本記事の位置づけ
本記事は、AWS re:Invent 2025(Amazon Web Services主催)に参加し、現地で体験したセッションやネットワーキングを通じて得た学びや気づきをまとめたレポートです。
記載内容は、現地での体験を中心に構成しており、AWSの最新トレンド(生成AI、AIガバナンス、ハンズオンなど)を若手エンジニア目線で紹介します。
本記事は技術検証ではなく、イベント参加の価値、キャリアへのインパクト、そして「何を感じたか」を中心に記載いたします。
はじめに
はじめまして。株式会社NTTデータ九州 公共システム事業部 公共ビジネス統括部の進藤です。
AWS re:Inventは、世界最大級のクラウドイベントであり、最新技術の発表やハンズオン、ネットワーキングを通じて、グローバルなエンジニアコミュニティとつながる貴重な機会です。
今年は約6万人が集まり、生成AI時代のクラウド最前線を体感する1週間となりました!
この記事では、現地の熱気・注目サービス・セッション内容・個人的な学び を若手エンジニアの視点で振り返ります。
イベント当日の雰囲気
世界中からエンジニアが集まり、会場全体は朝から夜まで活気にあふれていました。各所でSWAG(ノベルティ)の配布やミニイベントが行われ、参加者同士の交流を促進する仕掛けが満載でした。特に基調講演の会場は、これまで見たことのないほどの巨大なスケールで圧倒されました。
今年のテーマは「AIエージェント時代」。AWS CEOのMatt Garman氏は、AIアシスタントからAIエージェントへの進化を強調し、「AIはもはや同僚になりつつある」という言葉が印象的でした。生成AIの進化と、それを支えるクラウドの役割が、イベント全体を通じて強く打ち出されていました。
基調講演(Keynote)のハイライト
Keynoteとは(補足)
AWSが毎年 “最も力を入れている発表の場の一つ” で、
・AWSの今後の戦略
・今年の技術テーマ
・主要新サービスの発表
がまとめて行われる AWS re:Invent の中心イベントです。
Keynote概要
Matt Garman氏による基調講演では、AIの加速化、特に「Agentic AI」を中心に据えた新サービス群の発表がありました。
さらに、その基盤となるハードウェア・ソフトウェア・運用までを一貫して強化する戦略ビジョンが示され、AWSがAI時代におけるクラウドの役割をどのように進化させるかが明確になった瞬間でした。
注目の新サービス(進藤が特に注目したサービスを3つ紹介します!)
① Kiro Autonomous Agent
■ 概要(どんなサービス?)
「補助」ではなく、タスクを丸ごと任せられるのがポイント。
■ 何が新しいの?(これじゃないとできないこと)
- バグ修正のパッチ作成 → テスト → PR作成までを自動連携
- 開発タスクの“指示出し”までできる(単なる支援を超えた役割)
■ 詳細(何ができる?)
- コード生成〜修正まで一気通貫
- 開発効率の大幅向上
- 実運用への影響も期待大
■ 感想・学び
「開発の同僚になるAI」という表現がしっくりくるレベルの完成度で、「開発のやり方、かなり変わるぞこれ…」と思った衝撃のサービスです!
さらに、アイコンがキュートなのも個人的な推しポイントです。
② Trainium 3/4
■ 概要
AWS独自の生成AIモデル学習専用チップの最新世代。
■ 詳細
- 生成AIの学習速度がさらに高速化
- 消費電力あたりの学習性能が向上し、LLM開発が現実的に
- 大規模モデル時代への強い適応
■ 感想・学び
AIモデルを“使うだけ”から、“育てる側”の選択肢が増えたと実感しました!
③ Database Savings Plans
■ 概要
EC2のSavings Plansに似た仕組みをDBにも適用できる新しいコスト最適化モデル。
■ 詳細
- 1〜3年コミットで割引
- サイズ・リージョン・エンジンの縛りが緩い
- 多くのユーザー待望の柔軟性
■ 感想・学び
現地でも「ついに来た!」という声が多数。
実務的なメリットが大きく、採用を前向きに検討したくなるサービスです。
ハンズオン体験
AWS Jam: Generative AI – Sponsored by NVIDIA
■ セッション概要
NVIDIAスポンサーのGenAI向けJamで、複数のミッション(チャレンジ)から選んで Bedrock / SageMaker / 各種SDK を組み合わせ、要件を満たす“動く解”を時間内に作り上げるワークショップ。
ポイントが設定され、要件の達成度でポイントが付与される形式です。
■ 実際にやったこと
- BedrockやSageMakerを活用
- 要件を読み解き、想定シナリオに沿って実践
- チームで協力してゴールを目指す形式
■ 感想・学び
普段触らないAI系サービスも多く、とても新鮮でした。
また、“動くもの” を短時間で形にする 訓練になり、「AIって、触ると意外と仲良くなれるんだな」とか「あ、実務でこうやって組み合わせるんだ!」が腑に落ちた瞬間を感じられた貴重なハンズオンでした。
具体的な課題内容・解法の細部はJamのネタバレを防ぐため触れませんが、生成AIとAWSのサービス群を組み合わせて“要件を満たす解”を作るという体験は他ではなかなかできないため、ぜひ機会があれば参加をおすすめします!
