導入
初めてコードレビューを受けたとき、指摘されるたびに胸がざわついたことを覚えている。自分の書いたコードが「間違っている」と言われると、自分はまだまだだめなんだという気持ちが湧いてきて、次のレビューが怖くなる。レビューのコメントを見るだけで「また指摘されるんだろうな」とため息が出たし、夜になると今日あった指摘を頭の中で繰り返し、眠れなくなることもあった。同じように悩んでいる駆け出しエンジニアの皆さん、きっとこの気持ちは共感できるはずだ。今回は、自分が実際にレビューを通じて学んだ技術的なポイントと、気持ちを落ち着かせるために取り入れた習慣について、具体的なエピソードを交えながらお伝えしたい。
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コードレビューで学んだ具体的なこと
最初に気づいたのは、命名の重要性だった。レビューで「変数名が意味不明」と言われたとき、最初は「そんなに細かいことか」と思っていたが、実際に名前を変えてみると、後で自分が読み返すときにすぐに意図がわかるようになった。たとえば、data という変数名を userAgeList に変えるだけで、関数の中での役割が一目でわかるようになり、バグの混入リスクが減った。次に指摘されたのは、関数の責務が大きすぎることだった。最初は「一つの関数で全部やったほうが楽だ」と思っていたが、レビュー担当者に「この関数は入力チェック、変換、保存の三つをやっている」と言われ、それぞれを小さな関数に分割した。その結果、テストが書きやすくなり、変更が必要になったときに影響範囲が狭くなった。さらに、コメントの書き方についても学んだ。最初は「何をやっているかはコードを見ればわかる」と思っていたが、レビューで「なぜこのアルゴリズムを選んだのか」という意図が伝わっていないと指摘され、目的と仮定を簡潔に書く習慣をつけた。これらの指摘は一見些細に見えるが、積み重なるとコードの可読性と保守性が格段に向上し、自分自身のストレスも減ったことに気づいた。
レビューでのフィードバックを受け止めるコツ
フィードバックを受けるときに最初に陥りやすいのは、防御的になることだ。自分は「これで十分だ」と思っているのに、指摘されると「自分はダメなんだ」と感じてしまう。そこで実践したのは、まずコメントを一旦メモに書き出し、感情を切り離すことだった。たとえば、「この変数名はわかりにくい」というコメントを見たら、まず「変数名がわかりにくい」という事実だけをメモに書き、その後に「なぜそう思ったのか」を自分の言葉で書き直す。これにより、感情的な反応を一旦挟まず、事実だけを見つめ直す訓練になった。また、レビュー担当者の意図を確認するために、疑問点はすぐに返信で質問するようにした。例えば、「この部分をリファクタリングした方がいいとありますが、具体的にどのように変更すればよいでしょうか?」と聞くと、担当者も丁寧に説明してくれて、誤解が解けるだけでなく、相手との信頼関係も築けた。さらに、自分が指摘された点をすぐに改善したコミットを作り、その差分をレビュー担当者に共有する習慣をつけた。これにより、「指摘されたらすぐに直す」という姿勢が伝わり、レビューのやり取りが建設的になっていった。
失敗談とそこから得た気づき
ある時、レビューで指摘されたポイントを全部無視してそのままマージしようとしたことがあった。理由は「指摘が多すぎて対応しきれない」と思い込んでいたからだ。その結果、本番環境で予期しない null ポインタ例外が発生し、サービスが一時的に停止した。この失敗は大きなショックだったが、同時に「指摘を無視すると後で自分が苦しむ」という教訓を得た。それ以降は、指摘された項目を優先順位付けして対応するルールを作った。まずはビルドが通らないレベルの重大な問題をすぐに修正し、次に可読性に関わる指摘、最後にスタイルや細かいベストプラクティスの順に対応するようにした。この優先順位をつけることで、気持ちにも余裕ができ、レビューに対する恐怖心が薄れていった。また、失敗をチーム内で共有する場を設け、同じミスを繰り返さないようにした。失敗を隠すのではなく、「こうなったからこう対処した」とオープンに話すことで、自分だけでなくチーム全体の学びに変えることができた。
メンタルを保つための日常的な習慣
コードレビューだけでなく、日々の仕事の中でメンタルを整えるために取り入れた習慣をいくつか紹介したい。まず、毎朝5分だけ「今日やること」を紙に書き出す。これにより、漠然とした不安を具体的なタスクに変換し、何を優先すればよいかが見えてくる。次に、レビューのコメントを受け取った後は、すぐに深呼吸をし、目を閉じて10秒間だけ「今はこのコメントだけを見ている」と自分に言い聞かせる。この短いマインドフルネスが、感情的な反応を抑えるのに効果的だった。また、一日の終わりに「今日うまくいったこと」を三つ書き出す習慣をつけた。たとえ小さなことでも、「変数名を改善できた」「レビューで質問ができた」など、ポジティブな事実を認識することで、自己効力感を維持できるようになった。さらに、週に一度は仕事とは関係ない趣味の時間を確保している。自分はギターを弾くことが好きで、30分だけでもコードを触らない時間を作ることで、頭をリセットし、次の日に fresh な気持ちで仕事に臨めるようになった。これらの習慣は特別なものではなく、誰でも無理なく始められるものばかりだ。
まとめ
コードレビューは技術を伸ばす場であると同時に、自分の気持ちと向き合う場でもある。指摘を恐れずに事実として受け止め、小さな改善を積み重ねることで、コードの質だけでなく自分の自信も育っていく。また、日々のちょっとした習慣でメンタルを整えることで、レビューに対するプレッシャーを軽減し、前向きに取り組めるようになる。同じように悩んでいる駆け出しエンジニアの皆さん、まずは今日受けたコメントを一つだけメモに書き出してみてほしい。その小さな一歩が、きっと大きな変化の始まりになるはずだ。これからも一緒に成長していきましょう。