あいさつ
はじめまして、日本総合システムの濱田と申します。
私はお客様に近い場所で仕事をすることが多いため、必然的に説明やプレゼンをする機会が多いです。
物事を誰かに伝えるための技術について体系的に勉強したことはありませんが、自分の経験に基づいてどのように考えているかを改めて整理しながら記事にしたいと思います。
「説明力」とは?
説明する力のことを便宜的に「説明力」と書かせていただきました。
まず初めにお伝えしておきたいことは、これからお伝えするこの「説明力」は物事を相手に伝えるための補助的な力であって、話し手の物事に対する理解を超えて作用するものではありません。
逆に話し手がその物事を背景から何から完璧に理解している状態であれば、多少説明が下手でもおおよそ伝わりますし、対話を重ねればいずれ聞き手の理解は100%に近づくと思います。
物事を相手に伝えることができる一番の要素は、伝えたい内容を深く理解していることです。これから述べる「説明力」はそれを底上げする下駄のようなものだとご理解ください。
相手に伝わる説明
前提その1
読んでいただく上で、状況が決まっていると想像しやすいと思いますので、下記の状況を想定したいと思います。
Aさんはあるアプリケーションの開発者で、新しい機能(画面1枚)の開発を担当
画⾯モック完成に伴い、ユーザー(Xさん等)に向け対面形式の説明会を実施
前提その2
説明後のXさんがどの程度理解したかという状態を3段階で定義します。
- 内容を正確に理解した
- 1よりさらに深く理解した
- 理解しただけでなく説明の内容が良いものだと思った
それでは、それぞれの段階について詳細に触れていきます。
1.内容を正確に理解した
Aさんがまず第一に気を付けなければならないことは、間違って伝わらないよう正しく説明することです。
正確に伝えるためのポイントは様々あると思いますが、私が重視しているのは大きく下記の2つです。
言葉の定義をそろえる
こちらは誰しも社会に出てから一度は感じたり言われたりしたことがあることかもしれません。
自分と相手の言葉の定義が違うと、当然うまく伝わりません。そして意外とこれが良く起きます。
特に、その単語の意味が明確に違うということだけではなく、表す範囲の違いであったり、ニュアンスの違いというのはどこにでも潜んでいます。
お互い「当たり前」と思っているところが、ディスコミュニケーションの原因になります。
例えば「画面」という言葉。Aさんは新しく作った画面のことを指しているが、Xさんはアプリ全体のことを指していたり、時としてモニター全体のことと思っているかもしれません。
あとは「エラー」もニュアンスの違いを招くことが多いですね。SEはプログラム的なエラーを想像しますが、ユーザーは単に「動かない」状態を差していることが多い気がします。
ネット断や操作ミスもまとめてエラーと認識しているので話が微妙に合わない、などです。

これから何を説明するのかを説明する
話し手は内容について説明したい気持ちが強いと思います。
なので「何の話なのか」ということについて軽視してしまうことはないでしょうか。内容を話せば分かるでしょうと思う方もいるかもしれません。
しかし、聞き手は「これから話すこと」が何のことなのかを知らないと、説明を聞きながら「これが何の説明なのか」と「説明の内容」を同時に理解しなければなりません。
これも本質を理解させるための足かせの原因となると私は感じています。
2.1よりさらに深く理解した
設計書などを書く時には事実が正確に伝わることが大切なので、ノイズになりそうな、必要のないものを省きシンプルにするよう心掛けていると思います。
説明の場においては対面のメリットを生かし、そのまま伝えるだけではなく付加情報を伝えて相手の理解を深めることを目指します。
今回の例で、アプリケーションの画面を説明をするときの説明を取り上げてみます。
更新ボタン・・・押下すると表示しているリストが最新の状態に更新されます
上記の設計書を説明するとき、付加するとよい情報はどのようなものでしょうか。
ここで意識するとよいのが「なぜこうしたのか」を説明に挟むことです。
