本記事の目的
プリセールス或いはプロジェクト化の段階でご要件のヒアリングを行っている際に様々なご不満な点やご要望をお聞きする事がありますが、割と高頻度でお聞きするのはSIerやベンダの対応についてです。
提案時、プロジェクト推進中、納品後(カットオーバー後)と様々なフェーズでの対応がありますが、著者が実際にお聞きした内容や経験談から、SIに取り組む際の注意点を記載しています。
お客様に喜ばれるサービス提供の参考、一助となればと考えております。
複数回の投稿を予定しておりますが、第7回は"業界業種の常識を知る"について記載します。
1. 会話を成り立たせるには常識が必要
始めてあった人物と会話をしようとした場合、お互いに知っているであろう話題を考えて話をすると思います。
相手の事を殆ど知らないのであれば、話題が見付からないので誰でも気にする可能性があること(天気や季節など) を話題にして何とか会話を試みようとしてしまいますが長くは続きません。
これをSI提案で考えてみても同じ状況になります。
予め興味/関心のある事をお客様からお聞きしていたり、〇〇について提案して欲しいといった"話題"が想定されていれば事前準備が可能ですので、資料作成が間に合う様であればストーリーを考案して話をすることも出来るでしょう。
しかし、ちょっと話が聞いてみたい、雑談レベルで〇〇とはどういうものかといったご質問から話が始まる場合には、多くの場合は自社サービスに関係する話や技術知識をベースにした話題を挙げてしまいがちです。
ですが、お客様のICTリテラシーがどの程度であるか判らずに話をしてしまうと、お客様にしてみれば 何を言ってるのか全く判らないという状況になりかねません。
つまり、話が長く続かず、「ご質問はありますか?」と問い掛けても"前提"となる常識がなければ「ない」という回答しか得られません。
我々SIer、ICT技術者にとって専門領域の技術知識には様々な常識が存在しますが、お客様にとっても常識とは限りません。
2. お客様の事情が提案の前提
著者の経験則的に言えば、同業他社と言えども内部事情は必ずしも同じというわけではなく、むしろ専門知識の点だけが同一で業務フローや体制、課題等は似通っていても異なる場合が多いです。
SIの根幹は課題解決ですので、お客様の事情を理解していなければ想像で話をする事になります。
しかし、上記の通り必ずしも同様な事情があるとは限らないため、話をするためにはお客様にとって常識と想定できる点から話をしていく必要があります。
その様な話の展開をしないと、話を嚙み合わせるまでに時間がかかり提案の機会が得られずに話が終わる 可能性すらあります。
日々、業務に追われ技術革新は留まる事がないので技術の進展を追うだけでも大変ですが、お客様の事情に合わせた提案でなければご発注を頂く事は難しいでしょう。
出来る限り、お客様の事情が理解できる業界業種の常識を知る機会を得る事が重要になります。
3. 業務プロセスを知る
他業種の専門知識を得るのは難易度が高いですが、先ずは他業種の業務プロセスから知る機会を探してみるのが良いと思います。
上述の様にお客様の事情は多種多様ではありますが、業種にとって常識となる凡そ同一かと思われる業務プロセスはある筈です。
業務プロセスを理解し、出来る限り業種の"常識"を追加で得る事ができればお客様との会話はスムーズに進み、提案の難易度は下がっていく事に繋がります。