概要
- 参考文献って大事だよね
- どうやって整理整頓する?
- どんなソフト使う?
基本TeXベースの話だけど,実はMS-Wordでも扱える.詳しくは「word bib」などで検索.
更新履歴
2021/3/30: いらない情報削除
2021/3/27: 書き始め
参考文献について
まずは見てみよう
Google Scholarなどや論文誌,研究室内にある先輩の卒論・修論を見ると必ず参考文献がある.斯くも参考文献はとても大事なものである.まずは,どれか一本でも具体的な論文を見て参考文献の引き方を見てみよう.
参考文献の大事さ
他の人の論文を自分の論文中に引用することで,「背景として色々な人が色々な研究をやっていて自分が注目している分野は大事で意義のある分野なんですよ」と表現したり「私の使っている手法の一部は他の人が定式化したもので私のではないですよ,また詳しい情報は引用にありますよ」などを伝える重要なものである.使うところをイメージしてみよう
自分が,卒業論文・発表論文・投稿論文を書くとき,必ず参考文献を引くことになる.なんらかの参考文献を引くときには勿論その論文を読んでいなければならない.論文で沢山の参考文献を引くためには,その10倍~100倍は読んでおかないと「適切な論文を選べない.」つまり日ごろから論文を読んでいないといけない.
そうして集めた論文を,簡単にさっと参考文献として使いたいが,どのように整理整頓していると使いやすいか?
読んだ論文をpdfで残しておいて選ぶ?題名や著者などをメモっとく?
参考文献の書式
ここで参考文献の書式をちょっと見てみる.卒業論文はまあ自由なところもあるので,書式が決まっているものを並べてみる.また書式は引用元が本・発表論文・投稿論文・(その他諸々)で違うが,沢山あると分け分からなくなるので投稿論文で英語論文を引用する場合のみ記載する.番号は本文中で引用する時の識別である(本文では``○○[1]は××で...''のように引く.)
紹介した学会だけでも参考文献の書式が微妙に異なることを理解してもらえれば幸いである.
日本ロボット学会
参考:論文原稿作成要領
[1] Author(s): "Title," Name of Journal, vol. W, no. X, pp. YYY-ZZZ, year.
(例)
[2] K. Yoshida, T. Tsubouchi and G. Kinoshita: "Instruction of making your manuscript," J. of the Robotics Society of Japan, vol. 11, no. 7, pp. 88-99, 1993.
計測自動制御学会
参考: 執筆のしおり
[3] 著者:論文または記事題目,誌名,巻(太字)-号,始ページ/終ページ+追加ページ(発行西暦年)
(例)
[4] A.S.Morse:Global Stability of Parameter Adaptive Control Systems, IEEE Trans.Automatic Control,AC-25-3, 433/439(1980)
IEEE SMC
参考: IEEE Article TemplateからIEEE System, Man, Cyberneticsを選んだ場合
[5] J. K. Author, “Name of paper,” Abbrev. Title of Periodical, vol. x, no. x, pp. xxx-xxx, Abbrev. Month, year. Accessed on: Month, Day, year, DOI: 10.1109.XXX.123456, [Online].
(例)
[6] J. S. Turner, “New directions in communications,” IEEE J. Sel. Areas Commun., vol. 13, no. 1, pp. 11-23, Jan. 1995.
参考文献の利用方法
参考文献を利用するためは以下の二つの方法がある.
- thebibliography環境を利用
- とりあえずでは楽だけど長い目みたら面倒
- bibtexを利用
- とりあえずとしては少し面倒だけど,結果的に楽
- 利用推奨
thebibliography環境を利用
参考文献を表示したいところ(大体最後)に次のように書く.
\begin{document}
....
\begin{thebibliography}{99}
\bibitem{turner1995} J. S. Turner, ``New directions in communications'', IEEE J. Sel. Areas Commun., vol. 13, no. 1, pp. 11-23, Jan. 1995.
\end{thebibliography}
...
\end{document}
で,この参考文献を引用したい部分に\cite{turner1995}
と書けば自動的に通し番号を降って引用してくれる.
ちなみにbibitemのかっこの中身(turner1995)は論文を識別するための文字列で,thebibliography中ユニークであればなんでも良い.
このようにthebibliography環境の中に直接書くので,学会ごとの書式に合わせて:
つけたりタイトルに“
などをつけたり,名前やタイトルなどの順番を気にしなければいけない.
bibtexを利用
bibtexはテキストファイルの簡単なデータベースを使って参考文献を管理する方法である.
細かな仕様はWiki:BibTeXを参考にするとよい.
まず参考文献のデータをbibファイルに保存する(例としてtest.bibとする.)
@article{turner1995,
author = {J. S. Turner},
title = {New directions in communications},
journal = {IEEE J. Sel. Areas Commun.},
volume = {13},
number = {1},
pages = {11-23},
month = {Jan.},
year = {1995}
}
ここで@article
は投稿論文を指す.これ以外にも本や発表論文についてもある.詳しくはWiki:BibTeXを参考のこと.
またその横のturner1995
がthebibliography環境でも使用した論文を識別するための文字列である.
参考文献のデータをtexファイルで読み込んで使うためには以下のようにする.引用はthebibliography環境と同じく\cite{turner1995}
のようにする.
\begin{document}
....
\bibliographystyle{jplain}
\bibliography{test}
...
\end{document}
説明順が逆になるが,まず\bibliography
はデータベースとなるテキストファイルを指定するもので,拡張子(.bib)を除いた名前を書く.
次に\bibliographystyle
は出力スタイルを指定するもので,plain
(欧文用)やjplain
(和文用)などがある.学会のテンプレートに指定があることも多い.
ここで出力スタイルは参考文献の順や名前を姓名にするか姓だけにするかなど指定するものである.そのためbibファイルには完全な情報(名前なら姓と名全部)書くようにする.で,名前だけ表示するか決めるのはスタイルファイルに任せてしまう.
例えば以下の文献があるとする(日本ロボット学会より)
[5] 高橋,吉田,坪内,木下:“ 論文原稿作成の手引 ”,日本ロボット学会誌, vol. 11, no. 7, pp. 88-99,1993.
bibファイルに姓だけしかなくても日本ロボット学会であれば問題ない.しかし他の学会で名前も表示させる書式が選択されている場合,bibファイルを作り直さなくてはならない.これ,面倒.よってbibファイルにはなるべく完全な情報を書いておき,略語や一部だけ表示させるかの選択は出力スタイルに任せる.
利用ソフトウエア
以降はbibtex利用を前提に進める.
bibtexの場合,データベースとなるbibファイルを作成・維持・管理しなければならない.中身はテキストファイルなのでメモ帳でやっても問題ないけど,少しでも楽なようにしたい.
推奨ソフトウエア
JabRefを推奨する.
推奨理由
- フリーソフトである.
- 扱うファイルが特殊ファイルではなくbibファイルそのものでありテキストファイルである.よってJabRefが使えなくなったとしても貯めたデータ(bibファイル)はそのまま使える.
- pdfのドラックアンドドロップで基本的な情報を自動入力してくれる.完璧でないので修正必要だけどゼロからの入力よりは圧倒的に楽である.
使ってみたいなぁ
Notionで管理出来れば,研究室全員で論文データベースを維持・管理できるのでやってみたい.ただワンクリックでbibファイルを作れるような仕組みを構築できていないのでfuture works.
有用情報
-
学術論文の情報をそれらしい形で出力する方法
- bibtex情報を簡単ゲット