いよいよ、毎日、世界標準な新規感染数になりました。
2020年7月31日現在(厚生労働省より)
総感染数;35233
重症者;80
死亡数;1010
新規感染数;1574
しかし、政府は依然注視するということで、非常事態宣言を発する段階ではないという説明をしています。
理由
①重体な患者が少ない
②医療施設はひっ迫していない
...
以下は宣言出さない直接の理由とはなりませんが、
③経済を回す必要がある
あたりを揚げていますが、今一つ一般人には理解できない状況です。
そこで、上記の理由をデータ推移からみようと思います。
※他国の状況と比較するのは一つの方法ですが、今回はデータ処理で国内の状況をみようと思います
###4月の流行と今回の流行
まず、一枚の絵の比較は以下のとおりです。
####4月の流行
4月の流行では、以下の順番に訪れています
①新規感染数(青い棒グラフ)の増加
②現存感染数(cases;赤いプロット)の増加
③遅れて累計治癒数(緑の小さな点プロット)と日々治癒数(緑の大きなプロット)の増加
④累計死亡数(青いプロット)の増加
と続きました。そして、治癒の遅れは24日-26日程度と見積もられ、退院するとみられます。死亡数の遅れはグラフの形状は似ており上下(死亡率を見て)を合わせ、(横軸ずらして完全にフィットさせて見積もる必要がありますが)、おおざっぱに目間でフィットさせて約10日程度(死亡率3-4%)のようです。
※精査する必要がありますが、ここでは遅れと死亡率がその程度あるという認識が大切です
####今回の流行
今回の流行で同じような絵を描いて見ると様相は一変します。
①新規感染数の上昇は20(6/20)辺りから指数関数的に増加
②それに伴って現存感染数(赤いプロット)が増加しています。20日より手前は第一波の余波が残っているようです
③そして治癒数です。今回の流行では累計治癒数(緑の小さいプロット)及び日々治癒数(緑のプロット)はすぐ立ち上がって、ほぼ現存感染数と同じ曲線を描いています。なお、この累計治癒数は今回の流行だけを見たいので一度5/31時点で0クリアしています。
④死亡数は立ち上がりから30日以上たっていますが、ほぼフラットで10日前からほんのちょっと立ち上がりかけていますが、傾きは非常に小さい状況です。定常状態になると赤いプロットと平行になってきますがまだまだ先なようです
(この時点で、死亡率1%以下なようで、4月と比較して下がっていると言えます)
⑤現存重症数(黒いプロット)が現存感染数(赤いプロット)と同形状で増加に転じてきた。これは先日取り上げた通りの性質です
###治癒数曲線をよく見ると
ということで、今回の流行の新規感染数と日々治癒数を重ねてみることとしました。
結果は以下のとおりです。
以下の絵は、日々治癒数を左に6日ずらすと得られました。
これ以上ずらすと日々治癒数が新規感染数を上回ってしまいます。
また、もう少し右にずらすと、新規感染数より大きくずれて下回ってしまいます。つまりこの程度の遅れで多くの人が治癒(退院)していると考えるのが妥当なようです。
この点を称して
①若者感染が中心
②無症状・軽症が多い
という表現で表されているようです。
そして、この部分が4月の感染とは大きく異なるという主張となるのだと思います。
とはいえ、現存感染数(要入院・要監視対象者)は感染が拡大する限り、減少せず、医療や保健所の作業は増大していきます。すなわち、緑のプロットの右側部分の人は現存感染数として、入院や自宅待機など監視対象総数になると考えれば拡大は明白です。
###今後の感染数拡大の予測
そして、何より地域の広がりや感染年齢の広がりは注意が必要で、こういう広がりはおおざっぱに云えば、感染拡大が広がればそういう地域や層に自然に広がると考えるのが自然です。
※本来なら、こういう地域や年齢層の広がりの時系列分析をしたいと思いますが、この記事では取り上げません
ということで、ここでは新規感染数の現状を示したいと思います。
新規感染数の広がりはこの記事を書いている現在、以下のとおりです。
トレンドについての分析結果を示します。
####全国
順調に増加しています。
2000人/日は目前で、5000人/日も視野に入ってきました。
増加率は、約10倍/30日程度です。
月末には10000人/日以上になるという予測が成り立ちます。
####東京
一方、東京は7/31に463人の新規感染数が出たので、一度マイナスになりそうでしたが、増加傾向に転じています。
しかし、増加率は小さく、このままの推移で抑えられる可能性があるという予測が立ちます。
最も、上記のマイナス傾向は単に検査数が少なかった影響のようでもあるので予断は許さない状況です。
####東京以外
全国と東京の状況から予測できますが、実際計算してみると、急激な増加となっています。
増加率は約10倍/25日であり、単純計算では10000人/日は25日辺りと予測できます。その前にお盆明けには5000人/日程度に拡大しているものと想定されます。
つまり、地方で流行拡大しており、ここでは示しませんが、地域拡大もして、年齢層拡大(若年層から高齢者)も発生しているのは容易に想像されることで、今後危険な展開を危惧します。
###まとめ
・4月の流行と今回の流行を比較してみた
・今回の流行では治癒数曲線が4月の流行や通常の予測とは大きく異なることが分かった
・感染数予測は今後も地方で大幅に拡大する予測であり、お盆明け5000人/日、月末10000人/日の新規感染数が発生すると予測でき、危惧される
・本記事のスコープ外だが、6日程度で治癒というのは、無症状・軽症者への監視期間がその程度に設定されているものと考えられ、議論の必要がある
・地域拡大や年齢層拡大の評価をデータ分析でやってみようと思う
###コードは以下に置きました
####データ作成用
COVID-19_Japan/test_pd.py
厚労省公開の日々pdfから、csv作成し、それらを加工するプログラムです。東京以外のデータはエクセル上で手動処理して作成しています。
####全体のグラフ作成用
COVID-19_Japan/simple_draw_Japan.py
####感染予測グラフ作成用
COVID-19_Japan/MACD_stock.py
####作成済data(7/31現在)
以下に置いてあります
upload日付で最新版と4月流行分の判断をしてください
COVID-19_Japan/data