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1. プロジェクト概要

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  • リポジトリ: github.com/open-jarvis/OpenJarvis(Apache-2.0ライセンス)Apache 2.0ライセンスで公開されている
  • 一言でいうと: クラウドAPI依存を前提とせず、端末上で動くローカルファーストのパーソナルAIを構築するためのフレームワーク。OpenClawやHermes Agentのような既存のパーソナルAIスタックが日々の執筆・調査・コーディング・スケジューリングの中心になりつつある一方、ほとんどのクエリをクラウド上のフロンティアモデルに送っている現状に対するアンチテーゼという位置づけです。
  • 開発主体: Stanford大学のHazy ResearchおよびScaling Intelligence Lab(Stanford SAIL傘下)で開発され、"Intelligence Per Watt"という研究イニシアチブの一部とされています。
  • 論文: arXiv:2605.17172「OpenJarvis: Personal AI, On Personal Devices」(2026年5月16日投稿、Jon Saad-Falcon氏ほか13名の著者)Submitted on 16 May 2026

2. 開発の背景

  • 関連研究「Intelligence Per Watt」ではローカル言語モデルが既にシングルターンのチャット・推論クエリの88.7%をこなせ、2023年から2025年にかけて知性効率が5.3倍向上したと報告されている、としています。
  • 論文では、クラウドモデルをローカルモデルに単純に置き換えるだけではうまくいかず、Claude Opus 4.6からQwen3.5-9Bに置き換えるとPinchBenchやGAIAなどのタスクで25〜39ポイント精度が落ちると述べられています。プロンプト最適化だけではその差の5ポイントほどしか埋まらないともされています。
  • この課題への対策として、Intelligence・Engine・Agents、Tools & Memory、Learningという5つの編集可能なプリミティブにパーソナルAIシステムを分解する「spec」という型付き設定オブジェクトを中核に据えたアーキテクチャを提案しています。
  • 論文中のベンチマークではローカル構成が最良クラウドモデルに対して3.2ポイント差まで迫りつつ、クエリあたりの限界APIコストは約800分の1に抑えられた、またクラウドモデルを教師としたLLM主導のspec探索により局所−クラウド間の精度差を13〜32ポイント縮小できたと報告されています。これらは論文の実験結果であり、Claudeが独自に検証したものではありません。記事で数値を引用する場合は、この点を明記することを推奨します。

3. アーキテクチャ・機能

組み込みエージェント(8種類)

オンデマンド・スケジュール・継続実行の3種類の実行モードにまたがる8つの組み込みエージェントが用意されています。

エージェント 種別 概要
morning_digest スケジュール メール・カレンダー・健康・ニュースからの音声付き日次ブリーフィング
deep_research オンデマンド Web/ローカル文書を横断する引用付きマルチホップ調査
monitor_operative 継続 メモリ圧縮・検索を伴う長時間監視
orchestrator オンデマンド 自動ツール選択によるマルチターン推論
native_react オンデマンド ReAct(思考-行動-観察)ループ型
operative 継続 状態管理を持つ永続自律エージェント
native_openhands オンデマンド CodeAct方式(Pythonコード生成・実行)
simple オンデマンド ツールなしの単発チャット

(出典: リポジトリREADME)これらのエージェントの詳細はUser GuideおよびTutorialsに記載されている。

スキル機構

エージェントがカタログから発見してオンデマンドで呼び出せるツールとしての「スキル」があり、Hermes Agentから約150個、OpenClawから約13,700個のコミュニティスキルをインポートできるほか、agentskills.ioというオープン規格に準拠しているとのことです。jarvis optimize skills --policy dspy のようにDSPyベースでトレース履歴から最適化する機能も含まれます。

4. インストール・クイックスタート

macOS・Linux・WSL2・ネイティブWindows向けにワンライナーのインストーラが用意され、uv・Python venv・Ollama・スターターモデルの導入を自動化する設計です。

プラットフォーム コマンド
macOS/Linux/WSL2 curl -fsSL https://open-jarvis.github.io/OpenJarvis/install.sh | bash
Windows irm https://open-jarvis.github.io/OpenJarvis/install.ps1 | iex
デスクトップGUI GitHub Releasesから .exe/.dmg/.deb/.rpm/.AppImage

補足として、インストールドキュメントには古いドキュメントに見られるopenjarvis.aiというドメインはコミュニティ運営でありTLSが不安定な場合があるため、open-jarvis.github.ioが正式URLであるという注記があります。記事内でコマンドを紹介する場合は公式ドメインを使うのが無難です。

プリセット(jarvis init --preset <name>)は以下の5種類です。

プリセット 内容
morning-digest-* 音声による日次ブリーフィング
deep-research 引用付きマルチホップ調査
code-assistant コード実行・ファイルI/O・シェルアクセス付きエージェント
scheduled-monitor スケジュール実行のステートフルエージェント
chat-simple ツールなしの軽量会話

5. 技術スタック

  • 言語: Python(バックエンド、要求バージョンはPython 3.10以上3.14未満)+ Rust拡張(maturinでビルド)+ フロントエンドはReact(Viteでlocalhost:5173配信)
  • デスクトップアプリはTauriベース(npm run tauri build)
  • ローカル推論は既定でOllama、加えてvLLM・MLX・クラウド(OpenAI/Anthropic/Google)などをextrasとして選択可能
  • PyPIパッケージにはDiscord・Gmail・Slack・Telegram等の多数のchannel系extraや、faiss・colbell・bm25などのmemory系extraが用意されているとのこと。

6. リポジトリ/パッケージの現状(2026年8月29日 確認時点)

  • GitHub: スター8.8k、フォーク2.0k、ウォッチャー135、Issue 56件、PR 60件
  • PyPI: 安定版はバージョン1.0.3(2026年6月29日リリース)で、開発ステータス分類は「3 - Alpha」。1.0.4.dev1061のようなプレリリースが2026年8月25日まで日次に近い頻度で公開されていることから、まだ活発に変化中のアルファ版という位置づけです。

7. 次回に向けて

今回はOpenJarvisの現状 — 独自のspec構成(Intelligence・Engine・Agents・Tools & Memory・Learning)や、agentskills.io準拠のスキル機構 — を中心に調べました。次回は、このスキル/モデル管理まわりをHugging Face仕様(Hugging Face HubやTransformers形式)に寄せる・変換することを目指して検証してみたいと思います。

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