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紙と鉛筆の議事録の世界

こんにちは。
布川シーランド公爵👑です!

地方の、そこそこ歴史の長い中小企業で働いています。

IT企業ではありますが、歴史が長いがゆえに、結構あちこちにアナログな習慣が残っています。
かくいう私自身も入社して数年はバインダーに裏紙を挟み、議事録をとってきました。
(数年前くらいの、ギリギリ平成の話です。)

今ではいろいろと別の手段をとれるようにもなっているのですが、紙と鉛筆の議事録の世界の過渡期の様子をご紹介します。

紙と鉛筆での議事録

我々は、週1で部門会議があり、各自、今どのようなジョブをしているのかを共有していました。
書記当番というものがあり、当番は紙と鉛筆でメモを取ります。
書記は新人からベテランまで平等に回ってきます。

作成した議事録はテキストファイルを社内のサーバーに置いて、保存場所をメーリングリストで通知します。

それを各々で確認し、間違っていた場合は、サーバーにおいてあるテキストファイルを編集することになります。

とくに会議室に電子機器を持ち込んでいけない事情はありませんが、当時はデスクトップパソコンしか支給されていないため、会議室にパソコンを持ち込むのは現実的ではありませんでした。

全体的に年齢層は高めですが、交代で議事録をとっているように、きつめの上下関係はありません。

現在のフロー

議事録はOneNoteに移行しました。
また、テレワーク用にノートPCが支給されるようになっていて、パソコンか手書きかを選ぶことができます。
(社内には根強くアナログメモ派もいますが、会議資料がパソコンを通じて配布されることも多いため、しぶしぶといった形でパソコンに移行しています。)

また、会議自体の開催回数が見直されて、回数自体が減っています。

各自、自分のしている仕事をOneNoteのノートで共有しています。
書記は主に連絡事項などのみを追記します。

とてもラクになりました。

アナログ議事録の良い点、悪い点

新人にとって、アナログ議事録の作成は大きなハードルがありました。
まず、新人が耳でのみ情報を聞き取るのは至難の業です。

それはIT業界の用語であることもあれば、固有名詞であることも、社内でのみ通じるような用語であることもあります。
とにかくそれについていくのでいっぱいいっぱいですが、それに加えて何月何日までに出張だとか誰々さんが××さんというのまで怒涛のように出てくるので頭がパンクします。

会議が終わった後に聞き取れなかった部分を各自に聞きに行き、日付など間違ってはいけない数字を確認し、メーリングリストにシュートします。
不足点があればフィードバックを受けることになります。

良い点

  • 用語の理解

やっぱり理解していない言葉は耳で聞き取れません。
この聞き取れなかった部分を聞きに行かなきゃならないのがのちのち効いてくるようになります。また、聞かれる側も「ああ、ここがまだわからないんだな」という把握につながり、相互のコミュニケーションができます。

(デジタルメモを取ろうとも同様ではありますが、スピードが出る分メモをし損ねることが少ないです。)

  • 要約しながら書かざるを得ない

PCで議事録をとると、人にもよりますが、タイピング速度が出るので、会議の流れをそのままメモしておくのも難しいことではありません。

A:あ、じゃあ機材〇〇用意しますか?
B:いや、あそこはそれはいらないはず。でも購入してもいいかもね。
C:稟議にかけましょう。

みたいなメモをとれなくもないですが、議事録的には

・機材〇〇は不要。ただ、予備として購入するのはあり。稟議。

といったように要約するのが望ましい(*求められている形式による)です。

このあたりが、制約によって自然と身につくようになります。

  • アナログな議事録を取らなくてはならないシチュエーションも存在する

たとえば現場や、お取引様との会議の時など、ノートPCが使用できないシチュエーションが存在します。
アナログメモは気にしないけど、パソコンを開かれるとムッとするようなお客さんも実はおります。
そんなときにアナログでメモができると便利です。

悪い点

・工数がかかる

メリットがないわけではないのですが、上のことは本当にめんどくさいわけです。

DXが進んだきっかけ

チームが紙と鉛筆を脱したのは、アナログ解放運動でもない、陳情でもない、社内の働き方改革でもない、コロナ禍によるテレワークの導入とノートパソコンの支給でした。
(おそらく、国の補助があったことが大きい)。

それまでは全社員デスクトップPCで、メモを取る手段がアナログ以外存在しなかったのです。

それからSlackと少しずつデジタルな環境がそろっていったときに、チームのひとりがOneNoteで議事録をとってみるのはどうかと提案して、「じゃあ試しに……」とやっていって、それ以降「変えよう」という動きはなく、音沙汰がなくなり、事実上承認されました。

まとめ

  • 紙も悪いところばかりではない
  • 根強い支持者がいるやり方を変えたいときは、声をあげたり、「こうしましょう!」とやるよりも環境を作って実績を積むほうが早い(体感)

私はすっかりデジタルに移行しましたが、依然として紙と鉛筆派もいます。

「このやり方にもメリットがあって、できるようになっておくと将来役に立つから」といってしてきたもんですが、下の人たちはアナログメモの習慣を通ってきていません。
違いはあまり実感できていません(笑)

元気よく「ハイ!」と言って、やり方を踏襲しつつ……効果のほどはあんまり真には受けず、フローの改善点を探っていくこと、ヌルっと便利にしていくことが大切なのではないかと思います。
(今回はテレワークでノートパソコンが使用できるようになったのが、本当に追い風でした。)

ツールを提案して、試用してもらったとき、「あ、これ、いいね。ふーん……」となって何も言わなくなったら勝ちです。

補足

社内探検ツアーをするたびに16インチフロッピーや手書きのフローチャート用の定規なんかを発掘していると、ガチのアナログの時代というのを感じます。
古臭さは一方で連綿と受け継がれてきた技術でもあるわけです。
楽にお仕事していきたいので、便利にしていきたいとは強く思うのですが、枯れた技術への敬意も忘れずに持ちたいものです。

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