや機能は出題対象から外れています。
試験予約
ベータ版といっても、試験の予約方法は特に変わりがありません。
今回予約した後に気づいたのですが、受験予約サイトの登録画面には「試験対応」という項目が存在し、母国語が英語でない受験者は試験時間を30分延長することが可能のようです。
とはいえ一度登録した予約をキャンセルするのはリスクがあったため、今回は所定時間の170分で受験することにしました。
学習方法
Data Analytics - Specialtyを受験したときに活用したこちらの参考書をメインに学習しました。
またSkill Builderには、公式練習問題も提供されており、こちらも利用しました。(日本語版もリリースされています)
試験対象のサービスの中で、聞き馴染みのないものはBlackBeltやクラスメソッドさんのブログを参考にしました。
試験の感想
正直手ごわかったです。Associateレベルの試験の中では一番難しいのではないでしょうか。
具体的な出題内容まで書けませんが、数十問解いていく中で自然と解き方のコツも掴めるようになりました。
コツ①
「need」「want」に注目
直後に記載されている文章が要件(設問で求められること)となることが多いです。
コツ②
「MOST」「LEAST」に注目
問題を解くときにありがちなのが、「技術的に可能か」という観点で選択肢を見て、1つに絞りきることができないというケースです。
問題文には、以下のように解答の条件が明記されることがありますので、必押さえておきましょう。
- 最も運用のオーバーヘッドが少ない
- 最もコスト効率が良い
- レイテンシーを最小限に抑えられる
コツ③
略称だけを見る
長い英文を読むことに集中しすぎると、時間が足りなくなる恐れがあります。
長いサービス名やIT用語は「正式名称(略称)」のような形式で表記されるため、カッコ内の略称だけさっくり見て、時間を節約した方がいいです。
例えば以下のような単語が登場していました。
- Extract, Transform, and Load (ETL)
- Personally Identifiable Information(PII)
- Amazon Managed Workflows for Apache Airflow (MWAA)
ベータ版は1月12日で終了し、その後正式版の試験がリリース(日にちは現時点でアナウンスなし)されるとのことです。
今回落ちてしまったら、こっそり日本語版でリベンジしようと思います。