文書作成ツールLaTeX1の環境構築。参考文献の管理に便利なBibLaTeXまで一気に構築しよう。ここではLuaLaTeX2を選びます。
環境
macOS Sequoia 15.0.1
手順
- VSCodeを(Homebrewで)インストール
- MacTeXをHomebrewでインストール
- VSCodeにパッケージLaTeX Workshopを追加
- VSCodeのsettings.jsonを編集
VSCodeを(Homebrewで)インストール
直接入れてもHomebrewで入れても良い。私は後者を選んだ。
直接入れる場合は@watamura「MacOSでVisual Studio Codeをインストールする手順」
を参照。
Homebrewで入れる場合を説明する。
Homebrew34自体のインストールは@DaikiSuyama「Homebrewのインストール方法について詳細に解説する」を参照。
ターミナルを開き、以下のコマンドを入力してMacTeXをHomebrewでインストール。
% brew install --cask visual-studio-code
MacTeXをHomebrewでインストール
(ここから読む人のために)Homebrew34自体のインストールは@DaikiSuyama「Homebrewのインストール方法について詳細に解説する」を参照。
ターミナルを開き、以下のコマンドを入力してMacTeXをHomebrewでインストール。インストールには長時間かかる(私の環境では1時間程かかった)。
% brew install --cask mactex-no-gui
インストール開始後すぐにパスワードを要求されるので、自分のMacのパスワードを入力する。パスワードを求められるのは一度きり。
インストールが完了後、無事にインストールできたか確認するため、ターミナルを開き直して以下のコマンドを入力。
% which tex
ディレクトリが表示されたらインストール成功。
VSCodeにLaTeX Workshopを追加
VSCodeを開いて左のメニューから拡張機能を選び、LaTeX Workshop(万年筆のアイコン)を検索、インストール。
インストール後VSCodeを再起動。
VSCodeのsettings.jsonを編集
VSCodeの設定をCmd + ,
で開く(あるいは画面上のメニューバーからCode->基本設定->設定を選択)。
設定画面右上にアイコンが三つ並んでいるので一番左の「設定(JSON)を開く」を選択(ファイルに矢印の付いたアイコン)。settings.json
が開く。
settings.json
の一番外側の{ }
の中に、以下のコードを追加して保存。
"terminal.integrated.env.osx": {
"PATH": "/usr/local/texlive/2024/bin/universal-darwin:${env:PATH}"
},
"latex-workshop.latex.tools": [
{
"name": "lualatexmk",
"command": "latexmk",
"args": [
"-lualatex",
"-synctex=1",
"-interaction=nonstopmode",
"-file-line-error",
"%DOC%"
]
}
],
"latex-workshop.latex.recipes": [
{
"name": "lualatex -> biber -> lualatex*2",
"tools": [
"lualatexmk",
"biber",
"lualatexmk",
"lualatexmk"
]
}
],
"latex-workshop.latex.defaultRecipe": "lualatex -> biber -> lualatex*2",
"latex-workshop.bibtex.engine": "biber"
参考として私のsettings.jsonを載せておきます。
(具体例)私のsettings.json
{
"editor.fontSize": 16,
"terminal.integrated.env.osx": {
"PATH": "/usr/local/texlive/2024/bin/universal-darwin:${env:PATH}"
},
"latex-workshop.latex.tools": [
{
"name": "lualatexmk",
"command": "latexmk",
"args": [
"-lualatex",
"-synctex=1",
"-interaction=nonstopmode",
"-file-line-error",
"%DOC%"
]
}
],
"latex-workshop.latex.recipes": [
{
"name": "lualatex -> biber -> lualatex*2",
"tools": [
"lualatexmk",
"biber",
"lualatexmk",
"lualatexmk"
]
}
],
"latex-workshop.latex.defaultRecipe": "lualatex -> biber -> lualatex*2",
"latex-workshop.bibtex.engine": "biber"
}
コードの内容は詳しく言及しませんが、ChatGPTに聞けば教えてくれます、たぶん。
できたので使ってみる
やったね。早速使ってみよう。VSCodeで以下のtexファイルとbibファイルを同じフォルダ内に作って緑の矢印で実行してみる。その際Skipping undefined tool "biber" in recipe "lualatex -> biber -> lualatex*2."
とエラーが出るが、これは問題ない。上手くいかない場合は下のコメントを見てほしい。
\documentclass{ltjsarticle}
\usepackage[backend=biber]{biblatex}
\addbibresource{references.bib}
\title{サンプル文書}
\author{あなたの名前}
\date{\today}
\begin{document}
\maketitle
これはサンプル文書です。文献を参照します~\cite{sample}。
\printbibliography[title=参考文献]
\end{document}
@article{sample,
author = {山田 太郎},
title = {サンプル論文},
journal = {日本語ジャーナル},
year = {2024},
volume = {1},
number = {1},
pages = {1-10},
}
以下のように出力されたら成功。
コメント
- 出力が上手くいかない場合、
setting.json
に書き足すコードの2行目"PATH": "/usr/local/texlive/2024/bin/universal-darwin:${env:PATH}"
が間違っている可能性がある。特に2024
の部分が違うと思われる。ディレクトリの名前をターミナル等で確認してほしい。 - 出力時のエラー
Skipping undefined tool "biber" in recipe "lualatex -> biber -> lualatex*2."
は、biber
なんて知らないよ、と言っている。だが、途中で自動的にbiber
を見つけてくるので問題なく生成される。
参考にさせていただいた記事
本文中で脚注をつけなかったもの
加えて、settings.jsonやLaTeXのサンプルコードはChatGPTにより作成したもの、あるいはそれを編集したものであることを明記しておきます。