本記事の目的
チームを統括するあたって悩みとなり易いものの一つは、各メンバのモチベーションを維持、向上させる事です。
業務指示が論理的に破綻していたり、愚痴や何かしらの不満、パワハラ、作業環境の優劣といった類のものなどモチベーションを損なう理由は様々で、昔から様々な方法論、精神論が考え出されてきました。
著者自身もプロジェクトのチーム、組織体制上のチームを統括するに当たって試行錯誤をして来ましたので、本記事では著者の経験則上で上手くいっているのではと考えている方法論を記載します。
1. 業務内容の説明と理解を重要視する
チームを統括する側として考えた場合、究極的には「放っておいても結果を出してくれるメンバだけが自身の管理下にいて欲しい」という事になりますが、その様なご都合主義が成立するのは極めてメンバが優秀で且つ従順である場合だけです。
プロジェクトともなれば技術領域や難易度などからアサインされるメンバの職務能力は多種多様となり、性格や業務に対する意欲といった点も同様です。
精神論は除外し、自身が統括するチームの担当業務を推進するには、各メンバに振り分けする業務内容がどの様なものであるかの説明と理解が不可欠です。
以下は、各メンバに業務を担当してもらうに当たり、担当業務内容を説明する際の要点を記載(順不同)しています。
- 担当業務の方針
- 担当業務内容
- 担当業務外の業務(チーム内の他メンバの担当業務、他チームの担当業務)と関連性
- 担当業務の完了条件(基準、数量、体裁、期限、品質など)
- 報連相の規則(頻度、内容、条件、宛先、方法)
ここで上げた要点の内、説明が不足する点や未だ決まっていない点がある場合には、いつ時点で説明できるのかも併せて説明する必要があり、これを怠った場合には何かしらの不信感に繋がります。
例えば、プロジェクトの体制図を見せて各チームの担当範囲だけを説明していた場合、「いつ、どの様な状況で、誰が誰に連絡し、誰が対応するのか」がメンバの業務経験次第で理解/判断に違いが出ます。
振り分ける業務内容に因っても異なりますが、本人が理解できるような説明がない場合には「自身の役割と他者との関連性」が不明瞭になり易く、誰に質問すれば良いかさえ迷う人もいます。
性格的に自身から話しかけるのが苦手な人や繁忙な状況で質問し難い場合には、担当しているタスクが停滞したり必要な情報共有が出来ていないといった事が発生し易くなります。
もしこの様な状況が発生した場合に単に注意/叱責してしまうと、必要な情報の伝達がなかった事が起因しているため、業務指示を出す側に対して不満/不信が生まれます。
担当してもらう事になる業務内容は、メンバが理解できるまで説明が必要です。
これくらい説明しなくても判るだろうという思い込みがあると不確実性を払拭できないだけでなく、業務指示を出す側/受ける側の間の信頼関係が崩れる原因にもなりかねません。
信頼関係が原因となってモチベーションが低下する事は良くある話です。繁忙だからといって説明を短時間で済ませる(説明を省く)様な対応をしてしまうと、モチベーションだけでなく作業効率の低下にも繋がりかねないため、業務指示を出す側の優先順位や時間の使い方が重要かと思います。
2. 業務調整の余地を考える
労基法や働き方改革といった規則、基準とは関係なく、各メンバが定時間内でその日の業務を完了させる事が出来るかどうかは業務の進捗状況が大きく関係する点ではありますが、業務指示も関係していると思います。
状況的に担当してもらう他にない場合を除き、業務負荷を調整できる要素があるかは常に把握しておきたい点です。
一般的にはタスク管理が主になりますが、各メンバの進捗状況的に過度な業務量となっていないかどうかは適宜確認し、阻害要因が業務量であるかどうかを判断し調整を図らないと作業時間に大きな違いが出る事があります。
以下の例は極端なものとなっていますが、職務能力に違いがある可能性が高いもののメンバCの業務量が明らかに少ない状況にあります。
業務調整として、メンバBにメンバCへ業務説明を行ってもらい、メンバBとメンバCの間で業務を分担して対応してもらう事でメンバBの業務量とメンバCの業務量を調整します。この様な調整を行うと、メンバCとしては担当できる業務範囲が増える事となりメンバBの業務量を減らす事が出来ます。

極端な例ではありますが、各メンバの職務能力を個々に判断して担当業務を決めるだけでなく、調整の余地がある点を見る様にすれば負担軽減が図れます。
有能な人物ほど担当して欲しい業務は多くなりがちですが、達成すべき点はチームが担当する業務を遂行し完了する事にあると思います。
また、特定の人物に業務が集中すると業務量的な不公平感からモチベーションの低下に繋がる事もあるため、業務的にもモチベーション的にも柔軟な業務調整を図るべきと考えます。