「このリストはほかのユーザーが更新する可能性があるため、最新の状態を取得するためにこのボタンを設けました」といった具合ですね。
「なぜ」について注意しないといけないことは、「なぜ」の主語が相手になっていなければならないことです。
更新ボタンの「なぜ」について、「リストをリアルタイム更新させるのが技術的に難しいため」であることは付加する情報としてはいまいちです。
(もちろんユーザーから質問を受ければ説明します)
説明に入れる「なぜ」は相手目線であることが望ましいです。
聞き手は話し手側の事情にそれほど興味はないからです。
3.理解しただけでなく説明の内容が良いものだと思った
これは、聞き手が「聞きたい」と思う説明の仕方(話し方)のお話になります。
説明の場で質問しやすい空気を作らないと相手は理解していても黙り込んでしまい、相互理解のチャンスを逃してしまう可能性があります。
このポイントは、もしかするとあまり共感してもらえないかもしれません。
また、必須でないことはその通りです。
聞き手が説明の趣旨を理解し、合理的に物事を判断してくれる優秀な方であればこの考えは必要ありません。本質にのみフォーカスして話してください。
説明の場において、大抵の場合話し手のほうが理解が深く、説明し終わった後でも理解度の差は完全には埋まらないことが多いと思います。
そうであるとき、「こちらの説明には落ち度がないのであとはそちらで理解してください」というニュアンスを聞き手が感じてしまうと突き放されたような疎外感を感じることがあるのでは思います。
そうすると、意識しているか無意識かは別として「向こうは説明を尽くしてくれているのでこれ以上聞くのは失礼だ」とか、もう少しネガティブに「あまりこちらに寄り添ってくれている説明ではなかったな」と心にフタをしてしまう可能性があります。
フタの厚みに差はあれど、これがなければ聞き手から出てきていた質問を阻害してしまうのです。
心のフタは意外とやっかいです。誰だって尊敬する人の話は一言一句聞きたくなりますし、逆に嫌いな人の話はあまり興味が持てなかったりするでしょう。
「仕事なのだから」そのような感情を持つのはおかしい、と思う人もいると思いますが、実際にそう感じてしまう人がいるのですから仕方がありません。
「そこまで考えないといけないのですか」という声が聞こえてきそうですが、この章の冒頭に述べたように必須ではないと私も思います。
ですが、ふだんやっている自分のクセなどと突き合わせてもらえれば意外と少しのことで改善できるポイントもきっとあると思います。
誠意を尽くした説明を、心のフタでガードされてしまったら悲しいですよね。
具体的な方法は無数にあるのですが、ここでは比較的実践しやすいものを2点ご紹介したいと思います。
相手の意見や質問を否定するときはまず「共感」
Aさんは機能の説明をしなければならないのですから、事実と違うことは明確に「違う」と明言しなければなりません。
これを伝えるときに角を立てないうまいやり方が「共感」です。
具体的には、回答の枕詞に「私たちも同じ疑問にぶつかりました」や「そう思ってしまう気持ちはよく分かります」などをつけることです。
嘘はダメですが多少盛ってもコミュニケーションが円滑にすすむなら私はアリだと思っています。
相手の意見や質問に回答する前に、質問の内容について自分の理解を話す
これをやると、こちらが話をよく聞いていることを相手に伝えることができ、心の距離が縮まります。
もちろん、質問の意図を間違って解釈していないことの確認にもなります。
一番簡単なのはいわゆる「オウム返し」ですね。そこにこちらの解釈をつけたして自分の言葉で話すとベストです。
こちらからの説明というよりは質疑の話になってしまいましたが、対面では必ず遭遇するシチュエーションだと思いますので挙げさせていただきました。
おわりに
長々と書かせていただきましたが、会議などでとても良い内容を話しているのに説明の仕方で損をしているなと感じることがあり、「彼の話の良さをもっと伝えたい!」と勝手に思うことがありますのでこの内容で投稿させていただきました。
一部でも参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。

