概要
- 限界開発鯖Advent Calander 6日目 です。
- WindowsからArchlinuxへ乗り換えたのを機に色々と思ったことがあるので、その一部を書き出してみました。
- (Arch)linuxについての知識があることが前提となります、インストール方法などは他の優秀な記事様がありますのでそちらをぜひご覧ください…
- 脈絡のない話が展開されます、一個人の日記とでも思って見てください。
目次
- AURという存在
- AUR へるぱ〜
- 清き1票
- Wine Is Not an Emulator
- キェェェェェェェエェウゴイタアアアアァァァァァァアアァァ
- MicrosoftはWindowsがテリトリー
- Office
- さらなる高みへ
- まとめ
AURという存在
AURとはArch User Repositoryの略称。(Arch User Repository - ArchWiki)
Archlinuxを触っていれば必ず一度は目にする単語である「AUR」、これがもう便利だしもう楽しいし、いいよね。
というよりかは、ある程度の重用度に達すると頼らざるを得なくなる存在ではある。
簡潔に説明すると、「Arch民によるArch民のためのArch的packageの投稿スペース・リポジトリ」、といったところだろうか。
ここには有志の人によるpackageが日々メンテされたりされなかったり、投稿されたりしている。
何が便利かと言うと、ここには公式リポジトリには載らなくとも一部環境によっては重要となるようなもの(ドライバーとか、なんらかの互換性をもたらすソフトウェアなど)、そして「これ良くない???」と言わんばかりの、有志の人によって作られた素晴らしいソフトウェア群が存在している。
ほしいもののキーワードで検索かければ8(/10)割くらいはあるしうち6(/8)割は動く
もちろん有志の人が管理をしているため、残念ながら安全性などを保証することは出来ない(AURもそう言っている)。
しかしAURの管理をしている人たちやその他有志の人たちにより、点検が行われている。
公式リポジトリも良いが、AURも重宝できる存在であろう。
というわけで、実際にpackageを取得してみよう。
事前に[ダッシュボード - AUR]でpackageのソースを落としておいてください。
ページを開いて右上に検索ボックスがあるはず。
落としたいpackageが見つかったら、packageのページを開いて右側の「Download snapshot(ja: スナップショットをダウンロード)」を押して落としてね(どこでもいいよ)。
もしあてがなければyayを落としてみてね。
1: "packageのbuildに必要なものを入れておこう"
$ sudo pacman -S --needed base-devel
2: "build用のディレクトリを作ろう"
$ mkdir -p ~/temp/build
3: "専用ディレクトリにソースを解答しよう"
$ cp [落としたファイルのパス] ~/temp/build
$ cd ~/temp/build
$ tar -xvf [落としたファイル]
4: "let's build and install."
$ makepkg -si
冗長だったかもしれないけど、こんな感じ。
そう難しいことはしてないから、もしやったことがなければ試して欲しい。
AUR へるぱ〜
さて。
―――さっきの手順、めんどくさくない??????
じゃあAURヘルパーなるものを入れてしまいましょう。[AUR ヘルパー - ArchWiki]
AURヘルパーはAURのpackageをめちゃくちゃ楽に入れさせてくれたり、他便利な機能を提供します(packageの変更通知やニュースなども見れたり)
ヘルパーにより差異はあると思うのですが、私の愛用するyayというヘルパーは1コマンドで検索からインストールまでやってくれます、便利です。
導入については先程と同じ手順ですが、一応置いておきますね→[yayの導入 - Qiita]※やり方違うけどね
AURヘルパーはyay以外にも色々とありますので、自分に合うものを探してみるといいでしょう(そんな変わらんと思うけど)
[AUR ヘルパー - ArchWiki]に比較表があります、お収めください。
清き1票
AURを快適に動かせるようにはなりましたが、それとは別に大切なことがありました。
それはAUR packageへの投票です。
そう、AURにはpackageへの投票が可能です。
しかもこの投票機能、ただの評価機能ではなく、重要な側面を持っています。
もちろん作者への励ましや他人の選考理由にもなるでしょうが、そうではありません。
それは公式リポジトリへの移管です。
この投票数がきっかけで公式リポジトリに移管される場合があります、少なくとも10の投票が必要なんだとか。
残念ながら投票数だけでは決まりませんが、しかり推されていけばいずれ…
(ちなみに移管される場合移管先は**community
**です、実はここのパッケージはAUR出身だったりもするんですよ)
投票もさすがAURというか、AURヘルパーのように投票のヘルパーも存在しています→ここの節
ページみるのが面倒な人はこいつらでやってしまうのも手です(私はそうです)。
そんなこんなで、AURの話はおわりです。
Wine Is Not an Emulator
Windowsから脱し、Linuxを常用していると、途中で思ってしまうものです。
「Windowsのソフト、動かねぇかなぁ…」
そう、LinuxはWindowsではありません、違うものは違います、動くものも動きません。しょうがない。
いいえ、動かしましょう。
そんな貴方に、Wine。[WineHQ]
Wineは[!Windows]なOSでWindowsのソフトを動かせるようにするものです。
天才です。
…しかし使う前に一つ認識しておくべきことがあります。
それは、「Wine Is Not an Emulator」(←頭文字とってwine
)です。
WineはVMでもなく、Emulatorでもありません、Windows互換レイヤーの提供をするものです。