Telemetry forensics: Debugging event systems with metrics & traces
■ セッション概要
イベント駆動システムの監視・ピーク設計・トラブルシューティングに特化したハンズオン。システムの障害調査を、メトリクス/分散トレース で再現・分析を実際に手を動かして疑似トラブルシューティングを行いました。
■ 詳細な内容
- メトリクスや分散トレースを用いた分析により、ボトルネックを特定
- 起こりうる障害ケースを題材に調査
- 現場即戦力のノウハウが学べる構成
■ 感想・学び
正直「難しい…!」と思う部分もありましたが、
“本番で焦らないための思考プロセス”を体験できたのが最大の収穫でした。
また、「これ、明日から仕事で使うやつだ!」という実践的内容で、濃密な時間でした。
今後は日々の業務でもトレース基盤の整備や監視設計を意識し、“なんとなく動いている”ではなく“理由を説明できるシステム運用”を目指したいと感じました。今後は日々の業務でもトレース基盤の整備や監視設計を意識し、“なんとなく動いている”ではなく“理由を説明できるシステム運用”を目指したいと感じました。
AI Governance & Oversight Tabletop Experience
■ セッション概要
配布された資料(投資オプション)から、コストも含め最適な対策をグループで選ぶロールプレイ型セッション。
各テーブルで四半期あたりに与えられている投資枠を考慮しながら、複数の施策から優先度と効果を議論し、施策を採択します。
■ 詳細な内容
- 参加者で取締役会を構成
- シナリオをもとに意思決定
- 法的・倫理的観点も含めて議論
■ 感想・学び
このセッションは、突然「取締役会に参加してください」と言われる刺激的展開で、技術的な話題が多いre:Inventの中で、経営視点からAIを考える貴重な機会でした。また、単なる講義ではなくロールプレイ型の意思決定ゲームとして進行したため、参加者同士の議論が非常に活発でした。最後にはチームで一つの答えを選び、そのポイントの合計で競うというゲーム形式のセッションでした。(感覚としては人生ゲームに近かったです。)
学びとしては、AIリスクへの対応や責任あるAI導入の重要性を、経営層の視点で深く理解できたこと、技術だけでなくビジネス戦略や倫理を含めた総合的な判断力が求められることを実感したことが大きなポイントです。
Expo & パートナー展示ブース
● CockroachDB(ゴキブリDB)
■ 展示内容
- 「しぶとく生き残るDB」がテーマ
- 耐障害性・スケーラビリティ特化
■ 面白かったポイント
- 名前のインパクトが強烈
- つい足を止めてしまうユニークさ
- 海外ならではの大胆さが魅力
● Resolve AI
■ 展示内容
- AIが本番運用を自動監視・自動修復
- “AIプロダクションエンジニア”というコンセプト
■ 面白かったポイント
- 会場でも常に人だかりの人気ブース
- “AIが本番を守る時代”を強烈に感じる展示
- 名前のとおり「解決」に特化した姿勢が印象的
AWS re:Invent初参加で感じたことと、これからの自分
~ラスベガスで心に刺さった言葉~
AWS re:Inventの最後のキーノートで、Werner Vogels CTOが語った内容が忘れられません。
「Fail, and be gently corrected(失敗し、優しく教えてもらうこと)」
大量のインプットに圧倒される瞬間もありましたが、この言葉に救われました。
完璧を怖れず、挑戦を続ければいい!そう背中を押してもらえた気がします。
さらに、
「The work is yours, not tools」
という言葉も印象的で、
ツールはあくまで手段で、本質は自分がどう動くかだと再認識しました。
ラスベガスの熱気、世界中のエンジニアとの交流、そしてこれらの言葉。
初めてのAWS re:Inventは、自分の今後を見つめ直す大きなきっかけになり、
ツールの進化に翻弄されず、自分自身の学びと行動が大切だという再認識にもつながりました。
いつかこの地に戻り、さらに成長した自分で再びAWS re:Inventに参加したいと思います!
免責事項・前提条件
※本記事は2026年1月時点の情報に基づいています。記載内容は筆者個人の見解であり、所属組織の公式見解ではありません。






