本書を手に取った背景
現在、セキュリティ製品のカスタマーサクセスに携わっているため。
カスタマーサクセスの基本がわかっておらず、最初の読み物として以下の本と合わせて読んでみた。
https://qiita.com/Mune_robo/items/233322e976ebc1903795
結論
以前に読んだ「実行戦略」は具体策が多かったが、こちらの本は考え方、概念から入り原則に入っている感じだったので、より抽象的なところを学べた。
カスタマーサクセスをやっていくうえでの土台を見につける感じ。
地に足をつけるために適した本だと思う。
本書のテーマ
カスタマーサクセスの必要性から10の原則に沿った実践的なプロセス、組織面、技術面での留意事項、カスタマーサクセスの未来と幅広く網羅されている。
個人的なポイント
①CSの性格
明るい性格がいい。
能動的、成功重視型、分析中心、予測性が必要。カスタマーサポートは応答性が必要だった。
★分析して考察する性格じゃないと予測ができない。
②CS があると自社はどうかわっていくか
・長期的に使ってくれる会社がマーケティングの対象になる
・LTVが犠牲になると重視されない
・更新の意識が前者で高まる
・潜在顧客への期待が高まる
・オンボーディングの成功に意識が行く
・更新やLTVにも報酬がでる
③ロータッチの考え方
棲み分けが曖昧になるが、テックタッチの要素を補うところから始める。
・オンボーディング
・部署間引き継ぎ
・毎月の現状打ち合わせ
・幹部へのビジネスレビュー
・現場視察 年に1回くらい?
・ヘルスチェック
・更新前連絡
④新機能の連絡
111ページに具体例有り
⑤ 正しい客に売る
ターゲットとして正しくても、社内の足並みが揃わなかったら間違った客に売ってしまう。
客とのリズムが会えば、信頼できるアドバイザーになり得る。
理想に遠い客なら特別対応をとってもいい。
優先すべきはチャーンの理由を把握してデータを定期的に分析できるシステムを作り、製品部門・カスタマー部門が多角的に分析できること。
⑥部分チャーン
顧客からの値引き要請、使われてないライセンスの返却を指す。
なぜ客は離れていくのか、チャーンに予測可能な事項はあるか、偶然の出来事なのか。
⑦チャーンでよくある理由
1 ROIが得られない
利用率が下がってる。
利用率が上がる機能を増やすなどで対処。
2 実装が遅れたり止まってる
製品を始めたがっていてもPJが始まって意識が薄れたり、集中しなかったりする
3 PJスポンサーやパワーユーザーがいなくなる
顧客からの反応がなくなるとこのケースが多い
4 別のソリューションを使ってる会社に買収された
5 製品の機能が足りない
強気の価格交渉を求められるとこの懸念がある
6 品質の低さや性能に問題がある
サポートチケットの枚数が多いと危険。
7 製品が客にとって適切な解決策ではないことがわかった
8 人的要因
提供側で担当者に対してクレームが入る
⑧カスタマーヘルスの項目
製品定着率
カスタマーサポートへの問い合わせ
調査結果
マーケティングへの関与度
コミュニティ参加度
契約金額の増減
自立度
支払履歴
幹部との関係性
⑨計測する項目
顧客満足度 CSAT
満足度を5段階で。
ネットプロモータースコア NPS
ロイヤリティをはかる。
顧客努力指標 CES
会社との仕事の歯やすさをはかる。
⑩オンボーディングは目標を決めてから
まずはゴールの指標を明確にする。
・◯◯の機能が実装できたら
・ユーザーの利用率が◯%になったら
・◯◯の運用負荷がへったら
・ユーザーの作業コストが◯円減ったら
・説明研修が全社員に終わったら
成功指標が定まらなければ無駄に時間を費やすので、ハンドリングする意識が重要。
タイムトゥーバリューが向上すれば客がアップセルクロスセルに応じてくれる意識も高まる。だからとことんこだわるべき。
⑪チャーンとリテンションを理解する
リテンションは、客が離れずにサービスを使い続けてくれることでそれを理解する。
この誓は以下⑤ステップ。
・計測方法とCMRRの要素を定める
・計測期間と頻度を定める
・CMRRの予想値とチャーンの種類を決める
・チャーンの疑いとチャーン間違の状態を区別する方法を決める
・上層部がチャーンとリテンションの基準となる定義と報告方法を固める
収載に踏み込む場合
・規模拡大した客の割合
・チャーンレートが高い業界
・製品ごとのリテンションと成長率
・初回更新での割引などしたか★
・③年以上使ってる客の当初の契約規模と平均契約規模★
⑫CSの成果
純リテンション
総リテンション
収益増加率
顧客リテンション立
顧客満足度
NPS
⑬ハイタッチの計測
パイプラインの規模、成長度合い、動き
電話の件数
ミーティング数
提案の作成数と提示数
取引規模の平均値
⑭CSはロイヤリティ向上であり愛をもってもらうこと
スタバ愛が例に出ていた。
この製品のここがいい!最初いろいろあったけど、結果こんなことになった!というエピソードが愛を生む。
今後やれること
これらの知識を用いてCSの議論
他社のCSの内容も調査する
自組織の立ち位置を把握し向上に向けて動く
まとめ
チームマネジメントやカスタマーヘルス、オンボーディングが契約に影響を与えること、契約①年目にやることなども書いてあって非常に勉強になった。