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文脈力こそが知性である

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背景
読解力を身に着けたいと思って、いろんな本を読んでいる中で本書を手に取りました。
齋藤孝さんの本で「大人の読解力を」鍛えるという本も読んだのですが、大変おもしろかったです。
https://qiita.com/Mune_robo/items/cb68212a74bfc2e3f291

齋藤孝さんの書く本は個人的にすごく面白くて、読みやすかったのですが、文脈力にも興味が湧いて本書も読んでみました。

本書のテーマ
文脈力とは斎藤孝さんが作った造語ですが、「文脈を捕まえる力」や「文章をつなぐ力」というものを一つの概念として提示したものです。
文脈力について書いた本は他にもあるのですが、改めて文脈力をアップデートして、知性を磨いていくというのがこの本のテーマになっています。

個人的なポイント
1.語彙力を輝かせるのが文脈力
語彙は文脈の中ではじめて活きてくる。どんなに素晴らしい言葉を知っていてもそれを自由に使えなければ意味がない。

2.頭の良さの本質は「蓄積された知識に基づいて何ができるのか」
頭の良さにもランクがあり、記憶したことを再生できるだけでは足りない。最も難しいことは「新たな概念や型、方法を生み出せること」

3.頭がいいとは何かと何かが繋がったとき
ひととはなしていて、「これはこれと関連している」とかっていう感じで返されるとはっとするというか、発見があったと感じることがあります。
頭のいい状態とはこういうつながりを発見する力であり、この努力を積み重ねていくことで知的な人になっていけます。

4.空気を読まない人とは
文脈を外してしまう人のことです。置かれた状況で自分に何が求められているのか。相手や場に関わっっている人たちの感情や機微に気づいて想像力を及ばす。人と人との間にあるものを予測し、配慮するのが大事です。
コミュニケーション能力に通ずるものだと思います。

5.求められるのはスピーディーな言語化
必要なときにさっと必要な言葉が出せるべきです。短時間で素早く脳を働かせ言語化する回路が開かれてないといけません。常に思考力と瞬発力を求められます。

6.スピーディーな言語化を実現するために
齋藤孝さんは「しゃべくり勉強法」というのを中学生時代にやっていたそうです。試験が近くなると、覚えたことを友人に説明する。これをやったことで普段も知識を出すスピードが早まったそうです。
他にもニュースのキーワードを説明する方法や新書を読んで3つのキーワードをピックアップし説明する方法なども公開していました。

7.哲学書や古文、英語の本からも文脈を読み解く
齋藤孝さんは何かを鍛えるために様々な手法を紹介してくれます。その一例が上記なのですが、特に読みづらくとっつきづらいジャンルのものでも、こうやって読めば発見があるということを教えてくれています。

8.知者は惑わず
論語に「知者は惑わず、仁者は憂えず、勇者は懼れず」という言葉があります。まさにここの「知」を養うことでもっと幸せになれると思います。

一番心に残ったポイント
知性のランクがわかりやすくて心に残っています。
A~Dまで定義しているのですが、その内容は以下です。
A:記憶したことを再生できる
B:記憶に基づいて自分の言葉で再構築できる
C:知識や情報を組み合わせて、そこからアイデアを出せる
D:新たな概念や型、方法を生み出せる

私は仕事柄、Bまでの能力が平均的に求められるのですが、ここまでに至るのもなかなか難しいです。
そして、学者や博士はDに値するのだろうと考えると、全くレベルが違うんだなと気付かされました。
ただ、漠然と自分が求められていることをイメージしていたので、Bというランクだったことにほっとした部分もあります笑
これに気づけただけでも、すごくありがたいです。

まとめ
読解力、文脈力を学ぶ上で、本当に最高峰にいい本と出会えたと思いました。
読解力を身につけるには本を読むことが大事だと動画で見てから、いろんな本を読み、アウトプットをしてきました。
いままでの人生でこんなに本を読んできたことはありませんでしたが、読書が加わることでこんなにも意識は変わるものなんだと実感しています。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」というオットー・フォン・ビスマルクの格言がありますが、私はまさに前者でした。むしろ、歴史から学ぶということがなにかもわかっていませんでしたが、読書を通して著者の考え方や経験を学べることがそれであり、貴重なものだったんだと思います。

読解力だけでなく、様々な分野に興味が出てきたので、引き続き様々なジャンルの本を読んでアウトプットしていきます。

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