本記事の概要
Tosca Cloud を初めて触る方向けに、全体像と主要コンポーネントをつかめるように説明します。
※本記事は執筆時点の情報を基にしています。クラウド製品のため、仕様やUIが更新される可能性があります。
全体像
Tosca Cloud の基本構成は主に以下の通りです。SaaSプラットフォームを中心に、ユーザーマシンとエージェントがつながります。
- Tosca Cloud プラットフォーム(SaaS管理画面)
- ユーザーマシン(テスト作成・デバッグ用)
- エージェント(テスト実行用:チーム/クラウド)
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参照元:https://docs.tricentis.com/tosca-cloud/en-us/content/admin_guide/architecture.htm
旧来のToscaと比べて最大の変化は、「サーバー構築が不要」という点です。従来のTosca Serverにあたる部分はクラウド側で提供されるため、ユーザーはTosca Cloudと接続する環境を準備すれば利用できます。
必要に応じて、既存の Tosca on-prem 環境とも連携します。
チームエージェントは社内ネットワーク上のリモート/仮想マシンで運用するケースが一般的です。
通信
基本的に一般的なHTTPS通信ができ、Tosca Cloudにアクセスできる環境下においてはポート開放などの特別な設定は不要です。例外は Simulator agent で、用途によってはポート開放が必要になります。チームエージェントと Web アプリ間の通信は、HTTPS バインディングの WebSocket で行われます。Tosca Cloud へは社内ネットワークからブラウザでアクセスし、ファイアウォールやプロキシが許可していれば追加対応は不要です。
ローカルコンポーネント
ローカル端末側で必要になる代表的なものは次の 2 つです。
- Launcher
- Chrome / Edge のブラウザ拡張
Launcherは各端末にて初回利用時にはインストールが必要です。インストールは画面のDownloadメニューよりダウンロードが可能です。

Launcher は Tosca Cloud がバージョン管理し、サイレントで自動更新されます。ブラウザ拡張はスキャンや実行時のブラウザ自動化に使われ、Launcher のインストール時に同時に導入されます。Tosca XScan を使う場合や、パーソナル/チームエージェントとして使う場合は Launcher が必要です。Simulator agent は例外で、手動コピーでの配布が必要です。Tosca Cloud のバイナリは署名済みです。
Launcher の役割
Launcher はローカルマシン上で以下を自動化します。
- 必要コンポーネントのインストール
- コンポーネントの自動更新
- エージェント起動やスキャンの開始
Webブラウザ単体ではローカルアプリ(ExcelやSAPなど)を操作できないため、このLauncherが「ブラウザとOSの橋渡し」を行います。
Launcher はバックグラウンドで稼働し、コンポーネントが最新であることを確認します。つまり、利用者側は基本的に手動インストールや更新作業を意識せずに済みます。
テスト実行端末においては事前にLauncherを起動しておく事でテスト実行が可能です。また、ユーザーマシン上のPersonal Agentではスキャン時やテスト起動時にLauncherの起動が求められます。
ユーザーマシンとパーソナルエージェント
ユーザーマシンはテスト作成とテスト実行のトリガーに使われます。テスト作成環境の選択によってセットアップが変わります。
ローカルコンポーネントを入れたユーザーマシンは「パーソナルエージェント」としても機能し、スキャン時やトライアル実行時に利用します。
チームエージェント
チームエージェントは、社内(多くは専用 VM)に設置してプラットフォーム内で共有する実行基盤です。ブラウザテストはエージェントマシンにインストールされているブラウザで実行されます。テスト中はデスクトップが記録され、LiveView 有効時はスクリーンショットも取得されるため、テスト専用マシンとして運用するのが安全です。
導入前の要点は次の通りです。
- 管理者権限が必要
- テスト専用のマシンを用意しLanucherをインストールする
- システム要件を満たす端末の準備
- 対象アプリにアクセスできる、あるいは事前にインストールする
チームエージェントはチーム全体で共有されます。
またLauncher起動時にCharacteristicsを指定する事で、特定のエージェントを利用して実行するなどの指定が可能で、特定の端末でのテストを実施する事も可能です。
設定可能なチームエージェントの数は契約内容に準拠します。
クラウドエージェント
クラウドエージェントは ベンダー側でホスト・運用される実行基盤です。セットアップ不要で、Chrome/Edge の Web テストや API テストを実行できます。クラウドエージェントはベータ機能として提供されます。チームエージェントとの併用も可能です。
エージェントの使い分けまとめ
初心者の方は「どれを使えばいいの?」と迷いがちなので、表で整理します。
| エージェント種別 | 主な用途 | セットアップ | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Personal Agent | テスト作成、デバッグ | Launcherのインストール | 自分のPCで動く。手軽。 |
| Team Agent | 本番実行、回帰テスト | テスト専用マシンに導入しLauncherをインストール | チームで共有。 |
| Cloud Agent | Web/APIの簡易実行 | 不要 | Tricentisが用意した環境で動く(Beta)。 |
導入の流れ
- アーキテクチャを理解する
- テスト作成環境を決める
- 必要な端末に Launcher を導入する
- チームエージェントをセットアップする
- Agents 画面で稼働状況を確認する
まとめ
- Webアプリ + Launcher + Agent の3要素で構成されています。
- Launcher がローカルコンポーネントの管理を自動化してくれるため、ユーザーの負担が減っています。
- Team Agent は共有の実行環境、Personal Agent は個人の検証環境として使い分けます。
まずは「ユーザーマシンでテストを作り、チームエージェントで流す」という基本フローを押さえておきましょう。
端末固有の設定や環境差異でユーザーマシンで動作しても、チームエージェント上の端末で動作しない可能性もありますので、ユーザーマシンで作成しチームエージェントで実施。完成版をスケジュール実行や本番テストのための起動設定をながすというフローになります。
参考リンク
- Tosca Cloud Admin Guide
- Tosca Cloud Architecture
- System Requirements
- Downloads and Installations
- Launcher Overview
- Set up User Machines (Personal Agents)
- Set up Team Agents

