本記事の目的
プリセールス或いはプロジェクト化の段階でご要件のヒアリングを行っている際に様々なご不満な点やご要望をお聞きする事がありますが、割と高頻度でお聞きするのはSIerやベンダの対応についてです。
提案時、プロジェクト推進中、納品後(カットオーバー後)と様々なフェーズでの対応がありますが、著者が実際にお聞きした内容や経験談から、SIに取り組む際の注意点を記載しています。
お客様に喜ばれるサービス提供の参考、一助となればと考えております。
複数回の投稿を予定しておりますが、第8回は"課題解決策の仮説"について記載します。
1. 課題の分析
課題といっても様々なものがありますが、お客様からRFPをご提示頂ける場合を除き、先ずはご要望をヒアリングする事になります。
明確に「〇〇〇が課題となっている」というお話であれば考え易いですが、以下の点で確認が必要です。
<課題事項の確認>
- 課題事項の真の原因は何か
- 課題事項は業務フロー的に分析されているか
- 課題事項を解決した場合にどの様な結果となるか(どの様な結果を想定しているか)
- 課題事項はいつまでに解決する想定か
- 課題事項の解決が遅くなった場合にはどの様な影響があり得るか
課題事項は大きく分けると経営的な課題、業務的な課題となりますが、互いに影響する課題もあります。
例えば、何らかの事情で受注がキャンセルとなった場合、業務的には営業部門、経理部門で主に対応が発生する事になる筈ですが、キャンセルとなる回数が予測を超えて多い場合には売上予測に影響しますので経営的な課題となります。
この例で考えた場合、特定の部門だけの業務内容や事情を課題事項として考えてしまうとあまり効果的とは言えない解決策しか考えられない可能性があり、「何らかの事情」の原因に関わる全体的な視点で課題事項を考え分析する必要があります。
原因が明らかであれば分析は容易ですが、複雑な原因が考えられる場合には上記の"課題事項の確認"の観点からご要望事項となった経緯含め分析し、課題事項の本質的な点からどの様な課題なのかを分類すると解決策の仮説を行うことが出来る様になります。
2. なぜ解決策の仮説を行うのか?
SIerが考える課題解決の方策とは、現行システムの改修や適切な業務アプリケーションの開発またはパッケージやサービス、ツールの導入となりますが、方策の選定時には"課題を解決できるものとは何か?”が想定できている必要があります。
例えば、発注から納品までのリードタイムが長いために競合他社商品への乗り換えが原因で受注キャンセルとなっていた場合、製造工程の期間圧縮、契約的な事務手続きの見直し、商品の価格帯検討、商品の機能改善/追加、新商品の投入など色々な点が解決策となる可能性がありますが、どの様な点を解決策とするかで提案する内容は大きく変わります。
システム的な点で想像すれば、製造工程管理システム、受発注管理システム、営業支援システム、在庫管理システムなどの関係するシステムで機能改修や機能追加が提案内容の対象になるかと思いますが、パッケージ製品への移行やSaaSの利用(業務フローの変更を伴う)といった提案内容が対象になるかもしれません。
お客様にとって最も適切となり得る解決策の仮説を立てる事ができれば、仮設に基づいて解決策のストーリー付けが出来る様になり、適用するパッケージやサービス、技術も想定できるだけでなく、導入期間、影響範囲、費用といった点も想定できる様になります。