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【実践】GraphRAGアーキテクチャの構築:知識グラフ(Knowledge Graph)を用いた複雑な関係性の抽出

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【実践】GraphRAGアーキテクチャの構築:知識グラフ(Knowledge Graph)を用いた複雑な関係性の抽出

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はじめに

こんにちは、NKKTech Global 技術チームです。

従来のRAG(Retrieval-Augmented Generation)は、ドキュメントを細かく分割し、ベクトル検索で似た断片を探し出す手法でした。しかし、この方法には**「点と点が繋がらない」**という弱点があります。

  • 「A氏とB氏の共通のプロジェクトと、その中での彼らの役割の変遷を教えてください」
  • 「この技術仕様書群全体を通して、最もリスクが高いとされている設計判断は何ですか?」

こうした「マルチホップ(複数の情報を跨ぐ)」な質問や、全体的な要約に対して、ベクトルRAGは断片的な回答しか返せません。これを解決するのが、エンティティ(実体)同士の関係性を明示的にマッピングするGraphRAGです。


1. GraphRAGとは何か?:ベクトルの「点」をグラフの「線」へ

GraphRAGは、LLMを使用してテキストから**エンティティ(人、組織、概念など)と、それらの間のリレーション(関係性)**を抽出し、知識グラフ(Knowledge Graph)を構築します。

従来のRAGとの違い

  • ベクトルRAG: 「似た単語が含まれる文章」を近傍探索で探す。
  • GraphRAG: 「意味的に繋がっている要素」をグラフ構造に沿って辿る。

さらに、GraphRAGの革新的な点は、グラフ内の密接に関連する要素を**「コミュニティ」**としてグループ化し、それぞれのコミュニティに対して事前に要約(Community Summary)を生成しておくことで、グローバルな問いにも答えられる点にあります。


2. GraphRAGのパイプライン構成

GraphRAGの構築は、大きく分けて「Indexing(インデックス作成)」と「Querying(クエリ実行)」の2段階で行われます。

Step 1: エンティティと関係性の抽出

LLMに対し、チャンク化されたテキストからエンティティとそれらの関係をJSON形式で抽出するよう指示します。

  • 例: 「NKKTech(組織)」──「開発している(関係)」──「AIエージェント(概念)」

Step 2: 知識グラフの構築とコミュニティ検出

抽出されたデータを Neo4jNebulaGraph などのグラフデータベースへ投入します。
次に、Leidenアルゴリズムなどを用いてグラフをクラスタリングし、関連性の高いノード群(コミュニティ)を特定します。

Step 3: コミュニティ要約の生成

各コミュニティに含まれる情報をLLMに要約させます。これが「全体像」を把握するためのインデックスとなります。


3. 実装のポイント:Global Search と Local Search

GraphRAGでは、質問の種類に応じて2つの検索モードを使い分けます。

  1. Local Search (局所検索):
    特定のエンティティに関連する詳細を知りたい場合。グラフの近傍ノードとベクトル検索を組み合わせ、具体的な事実を抽出します。
  2. Global Search (グローバル検索):
    「全体のテーマは?」といった抽象的な質問の場合。事前に作成した「コミュニティ要約」を並列で読み込み、それらを統合して回答を生成します。

4. GraphRAGの実装スタック例

# 概念的なワークフロー (Python/LangChain + Neo4j)

from langchain_community.graphs import Neo4jGraph
from langchain_experimental.graph_transformers import LLMGraphTransformer
from langchain_openai import ChatOpenAI

# 1. グラフDB接続
graph = Neo4jGraph()

# 2. LLMによるグラフ変換(エンティティ抽出)
llm = ChatOpenAI(model="gpt-4o")
transformer = LLMGraphTransformer(llm=llm)

# 3. ドキュメントからグラフ構造を作成
documents = load_your_docs()
graph_documents = transformer.convert_to_graph_documents(documents)
graph.add_graph_documents(graph_documents)

実際の実装では、Microsoftが公開している GraphRAGエンジン をベースに、自社のデータパイプラインへ統合するのが最も近道です。

まとめ:RAGは「検索」から「理解」へ

GraphRAGの導入により、AIは単に「情報を取ってくる」だけでなく、社内ナレッジの構造そのものを理解できるようになります。

これは、以下のような高度な専門性が求められる現場で真価を発揮します:

  • 複雑なサプライチェーンの分析
  • 法規制のコンプライアンス確認
  • 大規模なコードベースの解析

NKKTech Globalでは、最新のGraphRAGアーキテクチャを用いた次世代ナレッジベースの開発を通じ、企業の複雑な意思決定を支えるAIソリューションを提供しています。

お問い合わせ先

GraphRAGの導入検討、知識グラフの構築、あるいは既存のRAGシステムの精度改善でお悩みの方は、下記よりお気軽にお問い合わせください。


著者:NKKTech Global 技術チーム
私たちは、グラフ構造とLLMの融合により、データの真の価値を引き出すグローバルパートナーです。

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