想像しづらい方のために雑に例えると、「変換アダプタ」のようなものです。
USB-B端子を形の違うUSB-C端子やLightning端子に変換するように、
[!Windows]なOSのためにWindowsの命令を変換しているような、そんな感じです。
キェェェェェェェエェウゴイタアアアアァァァァァァアアァァ
ものは試し、動かしましょう。
みんな大好きosu!というWindowsで動作する音ゲーを動かしてみましょう。
前提として、wineを入れておきましょう。[Wine - ArchWiki]参照。(丸投げ)
…しかし、まぁ動かすのは一筋縄では行きません、使用するソフトウェアをインストールするなり設定するなり、手順が必要です。
もちろん、ソフトの配布元はそんな事解説しているわけでもありません、自力で環境を整えるほかありません。
とはいっても最初からそれは酷だなぁという。そこで先程のWine公式ページに存在するAppDBを活用しましょう。
AppDBにはこれまた有志の方がソフトの設定方法やその動作について記してくれています、神様です。
[WineHQ]のページ右上端にある「AppDB」を押してみるとトップページに行けます、トップページ右上に検索ボックスがあるので、そちらにアプリ名を投げると検索が出来ます。
今回動かすのはこちらです→[osu! Stable - WineHQ]
といってもそのとうりにするだけです、やるだけやるだけ
と言っても何も書かないのはあれなので、雑な翻訳を置いておきます。
1. "winetricks(便利なお供)をいれよう"
$ sudo wget 'https://raw.githubusercontent.com/Winetricks/winetricks/master/src/winetricks' -O /usr/local/bin/winetricks
$ sudo chmod +x /usr/local/bin/winetricks
2. "win-32bitベースの設定ファイルを作ろう"
$ env WINEARCH=win32 WINEPREFIX=$HOME/.wineosu wineboot --init
"もしMonoのインストールが始まったら、止めてね"
3. ".NET Framework 4.0を入れる"
$ env WINEPREFIX=$HOME/.wineosu winetricks --force dotnet40
4) "osu!を入れる"
$ mkdir 'osu!'
$ wget 'http://m1.ppy.sh/r/osu!install.exe' --output-document='osu!/osu!.exe'
$ env WINEPREFIX=$HOME/.wineosu wine 'osu!/osu!.exe'
さて、起動したでしょうか。
Windowsのソフトに頼らざるを得ない場面は割とありますし、またWindowsで動かすよりLinuxなどのWine上で動かすほうが動作効率が上がることもあるとかなんとか(風のうわさ)
そんなかんじで、Wineのお話はおわり。
MicrosoftはWindowsがテリトリー
最後にちょっとネックになった小話をします。
なんだかんだ言って使うことになるツール、「Microsoft Office」君の話です。
Office系のツール3銃士(Word, Excel, PowerPoint)は割と使う機会があるもので、Linuxを触っていてもなんかしらの形で使いたい…
まぁしかし、Linux上でMS Officeはそのままでは動かない。
選択肢はまぁ色々ある。私はこんな感じだった。
- WineでMS Officeを動かす
- OSSのOfficeスイートを動かす
- Linuxにも対応したOfficeスイートを使う
んで1番目はあのやる気が起きませんでした、はい(めんどくさい)
2番目ですがこれはいくらか選択肢がありますし古の産物もあれば開発中のものもあります、よく言われるのはここだと思います。
しかし私の環境なのか設定のせいなのかまともに使い物にならず…断念。
というわけで私のとった行動が3番目です、Linuxに互換性のあるOfficeスイートを使うことです。…有料の。
格安で自作PC業界でよく見られる(?)「WPS Office」というものです、これはしっかり動いてくれたし特に問題もなく使えました、よかったよかった…(気になる方はご自分でお調べくださいまし…)
というわけで、この話題もおしまいです。
さらなる高みへ
この記事の至るところに「有志の人」というワードが登場していると思いますが、この有志の人というのは紛れもなくどこかのだれかで構成されており、誰でも協力を出来たりするものもありますし、なんらかの領域に達しないと貢献を認められない場合もあるでしょう。
しかしこの"有志の貢献"を重く見て「え…そんなたいそうなことできません…」「時間がないから出来ないと思うなぁ…」と最初から諦めるのもなぁと、最近は思っています。
というのも、AURの投票のような小さなアクションも、翻訳の提供や他投稿もそれぞれ立派な貢献であることは間違いないからです。
AURで言えばたったワンクリックや1コマンドの投票を続けていくだけでもいいし、余裕のある人はパッケージを投稿してみたり、他人のパッケージのbugの修正に走ってみたり、孤児(メンテナの居なくなったAUR package)の報告をしてみたり、色々と出来ることはあります。
まぁともかく、このような有志の貢献の恩恵にあやかるだけでなく、ちょっとしたことから恩返しをしていくといいかもしれませんね、経験や技術も得られるかもよ、というお話です。
よくみる(主観)うたい文句みたいになってしまった…
まとめ
Archlinux、たのしい。
Windows、ちょっとこいしい。
でもやっぱArchlinux、最高。
余談
この記事を執筆中にChromiumが落ちることで大きな編集が吹き飛ぶという事案が発生しました。
よいこの皆さんはlocalで編集するなりこまめに保存するなり心がけましょうね(涙)