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「パスワードは次のメールでお送りします」をやめるためのツールを作った

Last updated at Posted at 2020-04-26

リポジトリは https://github.com/nabetani/mandihe/

mandihe は、MANual DIffie-HEllman から。

手順

  1. Alice→Bob: 鍵交換支援HTMLを生成するHTMLへのアクセスを提供する。
  2. Alice→Bob: 公開鍵を伝える。
  3. Bob: 鍵交換支援HTMLと Alice からもらった公開鍵を使って、パスワードとダイジェストを作る。
  4. Bob→Alice: ダイジェストとBobの公開鍵を Alice に伝える
  5. Alice: Bobからもらった公開鍵で、パスワードとダイジェストを作る。手元で作られたダイジェストと Bobからもらったダイジェストが一致していることを確認する。
  6. Ailce→Bob: 一致しているからOKだよ、と伝える。

Alice と Bob の間の通信はすべて平文でOK。盗聴されても問題ない。
盗聴+改竄だと困ると思う。
盗聴+改竄 に耐えるようにするには認証局(のようなもの)がないと無理なんじゃないかと思っているんだけど、どうだろう。

(1) の「鍵交換支援HTMLを生成するHTMLへのアクセスを提供」は、平文で HTML を送ってもいいし、サーバーに置いて URL を伝えてもいい。

仕組み

鍵交換をメールなどを通じて行う。

鍵交換の情報の流れは下図の通り:

image.png

「鍵交換支援HTMLを生成するHTML」がある理由

鍵交換支援HTMLは、 crypto.subtle.generateKey で鍵ペアを作る。
HTML を表示するたびに鍵ペアを作るようにすると、

2.Alice→Bob: 公開鍵を伝える。

5.Alice: 手元で作られたダイジェストと Bobからもらったダイジェストが一致していることを確認する。

の間に数日空いたりすると運用上面倒なことになる。
面倒を避けるために鍵ペアを記憶したい。
秘密鍵も記憶するので、暗号化したい。
暗号化には鍵が要る。
では、その鍵はどこに保存するか...という問題がある。

そこで

  • 鍵は、 crypto.getRandomValues で生成。
  • 生成した鍵は「鍵交換支援HTML」内の JavaScript のソースコードに埋め込む。

という作戦にした。
これで、 localStorage であっても安全に秘密鍵を保管することができる。

情報の流れは下図の通り:

image.png

index.html が「鍵交換支援HTMLを生成するHTML」で、 key-exchange-helper.html が「鍵交換支援HTML」である。

  1. 「鍵交換支援HTMLを生成するHTML」内でパスワードを生成
  2. 生成したパスワードを埋め込んだHTMLを「鍵交換支援HTMLを生成するHTML」内で生成
  3. 生成したHTMLを Base64 にして、href に入れる
  4. リンクを右クリック→名前を付けて保存 で、できたての HTML をダウンロード

という流れになる。
パスワードの生成からダウンロードまでの流れに通信が絡まないので傍受できない。

これで、

  • localStorage にデータがあればそれを表示
  • なければ生成

という処理にすることができる。
これで運用上の面倒がなくなる。

動作するブラウザ

手元で調べたところ

  • 最新の Firefox
  • 最新の Google Chrome
  • 最新の Microsoft Edge(Chromium版)

で動作することがわかった。調べたのは macOS版 と Windows版。

一方。

  • 最新の Safari on macOS
  • 最新の Internet Explorer 11 on Windows

では動作しない事がわかった。残念。
非 Chromium の Edge は手元にないので試していない。

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