この記事について
「qTestという名前は聞いたことあるけど、何ができるの?」
「テスト管理ツールって、Excelじゃダメなの?」
そんな疑問を持っている方に向けて、qTestの概要と基本的な考え方をまとめました。
qTestとは
qTestは、Tricentis社が提供するテスト管理プラットフォームです。テストケースの作成・管理から、テスト実行の記録、バグトラッキングとの連携まで、ソフトウェアテストに関わる一連の作業をひとつのツールで管理できます。
主に以下のような場面で使われています。
- アジャイル開発チームでのスプリントごとのテスト計画
- 大規模プロジェクトにおける複数チームのテスト進捗の可視化
- JiraやSelenium、JUnit等の外部ツールとの連携
qTestの主要コンポーネント
qTestは単体のツールではなく、複数のモジュールで構成されています。
| モジュール | 役割 |
|---|---|
| qTest Manager | テストケース・テストスイートの管理、実行結果の記録 |
| qTest Launch | 自動化テストのスケジュール実行と結果収集 |
| qTest Insights | ダッシュボードによる品質レポート |
| qTest Pulse | テスト活動のリアルタイム通知・自動化ルール |
| qTest Explorer | テストセッションをキャプチャし証跡作成を支援 |
初めてqTestに触れる場合、まずqTest Managerから始めます。
Excelとの違い?
「テストケースはExcelで管理している」という声はよく聞きます。ただ、チームが大きくなったり、自動化テストと手動テストを混在させるようになると、Excelでは限界が見えてきます。
具体的に困るのはこういった場面です。
- 複数人が同じファイルを編集してバージョンが混乱する
- テスト実行結果をExcelに手動で転記するのが手間になる
- 自動化ツール(Selenium等)の実行結果と手動テストを同じ画面で見たい
- 複数チーム横断の大規模プロジェクトでは集計・管理が手間になる
qTestはこうしたQAチームで直面する課題を解決するための設計がされています。
連携できるツール
qTestが特に強みを持つのは、既存の開発ツールとの連携です。
- Jira: バグチケットとテスト結果を紐付け
- GitHub / Jenkins: CIパイプラインのテスト結果を自動収集
- Selenium / JUnit / TestNG / Cucumber: 自動化テストの結果をqTestに送信
連携によって、「テストが失敗した → Jiraにバグが自動登録される」といったワークフローが実現できます。
なおJiraとの連携設定詳細は別記事にしていますので、よければこちらも参照ください。
▶ Tricentis qTest と Jira を連携
qTest Managerの画面構成と基本操作
ここでは、qTestの中核モジュールであるqTest Managerの画面構成と、実際の使い方の流れを紹介します。
画面の主要エリア
qTest Managerにログインすると、左サイドバー・メインエリア・上部ナビゲーションの3ペイン構成が表示されます。
qTest Manager のダッシュボード画面。左サイドバーにプロジェクト・テストスイート・リリースのツリーが表示される。画面上部はプロジェクト内の各情報をタブ毎に管理
画面上部には次の主要セクションが並んでいます。
| セクション | 内容 |
|---|---|
| Test Design | テストケースの作成・編集・バージョン管理 |
| Test Execution | テストランの作成と実行結果の記録 |
| Requirements | 要件とテストケースのトレーサビリティ管理 |
| Defects | バグ・課題チケットとの紐付け(Jira連携含む) |
テストケースの作成
Test Designセクションから「+ New Test Case」をクリックすると、テストケース作成画面が開きます。タイトル・説明・前提条件・ステップを入力する構成で、Excelのシートに近い感覚で入力できます。
Test Design > New Test Case 画面。テストケースの全体情報と、各テストステップ詳細を管理。
各テストケースにはバージョンが自動で付与され、変更履歴が残ります。「誰がいつ何を変えたか」が追えるのはExcelにはない強みです。また入力項目は自由に変更・追加できる柔軟性もあります。
テストランの実行と結果記録
Test Executionセクションでテストランを作成し、テストケースを割り当てると、実行サイクルが始まります。各テストケースに対して Pass / Fail / Blocked / Not Run のいずれかをクリックで記録します。
Test Execution 画面。テストケース一覧と実行ステータス(Pass / Fail / Blocked)が列挙される。右側に実行メモ・添付ファイルを記録できるペインがある。
画面のように全体像の把握から詳細のドリルダウンまで数クリックで一気通貫で画面で確認可能です。
Jira連携を有効化している場合には、Defect起票時にその場でJiraにバグを登録するボタンが表示されます。テスト結果とバグチケットが自動で紐付くため、後から手動でリンクを貼る手間がありません。
進捗レポート
qTest Insightでは、テストランごとの合否率・未実行数・Defect件数をグラフで確認できます。スプリントレビューや週次報告にそのまま使えるレベルのサマリーが自動で生成されます。
どんなチームに向いている?
qTestは特に、次のような状況のチームで効果を発揮します。
- アジャイル開発でスプリントごとにテスト計画を立てているチーム
- 手動テストと自動化テストを並行して運用しているチーム
- 複数プロジェクトをまたいでテスト品質を可視化したいQAリードやマネージャー
- Jiraをメインのプロジェクト管理ツールとして使っているチーム
- 組織横断でプロジェクト管理するポートフォリオ管理者
逆に、数人のチームでシンプルなWebアプリを開発しているだけであれば、最初からqTestを導入する必要はないかもしれません。「管理コストが品質向上より大きくなる」ポイントには気をつけましょう。
まとめ
qTestは、テスト管理を「Excelの延長線上」から「開発プロセスの一部」へ引き上げるためのプラットフォームです。特に自動化テストを運用しているチームや、複数プロジェクトをまたいでテスト品質を可視化したいチームには、導入の価値が大きいツールです。





